【事例解説】女子高校生から着用済み下着を買い受けたとして呼び出し

2024-05-22

女子高校生の着用済み下着を買い受けたとして警察から呼び出しを受けた事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。 

女子高校生

事例 

Aさんは、東京都内の会社に勤める会社員です。
Aさんは、SNSで下着を売るという投稿を見ては、連絡を取り直接の手渡しか郵送で購入していました。 
ある日、警察からAさんの携帯電話に連絡があり「未成年から下着を購入した疑いがある。一度署まで来て話を聞かせてくれないか。」と言われました。
Aさんは気が動転して「わかりました。」とだけ答えましたが、今後の対応に不安を覚え弁護士に相談することにしました。 

未成年者からの下着の購入 

下着の買い受けを規制しているのは,淫行の罪を定めている青少年健全育成条例です。東京都の場合は,「東京都青少年の健全な育成に関する条例」(出典/東京都例規集)という名称です。同条例2条1号で規定される「青少年」とは、18歳未満の者を指します。問題となる下着買い受けの禁止は,以下のように定められています。

同条例15条の2第1項
何人も,青少年から着用済み下着等(青少年が一度着用した下着又は青少年のだ液若しくはふん尿をいい,青少年がこれらに該当すると称した下着,だ液又はふん尿を含む。以下この条においてじ。)を買い受け売却の委託を受け,又は着用済み下着等の売却の相手方を青少年に紹介してはならない。

着用済みの下着だけでなく,18歳未満から唾液や尿を買うことも禁止されています。唾液や尿まで規制の対象にされているのは意外かもしれませんが,いわゆるブルセラショップでの提供を規制するために盛り込まれています。

実際に,下着や唾液を購入したことで逮捕,処罰されたケースもあります。なお,無償で譲り受けた場合は該当しませんが,青少年から唾を集めて回ったことで,迷惑防止条例違反を理由に逮捕されたという例もあるため,注意が必要です。

青少年から着用済み下着等を購入した場合,30万円以下の罰金刑が科せられます(同条例26条4号)。また,青少年に対して下着等を売却するように勧誘することも禁止されています(同条例15条の3第1号)。この場合は,知事が指定した知事部局の職員及び警視総監が指定した警察官から警告が発せられます(同条例18条2項9号)。警告に従わず,なお売却の勧誘をすると30万円以下の罰金刑が科されます(同条例25条)。

18歳未満の未成年者だと知らなかった場合でも

買い受けにせよ売却の勧誘にせよ,相手方となる青少年の年齢を知らなかったとしても,知らなかったことに過失があれば処罰は免れません(同条例28条)。例えば,制服を着ていたため一見して18歳未満と分かるような青少年から下着を買った場合,年齢を聞かされていなくても,条例違反になってしまいます。
下着等の売買を行っている青少年は,金銭目的で常習的に行っていることが往々にあります。たまたま今回は発覚していなくても,今後その青少年が別の下着売買や児童買春を行って警察に発覚した場合,メール・通話履歴から過去の売買についても明るみに出てしまうことがあるのです。
下着等の買い受けもれっきとした犯罪であるため,罰金刑が確定すれば前科がつきます。また,過去の例からも,逮捕されて身体拘束が続く可能性は否定できません。青少年から下着等を買ってしまった方は,お早めに弁護士へご相談ください

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、性犯罪を含む刑事事件を多数取り扱い、身体拘束からの解放や示談成立による不起訴処分を獲得している実績が多数あります。
ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
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