公然わいせつ罪で逮捕されたら
公然わいせつ罪と逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
会社員のAさんは、同区内にある誰もいない公園のベンチに座っていた際、性欲を満たすために着ていたズボンから自己の陰茎を出したところ、たまたま近くを通りかかったVさんにその場面を見られてしまいました。その後、Aさんは自宅へ帰りましたが、通報により駆けつけた警察官に事情を聴かれた後、公然わいせつ罪で逮捕されてしまいました。
(フィクションです)
~公然わいせつ罪~
公然わいせつ罪は刑法174条に規定されています。
刑法174条
公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
「公然と」とは、不特定又は多数人が認識することができる状態をいいます。「認識することができる状態」であれば公然となるわけですから、必ずしも認識されている必要はありません。
次に、「わいせつな行為」とは、行為者又はその他の物の性欲を刺激興奮又は満足させる動作であって、普通人の正常な性的羞恥心を害し善良な性的道義観念に反するもの、と解されています。
以上からすると、公園や路上などの不特定または多数の人がいる、またはいる可能性のある場所で、自己の陰部(局部)を露出させたり、見せつけたりするなどのわいせつな行為をした場合には公然わいせつ罪に問われる可能性が高いです
~公然わいせつ罪で逮捕されたら~
公然わいせつ罪で逮捕されそう、逮捕されたという場合は私選弁護人を選任しましょう。
私選の弁護士による弁護活動の意義のひとつとして、逮捕段階という早期段階からの弁護活動が行える点があります。
逮捕後は
①逮捕
↓
②警察官による弁解録取→釈放
↓
③送致(送検)
↓
④検察官による弁解録取→釈放
↓
⑤検察官による「勾留請求」
↓
⑥勾留質問→釈放
↓
⑦裁判官による「勾留決定」
の流れで進んでいきますが、私選弁護人であれば①の段階から弁護活動を行うことが可能です。
逮捕段階から被疑者と接見し、弁護活動を行っていくことのメリットとして、弁護士による助言・アドバイスを得る前に捜査官に決定的に不利益な供述等をしてしまうこと等を防ぐことが挙げられます。
特に初犯などの場合、どういう流れで刑事手続が進んでいくか、法的にどのような権利が自らに認められているか等を十分に理解していない場合が少なくありません。
また、逮捕後には勾留というより長期の身体拘束を処分が決定されてしまう可能性があることから、この勾留を回避するための弁護活動なども重要になってきます。
さらに本件は、公然わいせつ罪という性犯罪の中でも具体的な被害者が想定し難い犯罪であり、実際に本件事例でも具体的な被害者がいるわけではありません。
公然わいせつ罪は、社会的法益を侵害する犯罪と位置付けられており、強制わいせつ罪のように個人の性的自由を侵害する犯罪とは区別されているのです。
したがって、被害者との示談活動が重要となる通常の性犯罪事件に比べ、弁護活動にも工夫が必要となってくるものと考えられます。
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