大学生が公然わいせつ罪
大学生が公然わいせつ罪
福岡市早良区に住む20歳の男子大学生Aさん。
大学の音楽系サークルに入り、夜遅くまで部室にこもることも多くありました。
ある日の深夜、部室でサークル仲間と酒を飲んでいました。
飲み会は異様な盛り上がりを見せ、すっかり泥酔してしまったAさん。
他のサークル仲間と全裸になって騒ぎだし、しまいには部室を出て、部室前で騒いでしまいました。
偶然近くを通りかかった別のサークル部員が警察に通報し、駆け付けた福岡県早良警察署の警察官によりAさんは現行犯逮捕されてしまいました。
(事実をもとにしたフィクションです)
~公然わいせつ罪~
Aさんの行動は「酒でのあやまち」や「若気の至り」といえば軽い感じもしますが、立派な犯罪です。
刑法174条
公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
「公然と」とは、わいせつな行為を不特定または多数の人が認識できる状態をいいます。
部室内で全裸で騒いでいただけなら、特定かつ少数の人にしか見られないので「公然と」にあたらないと思われます。
しかし部室の外に出ると、人通りが少ない深夜の時間帯であったとしても、不特定の人に見られる可能性があるので、「公然と」にあたるでしょう。
「わいせつな行為」とは、性欲を刺激、興奮または満足させる行為であり、普通人の性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為をいうとされています。
全裸になる行為はこれに該当します。
したがってAさんの行為には公然わいせつ罪が成立します。
~逮捕後の手続~
逮捕後の原則的な手続は以下のようになります。
①警察は取調べ等の捜査を行い、48時間以内に検察官に被疑者の身柄を送ります(送検)。
②送検を受けた検察官は24時間以内に、起訴するか(刑事裁判にかけるか)、釈放するか、勾留と呼ばれる身柄拘束を続ける許可を裁判官にもらう手続(勾留請求)をします。
③裁判官の許可(勾留決定)が下りた場合、最大で20日間勾留され、最後に検察官が起訴するか釈放するかの判断をします。
④起訴された場合は刑事裁判がスタートします。
ただし、比較的軽い犯罪では「微罪処分」がなされる場合もあります。
これは被疑者を逮捕した警察が、①の送検せずに被疑者を釈放するものです。
つまり、「今回は許してあげるから、しっかり反省しなさい」ということです。
微罪処分になれば有罪判決を受けたわけではないので「前科」は付きません。
一方で逮捕された事実は残るので、捜査機関などからは「前歴」がある者として扱われます。
ただし、前歴が付いても、再び犯罪をしたような場合を除き、特に生活する上での不利益はないでしょう。
微罪処分にしてもらえるか否かは、犯罪の軽さの他、前科がないか、身元引受人がいるか、といった点がポイントとなってきます。
今回のAさんのケースでも、微罪処分となる可能性は十分あるでしょう。
ただ、今回の事件を大学が知った場合、大学から停学や退学といった処分がなされる可能性もあるので注意が必要です。
~弁護士を利用する~
逮捕されると、今後どうなってしまうのか、取調べにはどう対応したらよいのかといった不安が大きいと思います。
これらの点について、弁護士は的確なアドバイスができます。
また、勾留や起訴といった重い処分とならないよう、検察官や裁判官に働きかけることもできます。
逮捕されている被疑者と弁護士が面談することを「接見」といいますが、接見を頼むためには、弁護士会が運営している当番弁護士に頼む方法と、特定の弁護士に依頼する方法があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の場合、福岡県早良警察署への初回接見は35,500円となっております。
刑事事件を専門とする経験豊富な弁護士が接見に伺いますので、公然わいせつ罪などで逮捕された方はぜひご検討ください。
また、事務所での法律相談は初回無料となっておりますので、ご家族の方が法律相談を受けたい場合、あるいはご本人が釈放後に不安な点を弁護士に相談したいという場合にも、0120-631-881までぜひご連絡ください。