公然わいせつ罪で逮捕・私選弁護人のメリット

2020-01-11

公然わいせつ罪で逮捕されてしまった事例について,私選弁護士のメリットなどを弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

【事例】

Aさんは,京都市左京区の路上に駐車していた自車内において,下半身を露出していた。
路上を歩いていたBさんは,不審な車があったことから目を向けると車内でAさんが下半身を露出しているのを目撃した。
Bからの通報を受けた京都府川端警察署の警察官は,Aさんを公然わいせつ罪の疑いで逮捕した。
Aの家族は,性犯罪事件に強いと評判の弁護士に相談することにした。
(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。

~公然わいせつ罪における「公然」性~

Aさんは,公然わいせつ罪の容疑で逮捕されてしまっています。
もっとも,本件で,Aさんは,自車の中で裸になっていたにすぎず,街頭などで裸になっていたわけではありません。
このようなAさんの行為にも公然わいせつ罪が成立してしまうのでしょうか。

この点,刑法174条は,「公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する」ことを規定しています。
本件では,自車内で下半身を露出したAさんが,上記174条の「公然」とわいせつな行為をしたといえるかが問題となります。
判例・通説において同条における「公然」とは,不特定または多数の人が認識することができる状態のことをいい,必ずしも実際に認識される必要はないと解されています。
本件では,単なる歩行者であるBさんが現に認識したことからも,Aさんの露出行為は,不特定多数人から容易に認識可能な状態であったといえ,「公然」性を満たすものと考えられます。
そして,Aさんは下半身を露出させていることから,この露出行為が「わいせつな行為」に当たることは明らかであるといえます。
以上から,Aさんの行為は公然わいせつ罪に該当し,Aさんは刑事訴訟法に基づき逮捕されてしまったといえます(なお,警察官が臨場した際に,現に露出をしていた場合には現行犯逮捕される可能性があります)。

~私選の弁護士による早期接見等の重要性~

私選の弁護士による弁護活動の意義のひとつとして,逮捕段階という早期段階からの弁護活動が行える点があります。
逮捕段階から被疑者と接見し,弁護活動を行っていくことのメリットとして,弁護士による助言・アドバイスを得る前に捜査官に決定的に不利益な供述等をしてしまうこと等を防ぐことが挙げられます。
特に初犯などの場合,どういう流れで刑事手続が進んでいくか,法的にどのような権利が自らに認められているか等を十分に理解していない場合が少なくありません。
また,逮捕後には勾留(刑事訴訟法60条参照)という,より長期(延長を含め最大20日間)の身体拘束を処分が決定されてしまう可能性があることから,この勾留を回避するための弁護活動なども重要になってきます。

さらに本件は,公然わいせつ罪という性犯罪の中でも具体的な被害者が想定し難い犯罪であり,実際に本件事例でも具体的な被害者がいるわけではありません。
公然わいせつ罪は,社会的法益を侵害する犯罪と位置付けられており,強制わいせつ罪等(刑法176条以下参照)のように個人の性的自由を侵害する犯罪とは区別されているのです。
したがって,被害者との示談活動が重要となる通常の性犯罪事件に比べ,弁護活動にも工夫が必要となってくるものと考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,公然わいせつ事件を含む性犯罪事件に強い刑事事件専門の法律事務所です。
公然わいせつ事件で逮捕された方のご家族は,年中無休のフリーダイヤル(0120-631-881)に まずはお電話ください。
電話受付スタッフが,弁護士による無料相談初回接見などのサービスについて分かりやすくご説明いたします。