性犯罪者に対する傷害致死事件で書類送検 正当防衛の成立を主張する弁護士

2018-12-18

性犯罪者に対する傷害致死事件で書類送検 正当防衛の成立を主張する弁護士

事例:V男(27歳)は夜間の路上において、A女(25歳)の胸部を無理やり触った。
これに対し、柔道経験者であったA女はVの手を掴み地面へ投げつけた。
この際にVは地面に頭を打ち付け、1か月後に死亡するに至った。
大阪府豊中警察署の警察官は、Aを傷害致死罪の疑いで書類送検した(本件はフィクションです。)。

~性犯罪被害と正当防衛~

本件AはVから無理やり胸部を触られており、強制わいせつ罪または迷惑防止条例違反等の痴漢行為の被害者であることは間違いありません。
もっとも、AはVからの上記侵害行為に対し、客観的には傷害致死罪(刑法205条)にあたる行為をしており、Aに正当防衛(刑法36条1項)が成立するかが問題となります。

本件では、V男による「急迫不正の侵害」に対し、自らの性的自由という権利を「防衛するため」に行われたことは比較的明らかといえるケースです。
したがって、「やむを得ずにした行為」といえるかが争点となると考えられます。
そして上記要件に当たるかは、結果を比較するのではなく、防衛手段として必要最小限度といえるかどうかによって判断されます。
たしかに、V男は若い男性でありA女より腕力や体格に勝る存在といえ、ある程度強度な防衛手段が必要となるとも考えられます。
しかし、A女は柔道の経験者であり、固い地面に投げつける行為が極めて危険性の高い行為であることを認識していた可能性もあります。
そうだとすると、「やむを得ずにした行為」とはいえず、A女の行為は過剰防衛(36条2項)として「情状により、その刑を減軽し、又は免除」することはできますが、犯罪行為自体は成立してしまうことになります。

本件のように正当防衛状況とも考えられるケースで被疑者となってしまった場合、まずは弁護士に相談することが重要です。
法解釈やこれに対する当てはめは、専門的な知識が不可欠であり、その前提として弁護士による十分な聞取りが行われる必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、性犯罪事件に対する様々な事件を扱う刑事事件専門の法律事務所です。
正当防衛が成立するか、過剰防衛にとどまるかは、犯罪行為が成立するか否かという点でも大きな分水嶺になります。
傷害致死罪で書類送検されてしまった方は、まずはフリーダイヤル(0120-631-881)で弁護士による無料相談をご予約をご検討ください。
(大阪府豊中警察署への初回接見費用:37,400円)