青少年保護育成条例違反

青少年に対して,淫行・わいせつ行為をした場合の法定刑は,2年以下の懲役又は100万円以下の罰金です(愛知県青少年保護育成条例第29条第1項,第14条第1項)。

青少年を深夜に外出させた場合の法定刑は,10万円以下の罰金です(愛知県青少年保護育成条例第29条第7項,第17条第2項)。

青少年の下着を買い受けた場合の法定刑は,30万円以下の罰金です(愛知県青少年保護育成条例第29条第4項,第17条の4)。

 

青少年(輸入・輸出)事件の解説

1 青少年保護育成条例とは

青少年保護育成条例とは,青少年の保護と健全育成を目的とし青少年の逸脱行動を禁止し,また青少年にとっての有害な環境を浄化するために制定されている地方公共団体の条例の総称をいいます。

現在(平成27年10月17日)のところ,長野県を除くすべての都道府県において制定されており,内容はそれぞれ異なる部分があるものの,みだらな性行為 (いわゆる淫行) の禁止,夜間外出の制限,有害な図書などの販売規制などが共通の内容となっています。

なお,青少年とは,18歳未満の者と定義されることが多いです。

 

2 青少年保護育成条例により罰則の対象となる行為について

⑴ 青少年に対する,淫行・わいせつ行為の禁止
「淫行」とは,青少年を誘惑し,威迫し,欺罔し又は困惑させる等の心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか,青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為をいうとされています。

「わいせつ行為」とは,①性欲を刺激,興奮又は満足させ,かつ,②普通人の性的羞恥心を害し,③善良な性的道義観念に反する行為をいいます。具体的には,陰部に手を触れたり,手指で弄んだり,自己の陰部を押し当てることや,女性の乳房を弄ぶことなどをいうと考えられます。

⑵ 深夜外出についての注意義務等
保護者の委託等を受けないで,青少年を深夜に連れ出した場合にも青少年保護育成条例に違反する可能性があります。
深夜とは,愛知県の場合,午後11時から翌日の日出時までの時間をいいます。

⑶ 使用済み下着の買受け
青少年から,青少年の使用した下着を買い受ける行為をした場合も,青少年保護育成条例に違反する可能性があります。

 

3 青少年保護育成条例違反事件の流れ(平成26年度検察統計年報参照)

刑事事件として処理された青少年保護育成条例違反事件のうち,行為者が逮捕されたケースは約33%です。

また,逮捕された場合の勾留率は約88%と高いものの,勾留延長される場合は約47%と高くありません。

 

青少年保護育成条例違反事件の対応】

1 無罪を主張する場合

青少年(18歳未満の者)に該当しないと思ったにも関わらず,青少年保護育成条例違反事件の容疑を掛けられてしまった場合には,弁護士を通じて,警察や検察などの捜査機関及び裁判所に対してその旨主張することで,不起訴又は無罪を獲得する余地があります。

青少年に該当しないと思ったことを主張する場合には,そのような状況であったことを推認できる客観的な証拠,事情を捜査機関に主張していくこととなります。

もっとも,このような主張・証明にはポイントがあるところ,効果的な主張・証明を行っていくことは,一般の方には困難と思われます。

この点,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,青少年保護育成条例違反事件など刑罰(刑事責任)が問題になる刑事事件・少年事件のみを取り扱っており,青少年保護育成条例違反事件の刑事弁護実績が豊富な弁護士が多数在籍しておりますので,適切なアドバイスをすることにより,不起訴・無罪を獲得するためのサポートをさせていただきます。

 

2 罪を認める場合

⑴ 謝罪,示談
青少年保護育成条例は,特定の被害者を想定したものではなく,社会一般の青少年を保護するためのものであることから,特定の被害者を観念できないものの,当該行為の相手方を実質的な被害者と観念することができます。

そこで,被害者感情が重要視される昨今,青少年保護育成条例違反事件においても,実質的な被害者の方と示談することは,重要な弁護活動です。

警察に被害届が提出される前であれば,被害届の提出を阻止し,警察の介入を阻止して事件化を防ぐことができます。

警察に被害届が提出されてしまった後であっても,青少年保護育成条例違反事件においては,示談をすることによって,不起訴を獲得する可能性を高めることができます。

青少年保護育成条例違反事件では,被害弁償や示談の有無及び被害者の処罰感情が行為者の処分に大きく影響することになるので,弁護士を介して迅速で納得のいく示談をすることが重要です。

また,示談をすることで行為者が釈放される可能性もありますので,示談によって行為者の早期の学校復帰・社会復帰を目指すことができます

 

⑵ カウンセリング等を受ける
青少年保護育成条例違反事件の加害者のなかには,その背景に自己の性的衝動に対するコントロールに関し,何らかの問題を抱えている場合が多く,そのような場合には,専門家による治療が必要となります。

カウンセリングを受けたり,クリニックに通うことによって,問題を根本から改善する必要があります。

 

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