【事例解説】泥酔者へのわいせつ行為 準強制わいせつ罪で逮捕
電車内で泥酔した女性の太腿を触るわいせつ行為を行ったとして準強制わいせつ罪で逮捕された事件を参考に、準強制わいせつ罪とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
名古屋市在住の会社員男性A(38歳)は、深夜の電車内で泥酔し熟睡中の会社員女性V(28歳)のスカートの中に手を入れ太腿を触ったところ、目撃した他の乗客から警察に通報され、愛知県警瑞穂警察署の警察官に準強制わいせつ罪の容疑で逮捕されました。
(事例はフィクションです。)
準強制わいせつ罪とは
人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、わいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する、と定められています(刑法第178条)。
「心神喪失」とは、精神障害や意識障害などにより、自己に対してわいせつな行為が行われることについて正常な判断ができない状態を指し、睡眠薬や泥酔により熟睡の状態が例としてあげられます。
「抗拒不能」とは、心理的又は物理的に抵抗するのが著しく困難な状態を指し、心理的な抗拒不能として、医師が診察を装っている例、物理的な抗拒不能として、手足を固定されている例があげられます。
強制わいせつ罪のように、暴行又は脅迫を用いることは要件とされていないため、心神喪失・抗拒不能の被害者に対して、暴行又は脅迫を用いることなくわいせつな行為を行った場合は、本罪が成立します。なお、法定刑は強制わいせつ罪と同じです。
本事例で、泥酔し熟睡中のVは「心神喪失」にあると言え、太腿を触るという「わいせつな行為」を行ったことにより、Aに準強制わいせつ罪が成立すると考えられます。
なお、Vが心神喪失・抗拒不能でない場合に同様のわいせつ行為を行った場合は、太腿を触るわいせつ行為自体が暴行に認定される程度の態様でない限り、強制わいせつ罪ではなく愛知県迷惑行為防止条例違反(痴漢)が適用される可能性が高いと思われます。
準強制わいせつ事件の刑事弁護
愛知県迷惑行為防止条例違反(痴漢)の場合は罰金刑もありますが、準強制わいせつ罪の場合は、起訴され有罪になると懲役刑となるため、不起訴処分を得るために、被害者との示談を早期に成立させることが重要です。
特に性犯罪では、加害者が被害者から連絡先を教えてもらい自ら示談交渉を行うことは困難ですが、弁護士であれば連絡先を教えてもらえる場合が多いため、示談交渉の余地があり、刑事事件に強い弁護士であれば、双方十分納得のいく内容の示談がまとまる可能性が見込まれます。
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、性犯罪を含む刑事事件を多数取り扱い、準強制わいせつ罪での示談成立による不起訴処分を獲得した実績があります。
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