監護者わいせつ罪について

2020-04-25

監護者わいせつ罪について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~今回のケース~

兵庫県小野市に在住のAさん(55歳)は、Bさん(17歳)を養女として迎えていました。
ある日、Aさんは、Bさんが寝ている間に身体を触るなどのわいせつな行為を行いました。
Bさんは、そのことを児童相談所に相談に行ったところ、児童相談所はBさんを保護することにしました。
そして、児童相談所から、「養父から性的虐待を受けている少女を保護している」との通報を受けた兵庫県小野警察署の警察官は、Aさんを監護者わいせつ罪の疑いで逮捕しました。
突然Aさんが逮捕されたため、どうすれば良いのかわからなかったAさんの奥さんは弁護士事務所に相談の電話をかけました。(フィクションです。)

~問題となる条文~

〇刑法 第179条(監護者わいせつ及び監護者性交等)
1 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条の例による。
2 18歳未満の者に対し、その者を監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第177条の例による。

監護者わいせつ罪・監護者性交等罪は、平成29年の刑法改正によって新設された罪です。
そのため、文言の解釈は今後の裁判に委ねられています。

条文上に出てくる、「現に監護する者」とは、法律上の監護権に基づいて監護する親権者に限られず、事実上被害者を監護する者も該当するとされています(例えば、被害者を養育している親戚など)。
しかし、学校の先生や、クラブのコーチは「現に監護する者」に当たらないとされています。
 
・罰則
監護者わいせつ罪・監護者性交等罪で起訴されて、有罪が確定すると、監護者わいせつ罪強制わいせつ罪(刑法第176条)と同じく「6月以上10年以下の懲役」、監護者性交等罪強制性交等罪(刑法第177条)と同じく「5年以上の有期懲役」の刑罰がそれぞれ科せられることになります。

~監護者わいせつ罪・監護者性交等罪への弁護活動~

監護者わいせつ罪・監護者性交等罪は、被害者が同居している18歳未満の者である場合が大半であり、証拠隠滅や、被害者との接触のおそれから、逮捕されるとそのまま身体拘束を受ける可能性は極めて高いです。
そこで、ご家族の方から弁護士に初回接見を依頼してもらうことをおすすめします。

監護者わいせつ罪・監護者性交等罪のように、被害者が家族であるような事件の場合、他の家族の方は接見(面会)を禁止されることが多いです。
しかし、弁護士には接見禁止といったような制限はないため、身体拘束を受けた方と自由に話し合うことができます。
そして、弁護士に依頼しておくことで、早い段階で、身体拘束からの解放を働きかけたり、不起訴処分を目指したりすることが可能です。

また、上述のように、監護者わいせつ罪・監護者性交等罪は平成29年に新設された条文なので、知識を持った専門家である弁護士の協力は不可欠でしょう。

そして、監護者わいせつ罪・監護者性交等罪では、身体拘束を受ける可能性が極めて高いですが、もし身体拘束を受けなかったとしても、一度弁護士に相談に行くことをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では刑事事件に強い弁護士が無料法律相談初回接見サービスをおこなっております。
無料法律相談や初回接見サービスの予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、性犯罪事件など、刑事事件でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。
特に、ご家族の方が逮捕されたという場合には一刻も早くご連絡下さい。