連れ子を風俗店に引き渡して児童福祉法違反

2019-03-03

連れ子を風俗店に引き渡して児童福祉法違反

~ケース~

埼玉県東松山市在住のAは内縁の妻の連れ子であったVさん(17歳)を知人の風俗店の店長であるXに,Vに店内で客の接待をさせるということを知りながら引き渡した。
Aはその謝礼としてXから金銭を受け取っていた。
後日,Xの経営する風俗店が摘発され,Vさんの事情を聞いた埼玉県東松山警察署はAさんを児童福祉法違反の疑いで逮捕した。
(フィクションです)

~児童福祉法~

児童福祉法は児童の健全な育成,児童の福祉の保障とその積極的増進を基本精神とする総合的法律です。
児童福祉法34条7号は「前各号に掲げる行為をするおそれのある者その他児童に対し、刑罰法令に触れる行為をなすおそれのある者に、情を知って、児童を引き渡す行為及び当該引渡し行為のなされるおそれがあるの情を知って、他人に児童を引き渡す行為」をしてはならないと定めています。
罰則は3年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金またはこれらの併科となっています(児童福祉法60条2項)。
「情を知って」とは児童の引き渡しを受ける者が,児童に対して刑罰法令に触れる行為をするおそれがあることについての認識があることをいいます。
児童を引き渡すとは,自己の監護支配下にある児童を他人の監護支配下に移す行為をいいます。

~刑罰法令~

今回のケースではXはVさんに店内で客の接待をさせていると思われます。
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(通称:風営法)第22条1項3号は風俗営業を営む者に「営業所で、18歳未満の者に客の接待をさせること」を禁止しています。
こちらの罰則は1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金またはこれらの併科となっています(風営法50条1項4号)。
18歳未満の者に「客の接待をさせる」とは児童に対してする行為ですので、児童福祉法34条7号の言う「児童に対し、刑罰法令に触れる行為をな」しているといえます。

また,AはXがVに客の接待をさせるということを知りながらXにVを引き渡していますのでXによる風営法22条違反の共犯とならないでしょうか。
風営法22条は風俗営業を営む者を対象としている「身分犯」と呼ばれるものです。
身分犯とは特定の身分(風営法では風俗営業を営む者)の場合のみ成立する犯罪です。
Aは風俗営業を営む者ではありませんが共犯となってしまうのかという問題があります。
これについては風営法の解釈運用基準によって身分なき共犯者として処罰できることになっています。

さらに,AはVを引き渡した謝礼として金銭を受け取っていますから人身売買罪(刑法226条の2)に問われる可能性もあります。
こちらの罰則はAは売渡しとして1年以上10年以下の懲役,Xは未成年買い受けとして3月以上7年以下の懲役となります(同条2項,4項)。

今回のケースでAは戸籍上の繋がりはないとはいえ,実質的には自分の娘をXに引き渡しています。
このようなケースでは悪質だとみなされ,起訴・実刑判決となってしまう可能性もあります。
事案の性質上、被害者と示談を成立させるというのも困難です。
しかし,弁護士は,被疑者や被告人の更生や社会復帰の支援という社会的責務も負っております。
その為,被疑者や被告人となってしまった方とよく話合って、今後の更生や社会復帰についての書面などを検察官や裁判所に提出します。
その結果,刑務所に収監するのではなく社会生活の中での更生が可能と判断されれば執行猶予付きの判決となる可能性も十分にあります。
事件を起こしてしまったら,まずは,刑事事件の弁護経験が豊富な弁護士に相談されることを強くお勧めいたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件専門の法律事務所です。
一般刑事事件のみならず,少年事件,風俗トラブル,特別刑法違反の弁護経験豊富な弁護士が多数所属しております。
児童福祉法違反に問われお悩みの方は0120-631-881までお気軽にお電話下さい。
初回接見・無料法律相談のご予約を24時間受け付けております。
(埼玉県東松山警察署までの初回接見費用:41,400円)