【事例解説】女装して女子トイレに侵入したことが発見され現行犯逮捕
女装して女子トイレに侵入したものの発見され、現行犯逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
商業施設の女性用トイレに侵入したとして、兵庫県警生田署は19日、建造物侵入の疑いで神戸市中央区の自称理容師の男(54)を現行犯逮捕した。
逮捕容疑は19日午後7時25分ごろ、正当な理由なく同区三宮町1の「センタープラザ」3階の女性用トイレに侵入した疑い。調べに対して容疑を認めた上で「腹の調子が悪くて用を足すために入った」と話している。
同署によると、男は化粧をして長い髪のかつらをかぶり、スカートをはいていた。個室に入っていた女性(25)がドア下の隙間から髪の毛が見えたため、外に出たという。
女性が「トイレに入ってましたよね」と声をかけると、男は逃走。女性が追いかけ、付近の店舗従業員とともに取り押さえた。
(2024年2月20日配信の「神戸新聞NEXT」の記事を引用しています。)
異性の女子トイレに侵入したことが発覚すると
異性のトイレに立ち入る行為は、刑法130条の「建造物侵入罪」に問われる可能性が高いでしょう。
建造物侵入罪は、正当な理由がないのに人の看守する建造物に侵入した場合に成立します。
「建造物」とは、屋根を有し支柱などによって支えられた土地の定着物で、人が出入りすることのできる構造のものであり、住居用以外の建造物一般のことをいいます。
例えば、学校や商業施設などが「建造物」に当たります。
「侵入」とは、管理権者の意思に反する立ち入りのことをいいます。
清掃などの目的がない限り、異性のトイレに立ち入ることを建造物の管理権者は認めていないでしょうから、異性のトイレへの立ち入りは、管理権者の意思に反する立ち入りとして、建造物侵入罪が成立する可能性が高いでしょう。
建造物侵入で逮捕されてしまった場合の弁護士の必要性
建造物侵入罪で逮捕されてしまった場合、被疑者段階で最大23日間の身体拘束を受ける可能性があります。
23日間もの間、警察署の留置場で過ごすことになると、学校や会社に発覚してしまうことも十分に考えられます。
もし、逮捕されてしまったら出来るだけ早く弁護士に依頼し、早期釈放に向けた弁護活動をしてもらうことで、学校や会社に発覚するリスクを減らすことができます。
また、被害者との示談交渉をいち早くはじめ反省の意や真摯に対応する意思があることを示すことで示談が成立する可能性を高めることができるでしょう。
被害者との示談は、不起訴処分や最終的な処分の軽減を図る上で重要な活動になってきますので、刑事事件に強い弁護士に依頼することをおすすめします。