公然わいせつ罪で示談交渉

2019-02-26

公然わいせつ罪で示談交渉

~ケース~

Aさんは、大阪府堺市の駅構内にて陰部を露出した状態でおもむろに自慰行為をはじめた。
Aさんは、その様子を通行人に目撃され、通報によって駆け付けた警察官に任意同行された。
その後、通行人によって、Aさんが陰部を露出し自慰行為を行っている様子が動画で撮影されていたことが証拠となり、Aさんは大阪府堺警察署逮捕されてしまった。
Aさんは、できれば事件が会社に発覚せず、前科が付かない処分を得たいと考えている。
(フィクションです。)

~公然わいせつ事件における弁護活動~

公然わいせつ罪は刑法174条に規定された犯罪であり、同条は、「公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する」と規定しています。

上記の「公然と」とは、不特定又は多数の者が認識し得るような状態のことをいいます。
上記の事例においては、Aさんは駅構内という多くの人の出入りがある場所において、陰部を露出し自慰行為という「わいせつな行為」を行っていることから、「公然と」にあたります。
したがって、上記の事例において、Aさんには公然わいせつ罪が成立する可能性が高いです。

仮に公然わいせつ罪で起訴された場合、一般的には初犯であれば罰金刑となると考えられます。
一方で、同種の前科などがある場合には懲役刑が科される可能性が高く、不起訴や執行猶予を得るためには被害者との示談交渉や被害者の宥恕を得ることが必要となります。

もっとも、起訴されてしまった場合、無罪とならない限り罰金刑であったとしても、前科が付くことになります
前科が付いてしまった場合、資格の取得に影響が出たり、会社を解雇される可能性があります。
そのため、弁護士としては、第一に不起訴を目指して弁護活動を行うということになると考えられます。

不起訴を獲得するために弁護士が行う活動としては、第一に被害者との示談交渉が挙げられます。
公然わいせつ事件においては、はっきりとした被害者が存在しないことから、示談交渉の必要がないとも思えます。
もっとも、公然わいせつ罪の保護法益(法が守ろうとしている利益)は一般社会における性道徳や性的モラルを維持することにあります。
そのため、公然わいせつ事件における被害者とは、通行人等の目撃者を指すと考えられており、弁護士としては、Aさんの公然わいせつ行為を目撃していた通行人と示談交渉を行うことになります。

公然わいせつ事件における示談交渉については、被害者に迷惑料として示談金を支払い、宥恕を得ることが主な活動になります。
Aさんやその家族が直接目撃した通行人と示談交渉を行うことも可能ではありますが、あまりお勧めできません。
刑事事件では、被害者は、事件を起こした当事者やその家族と直接会って交渉することを嫌がることが多いです。
そのため、当事者間で示談しようとすると被害者が交渉に応じなかったり、示談交渉が難航しがちです。
このような事態を避けるためには、弁護士を間に入れて示談交渉を行うとよいでしょう。

示談が成立した場合、仮に不起訴処分を得られなかった場合であっても、罰金刑などの軽微な処分を得るために有効です。
また、示談がまとまらなかった場合であっても、弁護士を選任して示談交渉を行ったことそのものが、Aさんの処分において積極的な事情として考慮されることもあり得ます。

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