公然わいせつで逮捕されたら?

2019-06-16

公然わいせつで逮捕されたら? 

東京都中央区に住む会社員のAさんは,同区にある誰もいない公園のベンチに座っていた際,性欲を満たすために着ていたズボンから自己の陰茎を出したところ,たまたま近くを通りかかったVさんにその場面を見られてしまいました。その後,Aさんは自宅へ帰りましたが,通行人から警視庁築地警察署に通報され逮捕され逮捕されるかもしれないと不安になり,公然わいせつに詳しい弁護士に無料法律相談を申込みました。
(フィクションです)

~ 公然わいせつ罪(刑法174条) ~

公然わいせつ罪は、公園や路上などの不特定または多数の人がいる、またはいる可能性のある場所で、自己の陰部(局部)を露出させたり、見せつけたりするなどのわいせつな行為をした場合に問われ得る犯罪ですす。刑法174条には、

 公然とわいせつな行為をした者は,6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

と規定されています。

~ 公然わいせつ罪の身柄率は? ~

ここで,身柄率とは,平成29年内に①検察庁で処理した件数のうち,②逮捕され,検察官の元へ身柄送致された件数(逮捕期間中に釈放された件数は含まない)の割合のことを意味します。平成30年版犯罪白書によれば,平成29年の公然わいせつ,わいせつ物頒布等罪の「身柄率(②÷①)」は

32.7%

でした。
同じ性犯罪の中でも強制わいせつ罪の身柄率が「63.5%」,強制性交等罪の身柄率が「58.2%」に比べると,公然わいせつ罪等の身柄率は

低い

ことが分かります。このことは,

公然わいせつ罪で検挙されても,逮捕されないか,あるいは逮捕されたとしても逮捕期間中に釈放される可能性が比較的高い

ことを意味しています。しかし,逮捕されない、逮捕されても釈放されるという保証はありませんので安心はできません。

~ 逮捕されたら?? ~

逮捕されたら、早めに弁護士と接見することをお勧めいたします。なぜなら、刑事事件において、いったん不利な話をしてしまうとその話を覆すことに多大な労力と時間を要するため早めに手を打つ必要があること、早めに弁護活動に移ることができ、身柄拘束により被る不利益を最小限に押さえることが期待できるからです。刑事弁護人には、大きく、「私選弁護人」「国選弁護人」「当番弁護人」の3種類がありますが、逮捕直後に接見に来てくれるのは「私選弁護人」と「当番弁護士」です(「国選弁護人」は逮捕→勾留決定が出た(勾留状が発布された後)後に選任されるものです)。ここで、「私選弁護人」と「当番弁護士」のどちらにすべきか悩まれるかもしれません。

まず、①知り合いの弁護士がいるという方は、その弁護士を「私選弁護人」として選任した方がいいでしょう。知り合いの弁護士がいないという方は、ご家族等に弁護士を探してもらえない限り「当番弁護士」と接見するというのも一つのです。「当番弁護士」と接見して、その弁護士が気に入ったのなら、「私選弁護人」として選任することもできます。ただし、「当番弁護士」は、「1回の接見」しか行わない弁護士です。契約を結ばない限りは、具体的な弁護活動を行ってくれるわけではありません。また、当番弁護士の中には、呼んでもなかなか来ない、刑事事件に慣れていないという弁護士もいるようです。もし、何らかの犯罪を犯し、逮捕されそうか不安だ、などという方は、万が一逮捕された場合に備え、今のうちから無料法律相談を利用するなどして自分に合いそうな私選候補の弁護士を探しておいてもいいかもしれません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、公然わいせつ罪をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスの予約受付を承っております。