準強制性交等罪の弁護活動

2019-03-13

準強制性交等罪の弁護活動

~ケース~

A(会社員・男性)さんは日頃から仲のいい同僚のVさん(東京都八王子市在住、女性)と旅行に出かけた。
旅行先の旅館でAおよびVは飲酒をし,二人ともかなり酔っ払った。
部屋に戻ったAさんは酒に酔った勢いでVさんの部屋に行き,Vさんと性交した。
VさんはAさんとは友人として仲が良いだけであり,男女の関係は考えておらず準強制性交等罪でAさんを訴えると言っている。
Aさんは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にどうすればよいか相談した。
(フィクションです)

~準強制性交等罪~

強制性交等罪は2017年の刑法改正で従来の強姦罪が廃止され継承類型として施行されました。
強姦罪との主な違いは行為者及び被害者が女性に限定されなくなったこと,姦淫のみでなく肛門や口腔を使用した場合にも強制性交等罪となること,非親告罪化されたことです。

また,心神喪失・抗拒不能に乗じた従来の準強姦に代わって準強制性交等罪も規定されています。
心神喪失とは、精神的な障害によって正常な判断力を失った状態をいい、抗拒不能とは、心理的・物理的に抵抗ができない状態をいいます。
典型的な例では睡眠状態や飲酒酩酊状態を言います。

~非親告罪化~

親告罪とは告訴がなければ公訴を提起できない犯罪類型をいいます。
わかりやすく言い換えますと,被害者が訴えなければそもそも裁判とならない類型をいいます。
これらは刑に処せられる犯罪のうち,公開された法廷で刑事裁判という手続きを開始するか否かの判断を被害者に任せるべきであると考えられた罪が親告罪とされています。
(準)強姦罪は親告罪でしたので,被害者の告訴がなければ公訴を提起できませんでした。
他には名誉毀損罪,器物損壊罪,親族間の財産犯,著作権侵害などがあります。
一方,(準)強制性交等罪は親告罪ではなくなりましたので被害者の方の告訴がなくても公訴を提起することが可能です。
(準)強制性交等罪が非親告罪とされたのは,被害者の精神的負担を減らすためとされています。
また,加害者からの脅迫などによって被害者が告訴ができないというような事件であっても公訴を提起できるようになったことが大きな変更点だと思われます。
加えて,親告罪は一度告訴を取り下げてしまった場合,再び告訴をすることができず,特に強姦罪では状況の変化によって不都合な場合もありました。
非親告罪化によって,検察官の判断で公訴を提起することが可能になったことはそういった面でも大きな意味を持つと思われます。

~弁護活動~

(準)強制性交等罪は(準)強姦罪を継承した類型ですので実務上の扱いも似たような扱いがなされると思われます。
そのため,示談が成立し,被害者の方が告訴をしないという場合や告訴を取り下げたという場合にあえて検察官が公訴を提起するということは少ないと思われます。
したがって,被害者の方と示談交渉をすることは非常に重要になります。

また,依頼者の方は同意があったはずなので(準)強制性交等罪とはならないと考えられる場合もあります。
しかし,同意の有無は主観的な要素が強く,客観的に明らかに同意があったといえるような事実がない場合だと争うのが難しいのが現実です。
特に,今回のように,(準)強制性交等罪で同意の有無が争われるのは自宅やホテルの一室といった当事者以外がいないケースがほとんどですので,当事者の主観が唯一の証拠となる場合もあります。
このような場合には法廷で刑事裁判として争うよりも示談交渉をする方が必要な弁護士費用という面でも得策であることがあります。

性犯罪の場合,被害者の方が加害者と会うのを拒絶し,ご自身では示談交渉などをすることが困難な場合が多いです。
しかし,弁護士が対応することにより被害者の方との示談交渉がスムーズに進む場合が多くなります。
その為,弁護士に相談するということは円満な解決に向けた最善の策といえるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件専門の法律事務所です。
示談経験の豊富な弁護士が多数所属しています。
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