愛知県迷惑行為防止条例における卑猥な言動について(前編)
愛知県迷惑行為防止条例における卑猥な言動により、取調べを受けることになってしまった事例について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
事例
Aさんは、ナンパ目的で名古屋駅周辺において、通りかかる女性数名に対して、その場を盛り上げるつもりで卑猥な言動やセクハラまがいの声かけを行っていました。
Aさんに声をかけられた被害女性が警察に通報したため、警察官が現場に確認に来ると、Aさんの行為を現認し、職務質問を行いました。
その結果、Aさんは警察署に任意同行されて取調べが行われることになりました。
(事例はフィクションです。)
Aさんは何罪となるのか
Aさんは、愛知県迷惑行為防止条例の卑猥な言動となる可能性があります。
迷惑防止条例における卑猥な言動
卑猥な言動とは、一般的に性的道義観念に反する下品でみだらな言語や動作のことをいいます。
言動はもちろんですが、卑猥な行動もこれに当たると考えられます。
愛知県迷惑行為防止条例にはこのように記載されています。
愛知県迷惑行為防止条例(卑わいな行為の禁止)
何人も、公共の場所又は公共の乗物において、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は、人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
一 人の身体に、直接又は衣服その他の身に付ける物の上から触れること
四 前各号に掲げるもののほか、人に対し、卑猥な言動をすること
(第2条の2)
第2条の2の規定に違反した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
2項 常習として前項の違反行為をした者は、「2年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処する。」となります。
(第15条)
(2025年6月より、懲役・禁錮刑が「拘禁刑」に統一されています。)
卑猥な言動となる行為
・性的な発言を浴びせる行為
・スカートめくりや下着をのぞき見たり臭いを嗅ぐ行為
・ズボンの上から盗撮する行為
・性的な内容のものをしつこく見せる行為
等がこれにあてはまります。
具体的には、「どんな下着を付けているの」「今履いているパンツを売ってほしい」「おっぱいさわらせて」「性的なアニメキャラクターのグッズを執拗に見せつける」等の行為が当てはまるでしょう。