泥酔した勢いで強制わいせつ事件を起こし逮捕

2021-06-16

今回は、泥酔した勢いで、面識の無い女性に対し、強いてわいせつな行為をした疑いで逮捕されてしまった場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~
泥酔していたAさんは、●県内の路上を歩く女性Ⅴの背後から接近し、衣服の襟から手を入れ、胸部を弄ぶなどのわいせつな行為をしてしまいました。
Ⅴは悲鳴をあげてすぐに警察へ通報し、駆け付けた警察官が付近を警戒していたところ、Ⅴの話す被疑者像と酷似したAさんが発見されました。
Aさんは●署に任意同行を求められ、到着して取調べを受けたのち、強制わいせつの疑いで逮捕されてしまいました。
Aさんには知り合いの弁護士がいません。
どうすれば弁護活動を依頼できるのでしょうか。(フィクションです)

~強制わいせつ罪について解説~

強制わいせつ罪は、13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をし、または13歳未満の者に対し、わいせつな行為をする犯罪です(刑法第176条)。
法定刑は6月以上10年以下の懲役となっており、比較的重い部類に属する犯罪といえます。

また、暴行・脅迫を行った後にわいせつな行為に及んだ場合はもちろん、暴行自体がわいせつ行為に該当する場合であっても、強制わいせつ罪を構成しえます。
そのため、Aさんのように、不意に被害者の衣服の中へ手を入れ、胸部や陰部を弄ぶ行為についても、強制わいせつ罪が成立しうることになります。

~今後の捜査はどうなる?~

逮捕後、留置の必要が認められると、逮捕時から48時間以内に、Aさんの身柄が検察へ送致されます。
送致を受けた検察官は、身柄を受け取ったときから24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内に、Aさんの勾留を請求するか、Aさんを釈放するかを判断します。

勾留請求がなされた場合は、裁判官が勾留の可否を審査し、勾留の要件を満たしていると判断すれば、10日間勾留されることになります。
また、やむを得ない事由があると認められると、最長10日間、勾留が延長されることになります。
勾留請求がなされなかった場合、または、勾留請求がなされたものの、裁判官により却下された場合には、外に出ることができます。

その後も捜査は継続され、捜査の最終段階において、検察官がAさんを起訴するか、あるいは不起訴とするかを判断します。

~必要な弁護活動~
重要な弁護活動として、①早期の身柄解放の実現、②被害者と示談を成立させることが挙げられます。
早く外に出られれば、それだけ社会復帰も早く実現できることが期待できますし、また、被害者と早期に示談が成立すれば、有利な処分(不起訴処分、有利な量刑による判決)を獲得できる可能性が高まります。

しかし、留置場や拘置所のなかでこのような活動を行うことは事実上不可能でしょう。
そのため、弁護士を依頼し、Aさんの代わりに活動してもらう必要があります。
もっとも、Aさんには知り合いの弁護士がいません。
どうすれば弁護活動を依頼できるのでしょうか。

~Aさんが依頼できる弁護士

Aさんが接見を受けられる弁護士の種類として、①当番弁護士、②国選弁護人、③私選弁護人があります。

(当番弁護士)
当番弁護士は、逮捕された場合に1回だけ接見にやってくる弁護士です。
接見費用は無料ですが、私選弁護人として選任しない限りその後の弁護活動を行うことはできません。

(国選弁護人)
国選弁護人は、勾留決定がなされ、資力要件を満たしている場合(ある程度お金がある場合には、依頼できません)に、被疑者の請求によって国が付する弁護士です。
原則として無料ですが、逮捕直後には付きません。
したがって、逮捕直後に国選弁護人の接見を受けることはできないことになります。
また、付けられる弁護士が刑事事件に熟練しているとは限りません。

(私選弁護人)
私選弁護人は、国ではなく被疑者サイドにおいて選任する弁護士です。
弁護士費用は被疑者サイドにおいて負担します。
国選弁護人と異なり、逮捕段階であっても接見することができます。
また、逮捕直後から弁護活動を開始できるので、対応も迅速です。
さらに、刑事事件に熟練した弁護士を探して選任することができるので、質の高い弁護活動が期待できます。

まずは、なるべく早期に弁護士の接見を受け、弁護活動を依頼することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が強制わいせつの疑いで逮捕されてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。