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大学生の強制性交等事件で退学を回避
今回は、大学生のAさんが強制性交等事件を起こした場合において、退学などの不利益な処分の回避を目指す弁護活動につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
大阪府阪南市に住む大学生のAさん(21歳)は、アパートで一人暮らしをしています。
Aさんは同じアパートに住む女性Vと性交したいと考えていました。
ある日Aさんは、Vが部屋に1人で居るところを見計らい、部屋に侵入し、Vを床に押し倒して強制的に性交してしまいました。
後日Aさんの部屋に大阪府泉南警察署の警察官が現れ、強制性交等罪の疑いで逮捕されてしまいました。(フィクションです)
~Aさんに成立する犯罪について解説~
Aさんには「強制性交等罪」(刑法第177条)、「住居侵入罪」(刑法第130条前段)が成立する可能性が高いと思われます。
(強制性交等罪)
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交をする犯罪です。
13歳未満の者に対して性交、肛門性交、口腔性交を行った場合は、暴行・脅迫によらなくても、また、被害者の同意があったとしても、強制性交等罪が成立します。
強制性交等罪における「暴行」とは、身体に向けられた不法な有形力の行使をいい、「脅迫」とは、害悪の告知をいいます。
「暴行」「脅迫」の程度は、被害者の反抗を著しく困難にする程度のもので足り、反抗を抑圧する程度に達する必要はありません。
Aさんは、Vを床に押し倒すなどしていますが、男性のAさんが女性のVを押し倒し、上からのしかかるなどした場合、Vの反抗を著しく困難にするものと考えられます。
したがって、Aさんの行為が上記「暴行」に該当すると判断される可能性は高いと思われます。
上記暴行によりAさんはVと性交をしたものと考えられるので、Aさんに強制性交等罪が成立する可能性は高いでしょう。
(住居侵入罪)
正当な理由がないのに、人の住居に侵入する犯罪です。
住居侵入罪にいう「侵入」とは、「管理権者の意思に反する立入り」を意味します。
ケースにおける「管理権者」はVです。
VはAさんが自身と強制的に性交する目的で自宅に立ち入ることを容認していないと考えられるので、Aさんに住居侵入罪が成立する可能性は高いと思われます。
~今後の弁護活動~
Aさんが逮捕されてしまったことや、起訴されてしまったことを大学に知られてしまった場合、退学処分等を回避することは難しいかもしれません。
ですが、大学生が起こした強制性交等事件の全てが大学に知られてしまうわけではありません。
もし事件を起こしたことが知られていなければ、事件を起こしたことを知られる前に適切な弁護活動を行い、不利益な処分を回避できる可能性があります。
(早期に示談交渉に着手する)
早期に示談交渉に着手し、有利な条件で示談がまとまれば、釈放される可能性が高まります。
釈放されれば、今まで通りに大学へ登校することができます。
示談を成立させる際に、AV間において、事件につき秘密保持義務を設定することがあります。
Aさんだけでなく、Vも秘密保持義務を順守することにより、事件が発覚することを防ぎます。
大学に事件が知られないようにすることにより、退学処分などの回避を目指します。
また、捜査の最終段階において、検察官がAさんを裁判にかけるか否かを判断しますが、検察官の裁量により不起訴処分を獲得できる場合があります。
Aさんを起訴するかどうかが検討される際には、Aさんの性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況が考慮されます。
示談が成立していることは、Aさんにとって有利な「犯罪後の情況」として考慮されることが期待できます。
示談を成立させたことが評価され、不起訴処分(この場合は「起訴猶予処分」)を獲得することができれば、裁判にかけられることがないので、前科を付けずに事件を解決することができます。
まずは接見にやってきた弁護士から、示談交渉についてアドバイスを受けましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が強制性交等事件を起こしてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
強制性交等罪で逮捕・暴行脅迫要件とは何か
強制性交等罪(旧強姦罪)で逮捕されてしまった事案について,本罪における暴行脅迫要件とは何か,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~事例~
大学の部活のコーチであったAは,合宿先で学生Vの部屋を訪ね,「俺の言うとおりにすれば良いことがある」などと話し,Aが巨体であり指導者ということもあり,Vは抵抗できずにAにされるがまま性交されてしまった。
Vは被害届を提出し,大阪府大淀警察署の警察官は,Aを強制性交等罪(旧強姦罪) の疑いで逮捕した。
Aの家族は,性犯罪事件に強いと評判の弁護士に相談することにした。
(フィクションです。)
~強制性交等罪(旧強姦罪)における暴行・脅迫~
刑法177条前段は「13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪」とする旨を定めています。
やや分かりにくい規定ですが,これは旧強姦罪に当たる規定であり,女性による男性への強姦や,肛門性交又は口腔性交といったこれまで処罰されていなかった態様の行為をも処罰するために,平成29年(2017年)に改正・施行されたものです。
そして,旧強姦罪でも同様の問題があったように,強制性交等罪の成否に当たっても最も問題となるのが,性交行為に「暴行又は脅迫」を用いられたか否かという点です。
この点,刑法には「暴行・脅迫」を手段とした犯罪は多数規定されていますが,強制性交等罪(旧強姦罪)とならびその典型の一つといえるのが強盗罪です。
刑法236条は,「暴行又は脅迫を用いて」,「他人の財物を強取した者」又は「財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者」を強盗罪として処罰する旨を定めています。
もっとも,強盗罪(刑法236条)の「暴行又は脅迫」と,強制性交等罪(旧強姦罪)(177条前段)の「暴行又は脅迫」が条文上同じ文言が使われているのにも関わらず,その解釈は全く異なるということに注意が必要となります。
まずは,強盗罪(刑法236条)の方から見てみましょう。
強盗罪における「暴行・脅迫」は,講学上も最狭義の暴行・脅迫と位置付けられており,その程度として,相手方(被害者)の反抗を抑圧する程度のものが必要であるとされています。
なお,この程度に至らない「暴行・脅迫」しか行われなかった場合には,暴行罪や脅迫罪と窃盗罪が成立するにすぎないことになります。
これに対し,強制性交等罪(旧強姦罪)(177条前段)における「暴行・脅迫」はどのようなものなのでしょうか。
一般的には,本罪における暴行・脅迫は,相手方(被害者)の抗拒を著しく困難ならしめる程度である必要があると解されています。
しかし,近年の実務や裁判例などをみると,必ずしもこの定義を単純にあてはめるものにはなっていないとの指摘があります。
近年では,暴行・脅迫それ自体の程度が問われているというよりも,加害者と被害者との関係や被害者に逃げ場がなかったかなど外部的事情も広く考慮した上で,暴行・脅迫要件を満たすものか否かが判断されているとも分析されているのです。
したがって現在では,弁護士としては,この暴行・脅迫要件を裁判所がどのように解釈し適用するのかについて十分な知識と,それに基づいた弁護活動を行うことが必須になりつつあるといえます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,強制性交等罪(旧強姦罪)をはじめとした性犯罪事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
冒頭に記した平成29年改正法は,性犯罪の親告罪規定を削除し,これらの罪を非親告罪としたことも重要な改正点として注意する必要があります。
強制性交等罪(旧強姦罪)事件で逮捕された方のご家族は,24時間通話可能のフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお問い合わせください。
セクハラ行為の刑事事件化回避
今回は、セクハラ行為の刑事事件化の回避を目指す弁護活動につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
Aさんは小売店の社員として、兵庫県神戸市東灘区内の店舗で勤務しています。
今年度から入社してきた女性新入社員Vを性的に気に入っていたので、店内で不意に同女の腰や尻を触るなどのセクハラ行為を行っていました。
後日、Vの弁護士からAさんの自宅に内容証明郵便が届き、「上記セクハラ行為について慰謝料を支払ってほしい。告訴状を提出する用意もある」と記載されていました。
Aさんとしては、警察の捜査を受けるような事態は絶対に回避したいと考えています。
どうすればよいのでしょうか。
(フィクションです)
~Aさんに成立する犯罪
近年では、セクシャルハラスメントを許容しない風潮が高まっています強まっています。
Aさんの行ったセクハラ行為は、セクハラの中でも特に悪質な行為であり、後述する犯罪を構成する可能性が高いと思われます。
以前は、セクハラ行為については軽く考えられていたかもしれません。
あるいは、被害者が泣き寝入りすることにより、何の咎めを受けることもなかったのかもしれません。
しかし、今後はこのような考えは通用しないものと考えておいた方が良いと思われます。
以下、Aさんに成立する可能性のある犯罪を検討します。
(各都道府県が定める迷惑行為防止条例違反の罪)
限定的な場合ですが、Aさんが店長を務めるお店が「公共の場所」と判断されれば、Vの腰や臀部に触れる行為につき、各都道府県が定める迷惑行為防止条例違反の罪が成立する可能性があります。
規制されている内容は自治体によって異なります。
セクハラ行為を行った自治体が制定する迷惑行為防止条例が、どのような行為を規制しているかについては、弁護士のアドバイスを受けましょう。
(暴行罪)
迷惑行為防止条例違反の罪が成立しない場合は、刑法上の暴行罪の成否が検討されます(刑法第208条)。
(強制わいせつ罪)
ケースにおいては考えにくいですが、セクハラ行為が被害者に強いてわいせつな行為をしたものと評価される場合、強制わいせつ罪の成否が検討されることになります。
(傷害罪)
度重なるセクハラ行為により、被害者がPTSD(心的外傷後ストレス障害)に罹患すれば、傷害罪を構成する可能性があります。
以上の通り、セクハラ行為が犯罪を構成する可能性がある以上、Vに被害届を出されてしまうと、警察による捜査が始まり、被疑者という立場に置かれてしまう可能性があります。
~告訴状、被害届を提出されることを阻止する~
(示談交渉)
弁護士に依頼し、V(ケースの場合はVの弁護士)と示談を成立させることが考えられます。
Vに謝罪し、生じさせてしまった損害を賠償する合意を行います。
さらに、示談書の条項に「被害届や告訴状を出さない」旨の文言を入れてもらうことができれば理想的です。
以上のように、Vとの示談がまとまれば、刑事事件化する可能性は極めて低くなります。
なお当然ですが、示談で合意した義務は誠実に履行する必要があります。
示談金の支払を不当に怠ると、再度刑事事件化するリスクが高まります。
示談交渉がうまくいったからといって、一旦表明した謝意を翻すような態度をとれば、おそらくVは納得しないでしょう。
Vに真摯に謝罪し、示談金を支払うことにより、初めて事件が解決したといえます。
セクハラ事件についてお悩みの方は、まず弁護士に相談し、示談交渉についてアドバイスを受けましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
セクハラ事件を起こしてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
公然わいせつ罪で逮捕・私選弁護人のメリット
公然わいせつ罪で逮捕されてしまった事例について,私選弁護士のメリットなどを弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
【事例】
Aさんは,京都市左京区の路上に駐車していた自車内において,下半身を露出していた。
路上を歩いていたBさんは,不審な車があったことから目を向けると車内でAさんが下半身を露出しているのを目撃した。
Bからの通報を受けた京都府川端警察署の警察官は,Aさんを公然わいせつ罪の疑いで逮捕した。
Aの家族は,性犯罪事件に強いと評判の弁護士に相談することにした。
(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。
~公然わいせつ罪における「公然」性~
Aさんは,公然わいせつ罪の容疑で逮捕されてしまっています。
もっとも,本件で,Aさんは,自車の中で裸になっていたにすぎず,街頭などで裸になっていたわけではありません。
このようなAさんの行為にも公然わいせつ罪が成立してしまうのでしょうか。
この点,刑法174条は,「公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する」ことを規定しています。
本件では,自車内で下半身を露出したAさんが,上記174条の「公然」とわいせつな行為をしたといえるかが問題となります。
判例・通説において同条における「公然」とは,不特定または多数の人が認識することができる状態のことをいい,必ずしも実際に認識される必要はないと解されています。
本件では,単なる歩行者であるBさんが現に認識したことからも,Aさんの露出行為は,不特定多数人から容易に認識可能な状態であったといえ,「公然」性を満たすものと考えられます。
そして,Aさんは下半身を露出させていることから,この露出行為が「わいせつな行為」に当たることは明らかであるといえます。
以上から,Aさんの行為は公然わいせつ罪に該当し,Aさんは刑事訴訟法に基づき逮捕されてしまったといえます(なお,警察官が臨場した際に,現に露出をしていた場合には現行犯逮捕される可能性があります)。
~私選の弁護士による早期接見等の重要性~
私選の弁護士による弁護活動の意義のひとつとして,逮捕段階という早期段階からの弁護活動が行える点があります。
逮捕段階から被疑者と接見し,弁護活動を行っていくことのメリットとして,弁護士による助言・アドバイスを得る前に捜査官に決定的に不利益な供述等をしてしまうこと等を防ぐことが挙げられます。
特に初犯などの場合,どういう流れで刑事手続が進んでいくか,法的にどのような権利が自らに認められているか等を十分に理解していない場合が少なくありません。
また,逮捕後には勾留(刑事訴訟法60条参照)という,より長期(延長を含め最大20日間)の身体拘束を処分が決定されてしまう可能性があることから,この勾留を回避するための弁護活動なども重要になってきます。
さらに本件は,公然わいせつ罪という性犯罪の中でも具体的な被害者が想定し難い犯罪であり,実際に本件事例でも具体的な被害者がいるわけではありません。
公然わいせつ罪は,社会的法益を侵害する犯罪と位置付けられており,強制わいせつ罪等(刑法176条以下参照)のように個人の性的自由を侵害する犯罪とは区別されているのです。
したがって,被害者との示談活動が重要となる通常の性犯罪事件に比べ,弁護活動にも工夫が必要となってくるものと考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,公然わいせつ事件を含む性犯罪事件に強い刑事事件専門の法律事務所です。
公然わいせつ事件で逮捕された方のご家族は,年中無休のフリーダイヤル(0120-631-881)に まずはお電話ください。
電話受付スタッフが,弁護士による無料相談や初回接見などのサービスについて分かりやすくご説明いたします。
強制わいせつ事件で示談
強制わいせつ事件で示談
今回は、強制わいせつ行為が事件化する前に示談を行う効果について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~ケース~
大学生のAさん(20歳)は、同じ大学に通う女子学生Vと一緒に福岡県筑後市内のカラオケ店に行きました。
AさんとVは同じ部屋で交互に歌うなどして遊んでいましたが、Aさんはある時、Vに対して劣情を催し、Vの胸に手を入れ、また、陰部に触れるなどしてしまいました。
Vは抵抗しましたが、特に通報するようなことはありませんでした。
Vと別れた後、Aさんは事件化する可能性を不安に感じ、弁護士と相談することにしました。(フィクションです)
~Aさんに成立する犯罪~
強制わいせつ罪が成立する可能性が極めて高いと思われます。
強制わいせつ罪とは、13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をする犯罪です。
13歳未満の者に対しては、暴行・脅迫を行わなくても、また、同意があったとしても、わいせつな行為を行えば、強制わいせつ罪が成立します(刑法第176条)。
(暴行)
身体に対する不法な有形力の行使をいい、被害者の意思に反してわいせつ行為を行うに足りる程度の暴行であれば足ります。
したがって、被害者を殴打、足蹴してわいせつな行為を行う場合はもちろん、着衣を引っ張ったりしてわいせつな行為を行う場合にも、強制わいせつ罪が成立する可能性があります。
また、不意に被害者の胸に手を入れるなど、暴行自体がわいせつな行為にあたる場合であっても該当することがあります。
(脅迫)
脅迫とは、害悪の告知を意味します。
「静かにしないと殺す」「抵抗したら裸の写真をばらまく」などがこれに当たる可能性があります。
(わいせつな行為)
わいせつな行為の典型例として、陰部に手を触れたりすること、自己の陰部を押し当てること、女性の乳房を弄ぶことなどがあげられます。
Aさんの行った「Vの胸に手を入れる行為」、「Vの陰部に触れる行為」は「わいせつな行為」に該当する可能性が極めて高いでしょう。
今回のAさんは、それ自体暴行と評価されうる「Vの胸に手を入れる行為」により「わいせつな行為」をしたものということができます。
したがって、Aさんは、Vに対し、強いてわいせつな行為をしたものと考えられるので、強制わいせつ罪が成立する可能性は極めて高いと思われます。
~現在のAさんができること~
結局被害者であるVに通報されず、刑事事件化していないという場合であっても、Aさんにできることはあります。
Aさんは事件化することを危惧しているので、事件化しないように弁護活動を展開する必要があります。
そのためには、Vと示談をすることが考えられます。
示談とは事件に関する当事者の合意であり、被害者に対する金銭の支払いや謝罪が本質的な要素と言えます。
強制わいせつ事件における示談金はいくらか、という点は、事例によって異なると言わざるを得ません。
弁護士に事件の詳細を伝え、おおよそ妥当と考えられる金額についてアドバイスを受けるのが賢明です。
示談する場合の条件として、告訴をしない、被害届を取り下げる、などの条項を盛り込むこともできます。
このような条件を盛り込めるかどうかは、交渉の巧拙や被害者の人格などにより大きく異なります。
もし上記のような条項を盛り込むことができれば、刑事事件化して逮捕されるなどの不利益を被るリスクをなくせる可能性があります。
示談交渉はAさん自身でも行うことができますが、可能な限り弁護士をVとの間に立たせて交渉を行うことをおすすめします。
なぜなら、Vと接触することにより、Vの気分を害するなど事態を悪化させてしまう、不当に高い示談金を要求されてしまう、示談として意味のない合意をしてしまうなどのリスクがあるからです。
また、そもそも加害者であるAさんとは一切接触しないことも考えられます。
一方、第三者であり、法律、示談交渉のプロである弁護士を間に立たせれば、上記の様なリスクを低減させることができます。
Aさんのような事件を起こしてしまい、お困りの方は、より有利に示談を成立させることを目指すために、是非、弁護士に依頼することをご検討ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ケースのように、警察が介入するなどして事件化する前の段階であっても、事件解決に向けて行動できることがあります。
強制わいせつ事件を起こしてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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小学生に対する強制性交等事件
小学生に対する強制性交等事件
今回は、小学生を被害者とする強制性交等事件の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
Aさんは、SNSで知り合った女子小学生V(12歳)と実際に会い、東京都新島村にある公園のトイレで性交してしまいました。
特にVが嫌がる様子はありませんでした。
後日、Aさんの自宅に警視庁新島警察署の警察官が現れ、「小学生の女の子の件で聞きたいことがある」と告げられました。
Aさんは現在、強制性交等罪の疑いで任意で取調べを受けています。
今後どうなってしまうのでしょうか。(フィクションです)
~ケースの場合に成立する犯罪~
強制性交等罪が成立する可能性が高いと思われます。
刑法第177条後段によれば、13歳未満の者に対し、性交等(性交、肛門性交又は口腔性交を意味します)を行った場合、強制性交等罪が成立することになります。
強制性交等罪は、かつて強姦罪と呼称されていた犯罪類型です。
13歳以上の者に対しては、「暴行又は脅迫」を用いて性交等をした場合に初めて強制性交等罪が成立するのに対し、13歳未満の者に対しては、「暴行又は脅迫」によらなくても、性交等を行った時点で、強制性交等罪が成立します。
被害者の同意があった場合においても同様です。
~Aさんは今後どうなるか?~
現在、任意で取調べを受けています。
取調べ後、帰宅することができれば、在宅で捜査が進行する可能性が高いです。
在宅で捜査が行われる場合は、警察の要請に応じて出頭し、取調べを受けることになります。
警察での捜査が熟すると、事件を検察へ送致し、検察官の取調べを受けることになります。
検察官も取調べを行い、Aさんを起訴するか、あるいは不起訴にするかを最終的に判断します。
取調べの後、逮捕されてしまう可能性も否定できません。
逮捕され、留置の必要が認められると、逮捕時から48時間以内にAさんを検察へ送致します。
身柄を受け取った検察官は、身柄を受け取った時から24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内に、Aさんの勾留を請求するか、あるいは釈放するかを判断しなければなりません。
勾留されると、10日間身体拘束を受けます。
やむを得ない事由があると認められると、さらに最長10日間、勾留が延長されてしまいます。
検察官は、勾留の満期日までにAさんを起訴するか、不起訴にするか、あるいは処分を保留して釈放するかを判断します。
強制性交等罪が比較的重い部類の犯罪であることを考慮すると、在宅で事件が進行する場合も、逮捕されてしまう場合においても、早急に弁護士を付けた方が良いでしょう。
特に、逮捕されてしまった場合には、身柄解放活動が重要となります。
~事件解決に向けた弁護活動~
(被害者との示談交渉)
Vと示談を成立させることを目指し、交渉を行うことが考えられます。
Vは未成年なので、実際にはVの法定代理人(親権者など)と示談交渉を行うことになります。
示談を行う場合、通常、被害者との間で、事件によって生じさせてしまった損害を賠償する合意がなされます。
交渉を行うにあたっては、弁護士を間に立たせることをおすすめします。
Aさん本人で交渉を行うと、相手を怒らせてしまったり、不当に高い金額を要求される、示談として無意味な条件で合意してしまうなど、事態を悪くしてしまうリスクがあります。
法律の専門家である弁護士を間に立たせることにより、上記のリスクがなくなります。
また、Aさんが直接交渉する必要がないので、Aさんの負担も少なくなります。
(逮捕されてしまっている場合)
上記の通り、勾留がついてしまうと、長期間の身体拘束を受けることになります。
したがって、捜査中は、勾留を阻止する活動、勾留されてしまった場合には、釈放を目指す活動を行わなければなりません。
また、起訴された場合には、保釈許可決定の獲得に向けて動く必要もあります。
~より有利な処分を目指す~
検察官がAさんを不起訴にすれば、裁判にかけられることがないので、前科が付かずにすみます。
起訴されてしまった場合においても、上記の示談を成立させることにより、示談をしない場合と比べて、より軽い量刑による判決を得られる可能性が高まります。
弁護士のアドバイスを受けながら、事件解決を目指していきましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
小学生に対し、強制性交等事件を起こしてしまいお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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準強制性交等罪で無罪の控訴審
準強制性交等罪で無罪の控訴審
準強制性交等罪の無罪判決と控訴について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~ ケース ~
東京都大島町に住むA(48歳)は、妻(46歳)と長女Vさん(19歳)との3人暮らしです。Aは、Vが小学校2年生の頃から性交等の性的虐待行為を継続的に繰り返していました。Vは、当初抵抗していたものの、次第にその程度が弱まっていました。そんな中、Aは今年に入ってから2回、ホテルでVの抗拒不能に乗じて性行を行ったとして、警視庁大島警察署に準強制性交罪で逮捕、その後検察により起訴されました。
(事実を基に作成したフィクションです。)
~ はじめに ~
事例は、平成31年3月28日、準強制性交等罪で起訴され裁判にかけられた男性に対し「無罪」判決を言い渡した
名古屋地方裁判所岡崎支部
での裁判の実例を基に作成しています。すでにマスコミ等で大きく報道されご存知の方も多いのではないでしょうか?
検察側は判決を不服として控訴し、先日、10月28日、名古屋高等裁判所で第一回の控訴審が開かれました。
~ 準強制性交等罪とは ~
準強制性交等罪刑法178条2項に規定されています。
刑法178条2項
人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心身を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例(刑法177条)による。
準強制性交等罪は、物理的あるいは心理的な方法で被害者の抵抗を封じるか、あるいは少なくとも抵抗が困難な状態にして、性交等を行ったり、そのような状態にある被害者に対して性交等を行ったりすることを処罰する規定です。上記の規定では、そのような状態を「抗拒不能」という言葉で表現しています。
~ なぜ無罪? ~
では、なぜ、名古屋地裁岡崎支部は無罪判決を下したのでしょうか?
裁判所は、心理的な「抗拒不能」の程度に関し、
性交に応じなければ生命・身体等に重大な危険を加えられるおそれがあるという恐怖心から抵抗できなかった場合や、相手方の言葉を全面的に信じこれに盲従する状況にあったことから性交に応じるほかには選択肢がないと思い込まされていたような場合
と判示しています。そして、
以前に性交を拒んだ際に受けた暴力は恐怖心を抱くようなものではなく、抵抗を続けて拒んだり、弟らの協力で回避したりした経験もあり、抗拒不能な状態だったとは認められない
と、つまり、
被害者が抗拒不能状態だったとするには合理的な疑いが残る
として「無罪」としたのです。
~ 控訴審の今後 ~
控訴審の審理では、原則として新たな裁判資料の提出が認められず、第一審で取調べられた証拠に基づいて、第一審判決の当否が事後的に審査されます。
このことから、日本の刑事控訴審は「事後審」制であるといえます。
したがって、基本的には第一審のように証人や証拠の取調べは行われません。
控訴審の判決には次の3種類があります。
一つは、「破棄自判」です。控訴審が一審の判決を取り消して、自ら判決を言い渡します。
次に、「破棄差戻し」です。控訴審が一審の判決を取り消し、事件を一審に送り返してもう一度審理させます。一審の裁判所は、差し戻した控訴審の判断に制約されますので、当初と同じ内容の判決を下すことはできません。
最後に「控訴棄却」です。控訴審が控訴申立てに理由がない等として一審の判決を維持する裁判です。これによって一審の判決が維持されます。
今回、名古屋高裁がいかなる判断をするのか注目です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、性犯罪事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。
強制わいせつ事件で接見
強制わいせつ事件で接見
強制わいせつ罪と接見について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~事例~
Aは夜中,神奈川県川崎市内の人通りの少ない路地で,かねてから目星をつけていた帰宅途中の女性V(20歳)に対して,いきなり服の下から手を入れて胸部を直接触るなどの行為をした。
Vが大きな声を挙げたので,犯行が発覚するのを恐れたAはその場から逃走した。
神奈川県多摩警察署の警察官は,Aを強制わいせつ罪の疑いで逮捕した。
Aの家族は,性犯罪事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。
~強制わいせつ罪の構造~
刑法176条は,「13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者」および「13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者」を強制わいせつ罪に該当する旨を規定しています。
ここで,まずポイントなのは,被害者が13歳未満か否かで「暴行」「脅迫」要件の有無が異なることです。
本件では,被害者Vは20歳であることから,176条前段が適用されることになり,「わいせつな行為」の手段として「暴行」または「脅迫」が用いられることが必要になります。
そして,ここでいう「暴行」「脅迫」は,相手方の抵抗を著しく困難にする程度のものであると考える見解が支配的です。
ただ、裁判例の中には,被害者の意思に反してわいせつな行為を行うに足りる程度で十分だとするものもあります。
さらに,「わいせつな行為」に関しては,近年判例変更が行われたことに注意が必要です。
最大判平成29年11月29日は,「わいせつな行為」に当たるかは,「その時代の性的な被害に係る犯罪に対する社会の一般的な受け止め方を考慮しつつ客観的に判断されるべき事柄であると考えられる」とし,かつては判例上必要とされていた性的意図の存在は必ずしも必要ない旨を判示しました。
本件のAは,いきなり女性であるVの服の下に手を入れ,胸部等に直接触っています。
このような行為は,客観的に見て「わいせつな行為」と言え,主観的意図を考慮するまでもなく,「わいせつな行為」に当たることになるでしょう。
このように,刑事事件に関しては,条文を見ただけでは必ずしも明らかではない専門知識を要する場面が多々あります。
そのため,適切な判断を下すうえで,専門家である弁護士のサポートが非常に重要となってきます。
~弁護士の弁護活動の端緒たる接見(面会)~
刑事訴訟法39条1項は,憲法34条前段を受けて,「身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は、弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者……と立会人なくして接見……することができる」と規定しています。
これが弁護士と被疑者(被告人)の秘密交通権(弁護士と立会人なしで接見する権利)について定めた条文です。
その一方で,39条3項は,「検察官、検察事務官又は司法警察職員」は「捜査のため必要があるときは、公訴の提起前に限り、第1項の接見……に関し、その日時、場所及び時間を指定することができる」と定めています。
これは弁護士による接見を一定の範囲で制限するものであり,かつてはこの接見指定によって,被疑者(被告人)の接見が実質的な妨害にあってきました。
しかし,弁護士による国を相手方として訴訟を提起したりしたことにより,憲法上の権利に由来する秘密交通権(接見)の重要性が確認されるに至ります。
現在では,上述のような実質的な妨害事例はほとんど見られなくなったといわれています。
このような弁護士の不断の努力により,現在では,逮捕段階から弁護士によるスムーズな接見が可能になっています。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,強制わいせつ事件を含む性犯罪などの刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
弊所では民事を扱わず,刑事事件に注力することで,機動的かつ専門的な刑事弁護を実現することを可能としています。
強制わいせつ事件で逮捕された方のご家族は,年中無休のフリーダイヤル(0120-631-881)まで,まずはお電話ください
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禁止命令とストーカー規制法違反
禁止命令とストーカー規制法違反
ストーカー行為により禁止命令を受けたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~ ケース ~
会社員のAさんは、SNSを通じて知り合った女性Vさん(埼玉県さいたま市在住)と約半年間、交際を続けていたところ、突然、Vさんから別れ話を切り出されました。Aさんは納得がいかずVさんと関係を戻すため、「話をしたい。」などとメールを送ったり、電話をかけるなどしてVさんとの接触を試みましたが、Vさんからの反応は全くありませんでした。そこで、Aさんは休みの日、Vさんの生活圏内でVさんを見つけ、Vさんに見つからないようにVさんの後を付いていき、Vさんの自宅アパートを特定しました。そして、後日、AさんはVさんが自宅アパートから出てきたところ、Vさんと接触しました。AさんはVさんによりを戻そうと働きかけましたが、やはり断られました。そして、Aさんは埼玉県岩槻警察署から「今後一切、Vさんと接触してはならない」旨の禁止命令を受けました。ところが、AさんはVさんのことを忘れることができず、再びVさんが自宅アパートから出てくるところを待ち伏せしていたところ、岩槻警察署の警察官からストーカー規制法違反で逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)
~ ストーカー規制法違反の禁止命令 ~
ストーカー規制法5条1項では、
・被害者等の身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせる「つきまとい等」(後述)があって
・上記つきまとい等をした者が、さらに反復して当該つきまとい等をするおそれがあると認められ
・都道府県公安委員会が、被害者等からの申出、又は職権
により、都道府県公安委員会が、当該つきまとい行為をした者に対し、
・更に反復して当該行為をしてはならないこと(1号)
・更に反復して当該行為が行われることを防止するための必要な事項(2号)
を命じる(禁止命令等)ことができると定められています。
基本的に禁止命令等は「禁止等命令書」という文書の交付を受けて通知されますが、そのいとまがないと判断された際は「口頭」で通知されることもあります(後日、禁止等命令書を交付されます)。
禁止命令等は、禁止命令等より軽微な措置である「警告」を経なくても発することができます。
また、警告と異なり、被害者等の申し出によらず、職権(公安委員会の判断)で発することも可能とされています。
禁止命令等の効力は、禁止命令等をした日から起算して1年ですが、期間を延長されることがあります。
禁止命令等は行政処分の一種ですから、禁止命令等が発せられるにあたって聴聞の機会が与えられますが、緊急の場合には聴聞又は弁明の機会を与えなくてもよいとされています。
~ 禁止命令等に違反してストーカー行為を行った場合 ~
ストーカー規制法19条では、
禁止命令等(5条1項1号に係るものに限る。)に違反してストーカー行為をした者は、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処する。
と定められています。
まず、「禁止命令等に違反して」とありますから、ご自身で禁止等命令書の内容を確認する必要があります。
また、「ストーカー行為」の意義については、ストーカー規制法2条3項に規定されています。
ストーカー規制法2条3項
この法律において「ストーカー行為」とは、同一の者に対し(ア)、つきまとい等(イ)(第1項第1号から第4号まで及び第5号(電子メールの送信等に係る部分に限る。)に掲げる行為については、身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限る。)を反復してすること(ウ)をいう。
※(ア)~(ウ)は執筆者による
つまり、
ア 同一の者に対する
イ 「つきまとい等」を
ウ 反復してすること
という要件を満たした場合に「ストーカー行為」とされると言えます。
「つきまとい等」とは、
・つきまとい・待ち伏せ・押し掛け・うろつき等
・監視していると告げる行為
・面会や交際の要求
・乱暴な言動
・無言電話、拒否後の連続した電話・ファクシミリ・電子メール・SNS等
・汚物等の送付
・名誉を傷つける
・性的しゅう恥心の侵害
の8つです(詳細はストーカー規制法2条1項を参照)。
ストーカー行為規制法違反の疑いで逮捕された場合、長期間身柄拘束されることも予想されます。
早期の釈放を望まれる場合は、弁護士に弁護活動をご依頼ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお悩みの方は,まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが、24時間体制で、無料法律相談,初回接見サービスを受け付けております。
未成年に対する誘拐事件の弁護活動
未成年に対する誘拐事件の弁護活動
今回は、未成年者をわいせつ目的で誘拐、監禁し、わいせつな行為をするなどした場合に成立する犯罪及びこれに対する弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
大阪府吹田市に住むAさんは、自宅近くの通学路において、V(8歳女子児童)に対し、「家に来てゲームやおもちゃで遊ばないか」などと甘言を弄し、自家用車に乗せたあと、自宅に連れ帰って、わいせつな行為をするなどしました。
AさんはVを帰宅させず、3日ほど外から施錠した部屋に監禁するなどしていたところ、Vは隙を見て110番通報し、Vは大阪府吹田警察署の警察官に保護されました。
Aさんは外出中でしたが、警察官はAさんの帰宅を待ち、わいせつ目的誘拐罪などの疑いで逮捕しました。(フィクションです)
~ケースの場合に成立する犯罪~
ケースの犯罪は極めて悪質なケースと評価されるでしょう。
テレビ、新聞やインターネットにおいて、繰り返し報道されることが予想されます。
また、逮捕・勾留が長引き、再逮捕や再勾留もされ、起訴される可能性も高いです。
ケースの場合にはどのような犯罪が成立しうるのでしょうか。
(甘言を弄してVを自家用車に乗せる行為)
わいせつ目的誘拐罪(刑法第225条)が成立する可能性があります。
Aさんは、Vにわいせつな行為を行う目的で、甘言を弄し、Vを連れ去っています。
「誘拐」とは、他人をその生活環境から不法に離脱させ、自己又は第三者の事実的支配下に置く行為のうち、偽計・誘惑を手段とするなど人に誤った判断をさせて行う場合をいいます。
Aさんは、Vにわいせつな行為を行うことを隠して、甘言を用いて誘惑し、Vを車に連れ込んでいます。
この行為はわいせつ目的誘拐罪を構成する可能性が高いでしょう。
また、Aさんが走らせる車に乗せ続ける行為も、別に監禁罪を構成する可能性があります。
(Vに対するわいせつな行為)
強制わいせつ罪が成立する可能性があります。
13歳未満の者に対しわいせつな行為を行った場合は、暴行・脅迫、被害者の同意の有無を問わず、強制わいせつ罪が成立します(刑法第176条後段)。
(部屋への監禁)
Vを3日ほど外から施錠した部屋に閉じ込める行為は、監禁罪を構成する可能性があります。
「監禁」とは、人が一定の区域から出ることを不可能又は著しく困難にしてその行動を奪うことをいいます。
外から施錠した部屋に3日もの間、Vを閉じ込めておく行為は「監禁」に該当する可能性が高いと思われます。
~Aさんに想定される弁護活動~
(公判請求を踏まえた弁護活動)
前述の通り、Aさんに対する被疑事実はかなり悪質なもので、成否が検討される犯罪類型も、罪の重いものがほとんどです。
Aさんの犯行を立証できる限り、検察官が不起訴処分を行う可能性は低いと考えられます。
また、いずれの罪も懲役刑しかないため、罰金・科料の言渡しを前提として簡便に手続を終了させる「略式手続」をとる可能性も考えられません。
検察官は、懲役刑の求刑を前提として、「公判請求」という形で起訴してくるものと思われます。
そのため、捜査段階から、起訴・公判を視野に入れた弁護活動が重要です。
(執行猶予判決の獲得を目指す)
Aさんに懲役刑などが言い渡される場合であっても、Aさんに前科がなく、言い渡された懲役刑が3年以下であった場合は、情状により、裁判が確定した日から1年以上5年以下の期間、その刑の全部の執行を猶予される場合があります。
ただし、上記に検討したすべての罪につき起訴されてしまった場合において、執行猶予付判決を獲得するためには、被害者との示談はほとんど不可欠と思われます。
もしV(実際にはVの法定代理人)と示談を成立させることができなければ、実刑判決が十分予想されます。
Aさんの弁護士は、Vとの示談交渉を尽くし、より軽い量刑による判決の獲得を目指すことになるでしょう。
また、Aさんの日頃の行動を監督できる人物(家族など)がいれば、責任をもってAさんを監督する旨法廷で証言してもらうことも考えられます。
さらに、性犯罪を再び起こすことが無いよう、治療に努めることも重要です。
以上のように、世間の耳目を集める重大事件であっても、Aさんのためにできる弁護活動があります。
まずは弁護士と相談し、事件解決に向けたアドバイスを受けましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族がわいせつ目的誘拐、強制わいせつ、監禁事件を起こしてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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