子どもに対する性犯罪

2020-05-27

子どもに対する性犯罪

女性が主に被害者となる性犯罪において、特に被害者が子ども(民法上の未成年者、13歳未満)である場合に問題となるケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件例】

東京都足立区の無職Aさんは、夕方頃、市内の公園で遊んでいる少女V(11歳)に声を掛け、人目につかない公衆トイレ裏でAに胸や股間を触る等のわいせつ行為を行ったところ、Vは恐怖のあまり動けず、助けを求めることができませんでした。
Vが帰宅後、Vの様子がおかしいことに気付いたVの母親が優しく問いただしたところ、Vが大人の男にわいせつ行為をされたと言ったため、Vの母親は警視庁千住警察署強制わいせつ罪の被害の相談に行きました。
後日、警視庁千住警察署は、Aさんを強制わいせつ罪の疑いで逮捕し、10日間の勾留のうえ、勾留延長も決定しました。
(フィクションです。)

【性犯罪における罪の加重】

性犯罪の中でも、被疑者と被害者が初対面で、被疑者が故意をもってわいせつ行為を働きかける場合、特に気が小さい女性や、または未成年者の被害者は恐怖で竦んでしまうこともあり、年齢は幼ければ幼いほどその傾向があると言われています。

他方、性犯罪に対して、被害者が暴れたり大声をあげて抵抗することも多くありますが、特に加害者が男性で被害者が女性の場合、体格や力の差が大きいため、加害者が無理矢理押さえつけたり、暴行や脅迫等を用いて抵抗の意思をなくすことをすることもあり得ます。

しかし、性犯罪の行為における暴行により被害者を負傷させてしまった場合、極めて重い罪の加重が予想されます。

強制わいせつ罪は、13歳以上の者に対して、暴行または脅迫を用いてわいせつな行為を行った場合、または13歳未満の者に対して、わいせつな行為を行った場合、6月以上10年以下懲役が科されます。
この規定は、特に13歳未満の自己決定権の判断が未熟な年齢の児童については、性的行為の同意を得ること自体に保護する必要が薄いと考えられ、暴行や脅迫の要件がなくとも、強制わいせつ罪が成立するとして、特に年齢の低い者を保護しようと意図しています。

強制わいせつ罪における暴行またはわいせつ行為によって被害者に負傷させた場合、罪が加重され、無期または3年以上の懲役が科されます。

この場合、3年以内の懲役刑であれば適用の可能性がある執行猶予の可能性がほとんどなくなり、実刑判決が下される可能性が極めて高く、事件の当初から一貫して捜査対応を行っていないと、後々不利になる場面も出てくる可能性があります。

子どもに対する性犯罪、特に子どもを負傷させてしまった事案では、刑事事件化または逮捕直後に刑事事件に強い弁護士に相談または接見を依頼し、適切な捜査対応の助言をもらうことが有効です。

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