準強制わいせつ罪で不起訴獲得

2020-03-16

準強制わいせつ罪と不起訴について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

大阪府寝屋川市に住む大学生のAさん(22歳)は、サークルの活動の飲み会に参加しました。そして、Aさんは飲み会がお開きになった後、トイレに行こうとしたところ、別室で泥酔状態でぐったりとしているVさん(21歳)を見つけました。AさんはVさんとは日頃から良く話す仲で、お互い少しずつ好意を寄せていることを感じていました。そこで、Aさんは「この隙に」と思い、Vさんの胸を数回揉みながらVさんの口にキスをしました。すると、Vさんが意識を取り戻し、Vさんから「触ったでしょ?」と言われました。そして、Aさんは、後日、大阪府寝屋川警察署準強制わいせつ罪で逮捕されてしまいました。Vさんが警察署に被害届を提出したようです。
(フィクションです。)

~準強制わいせつ罪~

準強制わいせつ罪は刑法178条1項に規定されています。

刑法178条1項
人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。

刑法176条
13 歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

「心神喪失」とは、精神上の障害によって正常な判断を失っている状態をいいます。具体的には、熟睡、泥酔・麻酔状態・高度の精神病などがこれに当たります。責任能力における心神喪失(刑法39条1項)とは若干意味が異なります(責任能力における心神喪失とは、精神病や薬物中毒などによる精神障害のために、自分のしていることが善いことか悪いことかを判断したり、その能力に従って行動する能力のないことをいいます)。

「抗拒不能」とは、心神喪失以外の理由によって心理的・物理的に抵抗することが不可能又は著しく困難な状態をいいます。睡眠中、泥酔中、麻酔中、催眠状態など、心神喪失以外の理由でわいせつな行為をされていることを認識していない場合がこれに当たります。また、わいせつな行為をされること自体認識していても、加害者の言動によりこれを拒むことを期待することが著しく困難な状態なども含まれます。

「(心身喪失・抗拒不能に)乗じる」とは既存の当該状態を利用することをいいます。当該状態を作出した者とわいせつ行為をした者が同一であることは必要ではありません。「(心神喪失・抗拒不能)にさせる」手段には制限はありません。麻酔薬、睡眠薬の投与・使用、催眠術の施用、欺罔などはいずれもその手段となり得るでしょう。

~不起訴獲得に向けて~

準強制わいせつ罪懲役刑しか規定されていません。
ですから、起訴されれば必ず正式裁判を受けなければなりません。
起訴後は保釈されなければ裁判が終わるまで身柄を拘束され続けます。

このような事態を避けるには、起訴を回避する、つまり不起訴を獲得することが必要です。
不起訴を獲得するには、事実を認め、被害者に真摯に謝罪し、示談を成立させる必要があります。
また、起訴か不起訴かを判断するのは検察官ですから、示談は検察官が刑事処分の決める前に成立させ、その結果を検察官にアピールしなければなりません。
時間との勝負でもありますから、事件に対してどのような態度で臨むのか迷われている方ははやめに弁護士に相談する必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。無料相談や初回接見後のご報告では、事件の見通しや、刑事手続の説明の他、弁護士費用などについてご納得いただけるまでご説明させていただきます。お気軽にご相談ください。