東京都渋谷区の痴漢で強制わいせつ罪
東京都渋谷区の痴漢で強制わいせつ罪
~ケース~
Aさんは東京都渋谷区を走行する混雑していたバス内において近くにいたVさん(小学6年生)に後ろから抱きつき,Vさんの太腿や臀部などを触る痴漢行為を行った。
近くにいた乗客がAさんの行為に気づき,その場で取り押さえ,次の停留所で下車させ,110番通報によって駆けつけた警視庁原宿警察署の警察官に引き渡した。
Aさんは強制わいせつ罪の疑いで取調べを受けることになった。
(フィクションです)
~痴漢と強制わいせつ~
いわゆる痴漢と呼ばれる行為は,刑法に規定されているものではなく各都道府県の迷惑行為防止条例によって禁止されています。
各都道府県によって若干文言に違いはありますが東京都の場合ですと
第5条 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であって、次に掲げるものをしてはならない。
一 公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。
と定められています。
一方強制わいせつ罪は刑法176条によって「13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。」と規定されています。
「わいせつ」とは「いたずらに性欲を興奮又は刺激せしめ且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し善良な性的道義観念に反する」ものとされています(最判昭26・5・10)。
ただし,この定義はわいせつ物頒布罪に関して用いられたものですから,個人の性的自由を侵害する強制わいせつ罪に関してはより広い概念を用いる必要があるでしょう。
痴漢と強制わいせつ罪のいずれとされるかは事案によって異なりますが,基準としては下着や衣服の中に手を入れたかどうかが基準とされることが多いようです。
ただし,衣服の上からでも長時間にわたって触り続けたり,衣服の上から下着を脱がせたりした場合には強制わいせつ罪となる可能性もあり,明確な基準とはいえません。
また,強制わいせつ罪は13歳未満の者に対しては、暴行や脅迫が要件となっていません。
13歳未満の者の場合、「わいせつ」の意味を正しく理解できないため、同意する能力がないと考えられているためです。
そのため、仮に相手が13歳未満であった場合は同意を得ていたとしても、強制わいせつ罪となってしまいます。
13歳未満の児童に対する痴漢行為は,児童の抵抗不能に乗じてわいせつな行為をしているとみなされ強制わいせつ罪とされる場合もあります。
しかし,被害者が13歳未満であっても痴漢となるのか強制わいせつ罪となるかは具体的な状況によって判断されるべきでしょう。
仮に強制わいせつ罪として起訴されてしまうと法定刑は6か月以上10年以下の懲役ですので場合によっては実刑判決となる可能性もあります。
一方で痴漢,すなわち迷惑行為防止条例違反としての起訴であれば罰金刑も規定されており,罰金刑で済む可能性もあります。
また,強制わいせつ罪としての起訴の場合,刑事裁判が開かれますが,痴漢の場合には略式手続きという刑事裁判を開く必要のない手続きとなる場合もあります。
事案の具体的に状況にもよりますが,弁護士の弁護活動によって「痴漢」となるのか「強制わいせつ罪」となるのか変わってしまうケースもございます。
今回のようなケースでは可能な限り早く刑事事件の弁護経験が豊富な弁護士にご相談なされることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件専門の法律事務所です。
痴漢事件や強制わいせつ事件の弁護経験豊富な弁護士が多数所属しております。
痴漢をしてしまい強制わいせつ罪となってしまうか不安・お悩みの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。
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(警視庁原宿警察署までの初回接見費用:34,700円)