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児童買春で逮捕されたら

2021-03-31

児童買春について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

Aさんは、神戸市内のホテルで、18歳未満の少女Vさんと援助交際(児童買春)をしました。Aさんは、Vさんと会う前、Vさんから「18歳」と聞いていたものの、Vさんとのやり取りや会った際の印象からやっぱり「16歳」前後ではないかと思うようになりました。そこで、Aさんは児童買春の罪で逮捕されたら大変だと思い、今後のことについて,刑事専門の弁護士に無料相談を申込みました。
(フィクションです)

~児童買春とは~

児童買春は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰に関する法律」によって規制されています。
同法第4条により、児童買春をした者は、5年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されます。

また、仮に児童買春でない場合、つまり性交について金銭の授受がない場合であっても、18歳未満の者に対する淫らな性行為またはわいせつな行為を規制する各都道府県の青少年健全育成条例で処罰されることになります。(1年以下の懲役または50万円以下の罰金とされる地域が多いようです)。

~児童買春を否認したい~

ところで,児童買春の罪は故意犯ですから,同罪が成立するには,行為者(Aさん)が相手方をVさんと児童、すなわち18歳未満の者であると認識していなければなりません。この認識の程度は,18歳未満の者であると確定的に認識(確定的故意)している場合はもちろん,18歳未満かもしれないなどという認識(未必的故意)でも足りると解されています。

では,この認識はどの時点で必要なのでしょうか?
この点,児童買春の罪では「対償の供与+性交等」あるいは「対償の約束+性交等」が児童買春の行為とされていますから,18歳未満であることの認識は「対償の供与」あるいは「対償の約束」をした時点で存在していなければなりません。つまり,「対償の供与」あるいは「対償の約束」をした後で,「やっぱり18歳未満かもしれない」などと思ったとしても,児童買春の故意を欠き,児童買春は成立しません。

しかし、警察官や検察官は、「18歳未満とは思わなかった」などというあなたの話を容易に信じてはくれません。取調べでは、この年齢の認識につき厳しく追及されることが予想されますから、取調べ前にしっかりと弁護士からのアドバイスを受けておくことをお勧めいたします。
捜査機関が、年齢の認識につき厳しく追及してくるのは、犯罪の成立にとって欠かせないことはもちろんですが、認識を裏付ける証拠がないことも挙げられます。この場合は、年齢の認識の立証につきあなたの自白しか頼る証拠がないため、取調べが厳しくなることも予想されるのです。

警察官の取調べにお困りの場合は、はやめに弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,児童買春の罪などの刑事事件・少年事件を専門の法律事務所です。お困りの方は,まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。無料法律相談,初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。

監護者性交等で逮捕

2021-03-24

監護者性交等罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

Aさんはさんは、娘のVさんが小さいころから暴力による虐待を加えていました。Vさんが中学生になると、AさんはVさんと性交をするようになりました。Vさんは同意していませんでしたが、長年虐待されていた恐怖から抵抗できませんでした。Aさんの妻Bさんも、Aさんによる虐待や性交に気付いていましたが、BさんもたびたびAさんから暴力を振るわれていたことから恐怖心があり、やめるように言うことができませんでした。Vさんが学校の先生に事実を打ち明けたことから、Aさんは監護者性交等罪の疑いで警察に逮捕されました。
(フィクションです)

~監護者性交等罪~

監護者性交等罪は刑法179条2項に規定があります。

179条
1項 略
2項 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第177条の例による。

「177条」とは「強制性交等罪」を指し、法定刑を強制性交等罪と同様「5年以上の有期懲役」とするという意味です。

「監護者」は法律上の監護権(民法820条)に基づかなくても、事実上現に18歳未満の者を監督し保護する者であれば「監護者」に当たります。反対に、法律上の監護権を有していても、実際に監護している実態がなければ現に監護する者に当たりません。現に監護している実態があるかどうかは、同居の有無や居住状況、指導や身の回りの世話などの生活状況、生活費の負担などの経済的状況、未成年者に対する諸手続の状況などを考慮して判断されます。

(例)
・同居して子供の寝食の世話をして指導・監督している親
・単身赴任して平日は子供との関わりは少ないが、配偶者を介したり電話やメールで指導等をしたり、休日に帰宅して指導等をしている親
・親の再婚相手で、養子縁組している者
・養子縁組していない者であっても、同居し子供の寝食の世話し指導・監督している者

「影響力」とは、監護者が被監護者の生活全般にわたり、衣食住などの経済的な観点や生活上の指導・監督などの精神的な観点から、現に被監督者を監督し、保護することによる生じる影響力とされています。「あることに乗じて」とは、当該影響力が一般的に存在し、当該行為時においてもその影響力を及ぼしている状態でわいせつ行為・性交等をすることをいいます。
わいせつ行為・性交等をする場面で、特定の影響力が生じるための具体的な行為を行う必要はありません。影響力を及ぼしている状態でわいせつ行為・性交等を行ったことで「影響力があることに乗じて」に当たります。

性交等とは、刑法177条で性交、肛門性交、口腔性交をいうとされています。

上記のとおり、監護者性交等罪は5年以上の有期懲役と、起訴され、有罪認定を受ければ原則として実刑ととなる大変重たい罪です。
監護者性交等罪でお困りの方は、はやめに弁護士に相談しましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。お困りの方は、フリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。

淫行と自首

2021-03-17

淫行と自首について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

Aさん(21歳)は、出会い系サイトで知り合ったVさん(16歳)が18歳未満の者であると知りながら、Vさんとホテルへ行き、そこでVさんと淫行しました。その後、Aさんは介護福祉士の試験が近づいてきたことから、介護福祉士に関するサイトの情報を見たところ、「禁錮以上の刑に処せられた」場合は「社会福祉士、介護福祉士」になることができないことが分かりました。そこで、Aさんは、警察にばれる前に自首しようと刑事事件に強い弁護士に相談することとしました。
(フィクションです)

~はじめに~

社会福祉士、介護福祉士の資格などについて定めた「社会福祉士及び介護福祉士法」3条2号には

禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者

は社会福祉士、介護福祉士となることはできない(欠格事由)、と定められています。
そこで、Aさんがいうように、このような事態を避けるために自首することがAさんにとって適切(有効)なのか検討していきたいと思います。

「禁錮以上の刑に処せられ」とは、禁錮、懲役、死刑を指し、罰金刑は含まれません。「処せられ」とは、その刑を言い渡した裁判が確定したことをいい、執行猶予付き判決を受けた場合も含まれます。
「執行を終わり」とは、服役が終了したことをいいます。
「執行を受けることがなくなつた」とは、仮釈放後の残刑期間経過、刑の時効成立、恩赦による刑の執行免除のことをいいます。

~淫行の罪~

そのためには、まず、淫行の罪の内容と罰則から確認することとします。福岡県の場合、淫行の罪は、福岡県青少年健全育成条例(以下、条例)の31条1項に規定されています。

条例31条1項
 何人も、青少年に対し、いん行又はわいせつな行為をしてはならない。
 ※青少年=18歳未満の者(他の法令により成年者と同一の能力を有されるとされる者を除く。)

また、罰則については、条例38条1項1号に規定されています。

条例38条 次の各号のいずれかに該当する者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

1号 31条1項の規定に違反した者

つまり、淫行罪に問われた場合は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられる可能性があるのです。

~自首とは~

次に、自首についてご説明いたします。

自首とは、

①捜査機関に犯罪事実又は犯人が発覚する前に、
②犯人が自ら進んで自己の犯罪事実を捜査機関に申告し、
③その処分を委ねる意思表示の

ことをいうとされています。
この要件を満たさない場合は「自首」として認められません。

自首が成立した場合の「法律上の効果」としては

減軽されることがある(任意的減軽=裁判官の判断、裁量しだい)

ことでしょう。懲役刑であれば「2年以下の懲役」が「1年以下の懲役」に、罰金刑であれば「50万円以下の罰金」にまで減軽されます。

~自首することは適切(有効)か?~

上記のよいうに、自首が成立しても必ず減軽されるわけではありません。しかし、自首が成立すると次のような「事実上の効果」を得られます。

・逮捕のリスクが減る(在宅のまま処理される)
・量刑で有利となる

逮捕のリスクが減ることで

・勉強に集中できる
・学校に通える
・試験を受験できる

ことができます。自首することは、反省の態度を示すことに繋がり、量刑の面で有利となり得ます。つまり、

・本来、懲役刑のところを罰金刑

なとという量刑となり得ることも考えられます。そうすると、介護福祉士の場合、「禁錮以上の刑に処せられた」ことが欠格事由となっていますから、欠格事由に当たる可能性も回避することができるのです。

以上の意味では、Aさんにとって、自首することは適切・有効かと思います。しかし、これはあくまで自首が成立した場合の話ですから、まずは自首が成立するかどうかは弁護士に相談するなどして確認する必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。

公然わいせつで書類送検

2021-03-10

公然わいせつ罪と書類送検について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

会社員のAさんは,誰もいない公園のベンチに座っていた際,性欲を満たすために着ていたズボンから自己の陰茎を出したところ,たまたま近くを通りかかったVさんにその場面を見られてしまいました。その後、Aさんは警察官に公然わいせつ罪の容疑で事情を聴かれ、検察庁へ書類送検されたことから、公然わいせつに詳しい弁護士に無料法律相談を申込みました。
(フィクションです)

~公然わいせつ罪~

公然わいせつ罪は、公園や路上などの不特定または多数の人がいる、またはいる可能性のある場所で、自己の陰部(局部)を露出させたり、見せつけたりするなどのわいせつな行為をした場合に問われ得る犯罪です。刑法174条には、

(公然わいせつ)
第百七十四条
公然とわいせつな行為をした者は,6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

と規定されています。

~書類送検~

書類送検とは、在宅事件、在宅被疑者のまま事件の書類だけが検察庁へ送致されたことを意味しています。
警察官は事件の捜査を終え、事件関係の書類を整えた上で書類を検察官へ送致します。したがって、書類送検の時期は「司法警察員が捜査を終えた後」といことになります。いつ捜査を終わるかは、事件の内容、難易度、捜査機関側の都合などによって異なりますから一概に「いつ」になるかは分かりません。気になる方は、弁護人を通じてか、あるいは直接尋ねてみてもいいでしょう。

書類送検された後は担当の検察官から、取調べのための出頭要請を受けます。いつ呼び出しを受けるかについても、担当の検察官しだいとなりますので一概に「いつ」かは分かりません。そして、検察庁での取調べを終え、最終的な刑事処分(起訴、不起訴)が決まります。起訴された場合は、刑事裁判を受けなければなりません。裁判で実刑判決を受けた場合は刑務所へ収容されます(裁判が確定した場合)。

~公然わいせつ罪で逮捕されることは?~

今回、Aさんは逮捕されませんでしたが、公然わいせつ罪で逮捕されることはあるのでしょうか?

この点、令和2年版犯罪白書によれば、公然わいせつ罪・わいせつ物頒布等罪に問われ検察庁で何らかの処分を受けた「2,325人」のうち、逮捕された人は「890人(うち3人は検察庁で逮捕)」、逮捕されていない人は「1435人」で、逮捕された人の数は逮捕されていない人の数より少ないことが分かります。
また、警察に逮捕された人(887人)のうち、勾留という10日間の身柄拘束を受けた人は「471人」で、約半数の人が勾留される前に釈放されていることが分かります。
以上から、仮に、公然わいせつ罪を疑われても、逮捕される確率は低く、仮に逮捕されても勾留される確率はさらに低くなることが分かります。もっとも、逮捕されるか否かは個別の事情により異なりますので、逮捕されないことが補償されたわけではないことはいうまでもありません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスの予約受付を承っております。

少女に対する強制わいせつ罪で逮捕

2021-03-03

少女に対する強制わいせつ罪で逮捕

未成年者に対する様々な性犯罪に対してどのような刑事責任が生じどのような刑事手続が生じるのかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【刑事事件例】

東京都青梅市の会社員Aさん(25歳)は、区内の公園のベンチで休んでいた少女Vさん(16歳)に声をかけ、話が弾んだため、Vさんは自分に好意を抱いていると思い、Vさんの太ももを触ったり、Vさんの許可なく両肩を抱き寄せてキスをしたりしました。
VさんはAさんの行為に恐くなり、スマートフォンのSNSを使用して友人に助けを求め、友人の通報により事件を察知した警視庁青梅警察署は、Aさんを強制わいせつ罪の疑いで逮捕しました。
警察の調べに対し、Aさんは被疑事実を認めていますが、Aさんの両親はAさんの大学の単位を心配し、刑事事件の見通しを知るため、弁護士に相談することにしました。

【強制わいせつ罪、その他主な性犯罪】

上記刑事事件例は、平成30年8月7日、兵庫県尼崎市の公園で、少女に抱きつきキスした等の疑いで強制わいせつ罪逮捕された事案をモデルにしています。

性犯罪を規制する法律は刑法以外にも多く存在し、「誰に対して」「どのような行為を行ったか」によって適用される刑や罰則が異なります。

性犯罪刑事事件のご相談で多いものは主に次のとおりです。

まず、13歳以上の者に対して暴行または脅迫を用いて、13歳未満の者に対しては暴行または脅迫がなくとも、性交・肛門性交・口腔性交をした場合は、強制性交等罪が成立し(5年以上の有期懲役)、わいせつな行為をした場合は、強制わいせつ罪が成立します(6月以上10年以下の懲役)。

次に、18歳未満の青少年に対し、みだらな性行為またはわいせつな行為をした場合、東京都青少年健全育成条例違反で処罰されます(1年以下の懲役または50万円以下の罰金)。

また、18歳未満の児童買春した場合、児童買春児童ポルノ禁止法違反により処罰されます(5年以下の懲役または300万円以下の罰金)。

強制わいせつ罪の構成要件である「暴行又は脅迫」は、判例によれば、人の意思に反して胸や陰部等を触ったり、キスすること自体を「暴行」と解しており、殴る蹴る等の暴力は必ずしも犯罪成立に必要ではありません。

性犯罪刑事事件では、事案の性質上、被疑者の方が事実に関して口を閉ざしがちになったり、被害者の供述との不一致が生じることが多く、逮捕に続く勾留が決定されたり、起訴された場合には事実の認定をめぐって公判が長期化する傾向があるため、性犯罪刑事事件化または逮捕された場合には、すぐに刑事事件に詳しい弁護士の力に頼ることが大切です。

未成年少女に対する強制わいせつ罪、その他性犯罪刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスをご検討ください。

性犯罪刑事事件を示談で解決したい

2021-02-24

性犯罪刑事事件を示談で不起訴へ

刑事事件において、被害者との示談等に伴う手続きや、示談によって生ずる刑事弁護上の効力等について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

<事例1>
東京都中野区在住の大学生Aさんは、駅の階段で前を歩いていた女性Vさんの下半身をスマートフォンで盗撮したところ、巡回中の警視庁中野警察署の警察官によって東京都迷惑行為等防止条例違反盗撮)の疑いで現行犯逮捕されました。
Aさんの両親は、息子が逮捕されたという警察からの連絡を受けてすぐに刑事事件に強い弁護士弁護を依頼したところ、弁護士の働きかけによりAさんは勾留されずに釈放されました。
釈放後、Aさんは反省と自責の念から、被害者に謝罪し、金銭的賠償もできる限り行い、示談を締結したいと希望しています。
そこで、Aさん代理弁護士はVさんに連絡を取り、示談を持ちかけたところ、条件次第で示談に応じてよいと前向きな回答を得ることができました。

<事例2>
東京都中野区在住の大学生Aさんは、SNSで知り合った女性Vさん宅で夕食をした後、合意があると思って性行為を行ったものの、後日、Vさんが警視庁中野警察署に被害届を提出したため、強制性交等罪の疑いで逮捕されました。
Aさんの両親は、息子が逮捕されたという警察からの連絡を受けてすぐに刑事事件に強い弁護士弁護を依頼し、早急に被害者と示談がまとまるよう示談金の準備を行いました。
Aさん代理弁護人は、被害者と電話で2回示談交渉を重ね、条件面で折り合ったため、被害者から被疑者の刑事処罰を求めない旨の文言(宥恕条項)の入った示談を取り付けることに成功しました。
Aさん代理弁護人は、検察官に示談が成立した旨連絡したところ、検察官は勾留請求を取消し、被疑者を不起訴処分としました。
(※上記いずれもフィクションです。)

【刑事事件の手続きで示談はどのような効果があるのか?】

一般に、被害者が存在し、かつ特定できる刑事事件では、被害者と問題解決のための合意に至ること、つまり示談を締結することが刑事弁護上とても有力とされています。
逆に言えば、酒気帯び運転無免許運転による道路交通法違反のように、被害者が存在しない刑事事件では「示談」の余地すらないため、処分を決定する検察官に対して、反省状況や再犯防止等を訴えたり、贖罪寄付等による適切な情状主張が主軸となってきます。

特に犯罪の中でも、被害者の告訴がなければ起訴できない犯罪(親告罪)については、示談の中に告訴をしない合意を盛り込むことで、不起訴処分を獲得する決定的な役割を果たします。

痴漢盗撮等の性犯罪事件では、被害者女性の被疑者に対する怒りや嫌悪感から、当初は示談交渉を拒否されることも多くあり、また被疑者に対して罪を許すこと(宥恕)も難しい傾向があります。
しかし、性犯罪刑事事件示談交渉の経験を多く持つ弁護士であれば、示談金額の提示の仕方や示談に含まれる誓約事項の条件付けによって被害者が話を聞く姿勢を引き出すノウハウを蓄積しているため、かりに当初示談を拒否している被害者の方に対しても被害弁償を受け取って頂くことを了承する余地もあります。

性犯罪事件における示談の成立と量刑の相関関係について過去の刑事事件例を見ると、初犯で示談が成立している場合、不起訴処分を獲得できる可能性が極めて高いと言えます。

他方、どうしても示談が成立しなかったり、執行猶予中の犯行であったり、または過去の前科が複数ある等の場合は、起訴される確率は高いと言えるでしょう。
しかし、たとえこのような場合でも、被害弁償や贖罪寄付等を行うことによって、執行猶予付き判決や罰金刑など、より軽い罪を獲得する可能性は残されています。

性犯罪刑事事件示談解決することをご希望の方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料法律相談または初回接見サービスをご利用ください。

強制性交等罪事案の否認事案 同意の有無で主張対立

2021-02-17

強制性交等罪事案の否認事案 同意の有無で主張対立

強制性交等罪などの性犯罪否認事案で多く主張される「被害者と性行為について同意があった」という主張について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

<刑事事件例1>
東京都練馬区内の大学でサークルに所属するAさんは、同サークルの女子Vさんと個人的に夕食を共にして、Vさんが酔ったところをホテルに誘い、Vさんが「いや」などの拒否を示したにも関わらず性行為に及びました。
後日、警視庁県警練馬警察署がAさん宅を訪れ、Aさんに強制性交等罪の疑いがあるとして逮捕しました。
警察の調べに対し、AさんはVさんとの性行為についてVさんから強い拒否や抵抗を受けることはなく、夜遅くまで二人きりで飲むことは暗に性行為同意があったと主張し、強制性交等罪の事実を否認しています。

<刑事事件例2>
東京都練馬区在住の会社員Aさんは、マッサージの派遣サービスを利用して、施術者の女性Vさんを自宅に招き、施術の終了後、お互いの合意のもとで性行為に至りました。
後日、警視庁練馬警察署からAさんに連絡があり、先日Aさんが利用した派遣マッサージを行ったVさんがAさんに無理矢理肉体関係を迫られたと被害を訴えているとして、強制性交等罪の疑いで事情聴取のために警察署に出頭するよう要請されました。
Aさんは、Vさんとの性行為につき確実に合意があったと主張したい反面、少しでも刑事責任を負う危険性を負うことも回避したいと思い、強制性交等罪を含む性犯罪刑事事件に強い弁護士事務所に法律相談することにしました。
(フィクションです。)

13歳以上の者に対し、暴行または脅迫を用いて、性交・肛門性交・口腔性交を行うことを「強制性交等」と呼び、これに違反した者は、5年以上の有期懲役が科せられます。
また、13歳未満の者に対しては、年少者の保護の観点から、暴行脅迫がされていない場合であっても、性交・肛門性交・口腔性交を行ったことで強制性交等罪が成立するとされています。

上記のとおり、13歳以上の者に対する強制性交等罪の成立にあたっては、暴行脅迫が要件とされているため、何の暴行脅迫もなく、ただ当事者の片方が気乗りしなかったとか不満があった等の理由では強制性交等罪は成立しません。

一方、強制性交等罪における暴行とは、例えば、相手の同意がないにも関わらず無理矢理キスをすること、腕を押さえつけて性行為を強いること、馬乗りになること等を含むとされており、当事者間の性行為にあたって同意があったのか、または、被疑者が同意があったと誤信してもやむを得ない客観的事情があったのかが重要なポイントとなります。

被害者の主張する事実は誤りで、確かに当該性行為について合意はあったと終始一貫して主張し、強制性交等罪の成立を否認しつづけることも一つの選択肢ではあります。
しかし、この場合、検察官によって起訴され、公開の刑事裁判となり、時間や金銭面で多くの労力や不安を抱えることになるでしょう。

他方で、被害者(と主張する者)に対して、刑事責任の追及という問題へ発展させないよう、事前に当事者間で和解(示談)を行い、一定の条件や謝罪金(示談金)の提供により刑事事件化を未然に防ぐというアプローチも考えられます。

特に、事例2のように、性風俗的なニュアンスのあるサービスにおける強制性交等罪では、捜査機関も当事者間の和解(示談)で解決してくれることを期待する傾向もあり、性犯罪刑事事件に強い弁護士を介入させ、早期に事件解決を図ることが有効な場合もあります。

強制性交等罪性犯罪刑事事件同意の有無について争いがあり、刑事事件化または逮捕でお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所への初回無料の法律相談または初回接見サービスをご検討ください。

女子スカートの盗撮で迷惑行為防止条例違反で逮捕

2021-02-10

女子スカートの盗撮で迷惑行為防止条例違反で逮捕

女性のスカート内などを盗撮することにより生ずる刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

<刑事事件例>

東京都中野区在住の大学生Aさんは、区内の駅校舎の階段にて女子高校生Vさんのスカート内を盗撮しようとしたところを、警戒にあたっていた鉄道警察員によって東京都迷惑行為防止条例違反の疑いで現行犯逮捕されました。
当該駅では以前から「盗撮の疑わしい行為をしている人がいる」と目撃情報が寄せられており、付近の警察官の巡回を強化していたところでした。
Aさんが逮捕されたとの連絡を受けたAさんの妻Bさんは、Aさんが大学に通えず単位に支障が出ることがないよう、1日でも早くAさんが釈放されるよう、刑事事件を専門とする弁護士に事件を依頼するつもりです。
(フィクションです。)

上記刑事事件例は、平成31年4月11日、神奈川県横浜市の反町駅の上りエスカレーターで16歳の女子高校生のスカート内を盗撮したとして、神奈川県職員の男が神奈川県迷惑行為防止条例違反の疑いで現行犯逮捕された事案をモデルにしています。

以前から反町駅では「盗撮している人がいる」などの目撃情報が寄せられていて、鉄道警察隊が警戒していたところ、当該被疑者がスカート内にスマートフォンを入れるところを目撃し、現行犯逮捕に至ったとされています。

警察の調べに対し、被疑者は逮捕事実を認めた上で、「この1、2年の間に100件以上やっています」と話しており、警察は余罪の追及に力を入れています。

性犯罪の中でも、盗撮痴漢といった各都道府県の迷惑行為防止条例違反(名称が異なる場合があります)の犯罪類型は、法定刑は比較的軽いものの、実際に被害者の近くに接近して行動を起こす態様から、現行犯逮捕されて刑事事件化するケースが多いです。

本来、刑事事件の法律相談では、犯罪を犯したと疑われている方(被疑者)が、直接刑事事件弁護士と向かい合い、実際に起こった事実と、その事実に対して被疑者の方がどのように認識しているか、またはどこまでの事実を記憶しているか等を客観的にお聞きした上で、捜査機関に疑われている事実(被疑事実)との食い違いを分析し、今後どのような刑事手続となり、どのような刑事処分が予想されるのかを検討することが必要となります。

しかし、被疑者の方が逮捕されてしまった場合、被疑者本人が不在であるにも関わらず、事情をほとんど知らない家族等の方が刑事事件弁護士に相談しても、内容の薄い一般論的な受け答えしかすることができません。

そのため、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、被疑者の方が現在勾留されている場所(警察署、検察庁)への接見を行い、被疑者に対して事実の確認を行うと同時に事件の見通しや捜査対応等を指導し、その接見の内容を、捜査機関への差し支えにならない範囲で依頼者の方に報告するサービス(初回接見サービス)を行っております。

東京都迷惑行為防止条例第5条は、公共の場所・乗り物における、痴漢行為、盗撮行為など、人を著しく羞恥させたり不安を覚えさせる卑わいな行為を禁じており、これに違反した場合、6月以下の懲役または50万円以下の罰金が科され、盗撮行為で実際に撮影に及んだ者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます。

盗撮行為で逮捕されたしまった場合に、弊所で初回接見サービスをご利用いただいた場合、被疑者に対して有効な捜査対応指導を行い、その後受任となった場合、捜査機関に対する意見書提出等の働きかけによって早期に釈放を実現する可能性があがり、実際に逮捕後の勾留を阻止した成功事例が多数ございます。
社会人にとって、逮捕勾留によって社会から隔離されることは、大きな損失に繋がりますので、刑事事件弁護士に対する早期の接見依頼を強くお勧め致します。

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わいせつ目的誘拐で逮捕

2021-02-03

わいせつ目的誘拐で逮捕

わいせつ目的で女性に声を掛け、ドライブに連れて行く等によって生じうる誘拐罪の重大な刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件例】

東京都在住のアルバイト男性Aさんは、東京都港区をドライブしていたところ、好みの女性Vを見かけたため、「遊びに行こうよ」と声をかけ、Vを自分の車に乗せて様々な場所に連れ出し、また、車中にてホテルに誘うなどの働きかけを行いました。
恐怖を感じたVは、ドライブ途中の飲食店のトイレから母親に助けを求めたため、Vの母が警視庁高輪警察署に被害届を出し、その後、AはVを数時間にわたってわいせつ目的で車が連れまわしたとして、わいせつ目的誘拐罪の疑いで逮捕されました。
(フィクションです。)

刑法第225条は、営利、わいせつ、結婚、または生命もしくは身体に対する加害の目的で、人を略取し、または誘拐した場合について、1年以上10年以下の懲役を科すとしています(営利目的等略取および誘拐罪)。
この条文では、犯行目的と実行行為の2つを組み合わせて罪名が呼ばれることが実務上多く、例えば、営利目的の略取行為であれば営利目的略取罪、わいせつ目的誘拐行為であればわいせつ目的誘拐罪などと呼ばれます。

略取」とは、暴行または脅迫を手段として、他人の意思に反し、その生活環境から離脱させ、自己または第三者の事実的支配の下に置く行為を言います(判例)。
ここで言う「脅迫」とは、畏怖心を生じさせる目的で他人に害悪を告知する一切の場合を言い、必ずしも反抗を抑圧するに足りる程度の者である必要はないとされています。

また、「誘拐」とは、詐欺または誘惑の手段によって他人の自己の実力的支配下に置き、その居所を移させる場合に成立し、甘言によって人を惑わし判断を誤らせることは誘惑に当たるとされています(判例)。

また、上記実際の刑事事件では、誘拐されたのが高校生の女子であることから、未成年者誘拐罪が成立していると思われます。
ただし、刑法224条(未成年者略取および誘拐罪)は、未成年者を略取または誘拐した者に対して、3月以上7年以下の懲役を科しているところ、一つの行為が二つ以上の罪名に該当する場合、その成立する最も重い罪によって処断する(観念的競合、刑法第54条)こととされており、より罪の重いわいせつ目的誘拐罪で処断されることとなるでしょう。

誘拐罪では示談交渉が極めて難航することが予想されますが、逮捕後の身柄解放、および少しでも軽い刑事処分となるよう、早い段階で刑事事件の経験豊富な弁護士に依頼することをお勧めします。

わいせつ目的誘拐して刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所への初回無料の法律相談または初回接見サービスをご検討ください。

強制わいせつ罪と暴行罪 女性に抱きついた性犯罪

2021-01-27

強制わいせつ罪と暴行罪 女性に抱きついた性犯罪

<刑事事件例1>
会社員のAさんは、東京都文京区を営業のため自動車で巡回していたところ、通行人の女性Vさんに性的な欲望を抱き、Vさんに抱きついたうえ胸や下腹部を触わりました。
後日、Aさんは、上記わいせつ行為を被害者および目撃者の証言により犯人像を特定され、警視庁富坂警察署の警察官によって、強制わいせつ罪の疑いで逮捕されました。

<刑事事件例2>
会社員のAさんは、東京都文京区所在の飲み屋帰り、酔った勢いで通行人の女性Vさんに抱きつきました。
Aさんは他の通行人に引き剥がされ、目撃者の通報によって駆けつけた警視庁富坂警察署の警察官によって暴行罪の疑いで警察署で取調べを受けました。
警察の調べに対し、Aさんは「酔っていて覚えていないが、倒れそうになって偶然通りかかったVさんに抱きついてしまった」と供述し、強制わいせつ罪わいせつ目的はなかったと主張しています。

(※上記いずれもフィクションです。)

【女性に抱きついて刑事事件化~わいせつな行為とは?~】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、路上や電車内、公共の建物等において、女性に抱きついたり、それ以上の行為をしてしまったというご相談が寄せられます。

「女性に抱きつく」というご相談において、強制わいせつ罪(刑法176条)と暴行罪(刑法208条)それぞれで刑事事件化したケースがあり、本ブログではその区別や相違について解説します。

強制わいせつ罪では「暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者」と定めており、暴行罪暴行に加えて「わいせつな行為」が必要であるとしています。

わいせつな行為とは、判例の定義によれば、性欲を刺激、興奮または満足させ、普通人の性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為を言います。
具体的な刑事事件の判例として、陰部に触れること、女性の胸に触れること、キスをすることはわいせつな行為に当たると判断されています。
他方、単なる抱擁(抱きつき)をわいせつ行為と判断した事例はなく、抱きついた上で胸やお尻を触る等の行為がなければ、人の身体に対する有形力の行使として暴行罪で処罰されるに留まるでしょう。

ただし、暴行罪強制わいせつ罪に比べれば法定刑は軽いですが、繁華街で酔って抱きついた場合など、人目のある場所での暴行罪現行犯逮捕による逮捕リスクが高いですので、十分に気を付けてください。

女性に抱きついてしまい、暴行罪または強制わいせつ罪刑事事件化してお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料の法律相談または初回接見サービスをご利用ください。

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