【報道解説】電車内で体液を付ける器物損壊事件

2023-05-03

【報道解説】電車内で体液を付ける器物損壊事件

体液を付ける犯罪行為による刑事処罰について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

JR埼京線の電車内で女子学生の制服のスカートに体液をつけたとして、警視庁は、神奈川県藤沢市の男性(28歳)を器物損壊容疑で逮捕した。
警視庁池袋警察署によると、男性は令和5年2月1日と9日の朝、埼京線の電車内でそれぞれ10代の女子学生の制服のスカートに体液を付けた疑いがある。
赤羽駅のホームで好みの女性を見つけて一緒に電車に乗り込み、下半身を女性に押しつけていたという。
スカートについた体液のDNA型や、車内の防犯カメラの映像などから男性の関与が浮上した。
池袋警察署によると、男性は以前、神奈川県内の公立小学校の教諭だったが、電車内痴漢行為をしたとして昨年4月に懲戒免職になっていた。
(令和5年3月20日に配信された「朝日新聞デジタル」より抜粋)

【体液を付ける犯罪行為による刑事処罰とは】

体液を付ける行為により警察に逮捕されるなどして、刑事事件となった場合には、「刑法の器物損壊罪」や、「各都道府県の制定する迷惑防止条例違反」「刑法の暴行罪」「刑法の強制わいせつ罪」などの刑罰に問われる可能性があります。

服やスカートに体液を付ける行為により、「器物損壊罪」に当たるとして刑事処罰に問われることが、よく見られるケースとなります。
器物損壊罪の法定刑は、「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料」とされています。

他方で、各都道府県の制定する迷惑防止条例には、公共の場所や公共の乗物における「卑わいな言動」を処罰する規定があり、体液を付ける行為が「卑わいな言動」に当たるとして、刑事処罰を受けるケースも考えられます。
公共の場所や公共の乗物における「卑わいな言動」による迷惑防止条例違反の法定刑は、東京都迷惑防止条例の場合には、「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」とされています。

また、体液を付ける行為が、不法な有形力の行使に当たるとして、「暴行罪」に該当すると判断されたり、「暴行又は脅迫を用いた、わいせつ行為」に当たるとして、「強制わいせつ罪」に該当すると判断されるケースも考えられます。

【体液を付ける器物損壊事件の弁護活動】

体液を付ける器物損壊事件の容疑をかけられて、警察の取調べを受けた場合には、まずは、弁護士に相談することで、事件の認否供述や、事件当日の状況の説明について、綿密な弁護方針を立てることが重要となります。

また、事件をやったことを認めるケースでは、被害者に対する謝罪と、慰謝料支払いの意思を伝えて、示談により被害者から許しを得ることが、刑事処罰の軽減のための重要な弁護活動となります。
ただし、加害者と被害者による直接のやり取りによる示談交渉は、被害者側が恐怖心を持つケースがほとんどなことから、認められません。
刑事事件対応の豊富な弁護士を仲介して、弁護士だけに被害者側の連絡先を伝えてもらうことで、被害者あるいは被害者の保護者との、円滑な示談交渉が可能となります。

まずは、器物損壊事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。

東京都豊島区器物損壊事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。