Archive for the ‘未分類’ Category

【事例解説】お金を払って性交したが実は相手が18歳未満だったら?

2025-02-03

18歳未満の相手を買春した事例、及び児童買春罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

女子高校生

事例

23歳のAは、SNSで知り合った女性Vに3万円を払ってホテルで性行為をしました。
Vは19歳だと言っていましたが、後日、警察署から、17歳の女性と性交をした疑いで、事情聴取されました。
児童買春罪で捜査を進めているとのことです。
(フィクションです)

児童買春について

児童買春罪は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」(いわゆる児童ポルノ法)に定められています。

児童ポルノ法2条によれば、児童買春とは、

児童(=18歳未満の者)に対して
対償を供与し、又はその供与の約束をして、
性交等をすること

を意味するとされています。

②「対償を供与し」、というのは、性交の対価としてお金や、その他の経済上の利益を与えることです。バッグや食品なども該当します
また、実際に与えなくても、それらを与えるという約束をするだけで足ります
なお、経済上の利益を与える先は、その児童本人に限られず、その保護者や、買春をあっせんした者も含まれます

③「性交等」とは、

性交(陰茎を膣に挿入すること)
性交類似行為(肛門性交や口腔性交など)
自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器・肛門・乳首を触ること
自己の性的好奇心を満たす目的で、児童に自己の性器・肛門・乳首を触らせること

が挙げられています。

警察の言うことが事実ならば、Aは、17歳の児童」であるVに対し3万円という「対償を供与し」、「性交」をしているため、児童買春罪が成立する可能性があります。

一方で、Aが本当にVの年齢を19歳だと信じていたならば、犯罪の故意がないため犯罪は成立しないかもしれません。
ただし、警察や裁判所がそのAの言い分通りの認定をするとは限りません。
また、未必の故意といわれますが、Vが18歳未満かもしれないとAが認識していた場合でも、故意が認められる可能性があります

 

弁護活動

上述のとおり、今回の事例では未必の故意が認められるかどうかが犯罪の成否を大きく左右するかもしれません
そこで、警察がAを取調べする際には、AがVの年齢を18歳未満かもしれないと認識していた、という調書を取ろうとする可能性があります。
取調べの際に、一つの選択として黙秘を貫くかそれともそれ以外に最善の方法があるかどうかの判断は、証拠関係などによっても様々あり得ます
ですから、なるべく早い段階で弁護士に相談されることをお勧めいたします。

児童買春・児童ポルノ禁止法違反被疑事件で警察から捜査を受けている方、ご家族が児童売春等をしてしまいお困りの方は、刑事事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご連絡ください。
また、逮捕され身柄が拘束されている場合には、最短当日に弁護士を警察署まで派遣する「初回接見サービス」(有料)をご提供しています。
まずは、24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までご相談ください。

 

【事例解説】SNSで中学生にわいせつな写真を要求するのは犯罪?

2025-01-27

SNSで中学生に対し、わいせつな写真を要求した事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

電話

事例

30代会社員のAは、SNSで知り合った中学生に対し、「お金を払うから全身の裸の写真を撮って送ってほしい」というメッセージを送りました。
後日、警察署から、取調べをするという電話がかかってきました
(フィクションです)

映像送信要求罪について

令和5年7月13日の改正刑法施行により、映像送信要求罪刑法182条3項)が導入されました。

13歳未満の者、あるいは(行為者が5歳以上年長の場合に)16歳未満の者に対し、
次のような映像を撮らせ、それを送信することを要求した場合に成立する犯罪です。

性交、肛門性交又は口腔性交をする姿態をとった映像
膣又は肛門に身体の一部(陰茎を除く。)又は物を挿入し又は挿入される姿態をとった映像
性的な部位(性器や肛門、もしくはこれらの周辺部、でん部、胸部)を触り又は触られる姿態や、露出した姿態をとった映像

Aは、中学生だという(16歳未満の)Vに対し全身の裸の写真を撮って送ってほしいというメッセージを送りました。全身の写真ですから、胸部や性器を露出した写真ということになるでしょう。したがって、Aの行為には映像送信要求罪が成立する可能性があります。

映像送信要求罪の罰則は、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金と定められています。

なお、わいせつの目的で、お金を払うからなどといってさらにVに面会を要求した場合などは、面会要求罪(刑法182条1項)が成立する可能性があります。この場合の罰則は、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金です。また、実際に面会に成功した場合には、罪が重くなり、2年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金となります

まずはご相談を

映像送信要求罪や面会要求罪の被疑事件で警察から捜査を受けている方や、ご不安の方は、刑事事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご連絡ください。
また、ご家族が逮捕され身柄が拘束されている場合には、最短当日に弁護士を警察署まで派遣する「初回接見サービス」(有料)をご提供しています。
まずは、24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までご相談ください。

【事例解説】女性に風俗店をあっせんしたとして職業安定法違反で逮捕 

2025-01-18

女性に性風俗店を斡旋したとことで、職業安定法違反で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

ストーカー

参考事例

Aさんは、仕事をきっかけに知り合った客や、自身が街で声を掛けた女性に対し、風俗店を紹介して働かせていたとして、職業安定法違反で逮捕され警察署に逮捕されました。
Aさんは、性風俗店から、紹介した女性の売り上げの一部から報酬をもらっており数か月で数百万円を儲けていました
Aさんは、女性に同意させたうえで性風俗店に紹介することを説明していたので、警察の逮捕には納得できていません
(フィクションです。)

職業安定法違反について

Aさんと同じように、この行為の何が犯罪なの?と疑問に思う方もおられるかもしれません。
実はAさんの行為は職業安定法違反となる可能性があります。

職業安定法第63条
次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした者は、これを1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金に処する。
1 (略)
2 公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で、職業紹介、労働者の募集、募集情報等提供若しくは労働者の供給を行い、又はこれらに従事したとき

公衆道徳上有害な業務
性風俗店は、公衆道徳上有害な業務とされています。
公衆道徳上有害な業務」とは、社会共同生活上守られるべき道徳を害する業務と定義されており、風俗営業法を遵守している性風俗店であっても、「公衆道徳上有害な業務」に該当するとされています。
性風俗店の他、ストリップや、アダルトビデオなどの性産業が「公衆道徳上有害な業務」に該当するとされています。

スカウト行為の問題点

Aさんのように、性風俗店に女性を紹介、斡旋する行為を「スカウト」と言います。
関係者によると、このスカウトが間に入ることによって、性風俗店で働きたい女性は、希望にあったお店で働けたり不安が解消されるといったメリットもあるといいます。
しかしスカウトには、女性が稼いだお金の何パーセントがお店から支払われるシステムなので、スカウトが自分の儲けを優先するあまりに、女性が意図しない働き方をさせられたりするケースもあるといいます。
職業安定法違反によって逮捕される人の報道が増えているとは思われるものの、スカウト行為が犯罪に該当する認識が無いという方もまだまだおられるのではないかと思います。
スカウトを利用するお店も、これが違法であることの認識がないことがあるため、お店の誘い話をうのみにするべきではないでしょう。

まずは弁護士に相談を
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、売春の斡旋や職業安定法違反に関するご相談を初回無料で承っております。
また職業安定法違反で警察に逮捕されてしまった方には弁護士を派遣することもできます。(初回接見サービス)
ご予約についてはフリーダイヤル0120-631-881にて24時間、年中無休で受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

【事例解説】公然わいせつの疑いで逮捕(後編)

2025-01-10

今回は、酒に酔って全裸で外出し、逮捕されてしまった場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事例

Aさんは、日頃のストレスから、いつもよりも多くお酒を飲んだところ、全裸で外出してみたくなり、服を脱いで外を歩いていると、パトロール中の警察官から職務質問を受けました。
職務質問の後Aさんは公然わいせつの疑いで警察官に現行犯逮捕されてしまいました。
(事例はフィクションです。)

身柄解放活動について

逮捕されたからといって、常に勾留決定されるわけではありません
被疑者を勾留するためには、「罪証隠滅のおそれがある」、「逃亡のおそれがある」などといった要件を満たす必要があります。
責任をもってAさんを監督できる身元引受人を用意し、その上申書を提出するなどして、上記の要件を満たさないことを説得的に主張する弁護活動が考えられます
検察官や裁判官が勾留の要件を満たさないと判断すれば、勾留されることなく釈放されるでしょう。

また、釈放されたとしても事件が終わったわけではありません。
身体拘束を受けていないだけで、捜査は続行されます
検察官が最終的にAさんを起訴すれば、裁判にかけられることになります
事例の事実関係からは、起訴された場合に無罪判決を獲得することは困難でしょう。
前科がついてしまうのを回避するためにはどうすればよいのでしょうか。

不起訴処分の獲得を目指す

不起訴処分を獲得できれば裁判にかけられないので、前科がつくことはありません
ただし、万引きや傷害事件におけるような被害者が存在しない事件なので、被害者に生じさせた損害を賠償し、不起訴処分の獲得を目指す活動はできません

このような場合は、弁護士会などの団体に対し寄付を行う「贖罪寄付」によって、反省の意思を示すことができることがあります
贖罪寄付の有効性について、接見にやってきた弁護士に相談しましょう。

その他に、心療内科等に通って性的な逸脱行動をしないよう取り組み、その経過を検察官に示すことが考えられます
どのようなことに取り組めばいいか、弁護士としっかりと相談しましょう

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が公然わいせつの疑いで逮捕され、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回接見のご依頼、無料相談のご予約は、フリーダイヤル(0120-631-881)で24時間電話受付中です。

【事例解説】公然わいせつの疑いで逮捕(前編)

2025-01-03

今回は、酒に酔って全裸で外出し、逮捕されてしまった場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事例

Aさんは、日頃のストレスから、いつもよりも多くお酒を飲んだところ、全裸で外出してみたくなり、服を脱いで外を歩いていると、パトロール中の警察官から職務質問を受けました。
職務質問の後Aさんは公然わいせつの疑いで警察官に現行犯逮捕されてしまいました。
(事例はフィクションです。)

公然わいせつ罪について

公然わいせつ罪は、その名の通り、公然とわいせつな行為をする犯罪です。
刑法第174条
法定刑は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料となっています。

公然」とは、わいせつな行為を不特定または多数人が認識し得る状態をいいます。
現実に不特定または多数人が認識したことは必要でなく認識する可能性があれば足ります
したがって、全裸で外に出たが誰にも見られることはなかった、という場合であっても、後日検挙されてしまう可能性があります。

わいせつな行為
わいせつな行為」とは、行為者又はその他の者の性欲を刺激興奮又は満足させる動作であって、普通人の正常な性的羞恥心を害し善良な性的道義観念に反するものをいいます。
典型例として、公然と陰部を露出することが挙げられます
事例の事件は公然わいせつ行為の典型例ということができるでしょう。

身体拘束からの解放活動を弁護士に依頼

逮捕・勾留されてしまうと、捜査段階において最長23日間の身体拘束を受ける可能性があります。
反対に、逮捕された場合であっても、勾留がつかなければ、逮捕されてから3日程度で釈放されることになります。
そのため、逮捕直後の段階においては、勾留を回避する活動が極めて重要となります。

逮捕されたAさんが留置場の中でこのような活動を行い、身柄解放の実現を目指すことは困難です。
したがって、弁護士を依頼し、留置場の外で活動してもらうことが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が公然わいせつの疑いで逮捕され、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【事例解説】女性につきまといストーカー規制法違反で逮捕(後編)

2024-12-27

恋愛感情を抱いた女性に対してストーカー行為を行ったことによって、ストーカー規制法違反の疑いで捜査されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例】

北海道札幌市に住むAは、自身が恋愛感情を抱いていた、レストランで働く20代の女性Vに対し、勤務終了後などに2カ月間のうちに5回にわたりつきまとい繰り返しVの行動を盗撮するなど、ストーカー行為をした疑いが持たれています。
今回、警察署から、ストーカー規制法に基づく「警告」を受けました。
(フィクションです)

【ストーカー規制法に基づく警告】

ストーカー規制法第4条(出典/e-GOV法令検索)では、つきまとい等の被害を受けた方が警察に対して申出を行った場合、警察がつきまとい等を行った者に対して、更に反復してつきまとい等の行為をしてはならないと警告を出すことができます(4条1項)。

この警告が出されたあとも、つきまとい等をやめなかった場合、さらに「禁止命令等」が出される可能性があります。
この禁止命令等に違反してさらにストーカー行為をした場合は、刑が重くなり、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金(第19条)となります。

【ストーカー規制法違反でお困りの方は】

ストーカー行為をしてしまった方ご不安な方には無料相談をお受けしています
また、ご家族の中で、ストーカー規制法違反で逮捕されてお困りの方は、まずは刑事事件に精通した弁護士に依頼して、接見に行ってもらうことをお勧めします。
弁護士による接見をきっかけに、早期に弁護士が事件に介入することが出来れば、身柄拘束の解放に向けた弁護活動をとることができ、身柄拘束による社会生活への影響を最小限に抑えることが期待できます。
また、ストーカー規制法違反の事件では、被害者の方との示談が大事になってきますが、示談交渉についても、示談経験が豊富な弁護士に依頼された方が、よりよい結果になる可能性が高くなるといえるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、ストーカー規制法違反の事件の弁護経験が豊富な弁護士が在籍しております。
ご家族の中にストーカー規制法違反の疑いで逮捕された方がいる、あるいは、自身がストーカー規制法違反の疑いで警察から捜査を受けているという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度御相談ください。(0120-531-881)

 

【事例解説】女性につきまといストーカー規制法違反で逮捕(前編)

2024-12-20

恋愛感情を抱いた女性に対してストーカー行為を行ったことによって、ストーカー規制法違反の疑いで捜査されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例】

北海道札幌市に住むAは、自身が恋愛感情を抱いていた、レストランで働く20代の女性Vに対し、勤務終了後などに2カ月間のうちに5回にわたりつきまとい繰り返しVの行動を盗撮するなど、ストーカー行為をした疑いが持たれています。
今回、警察署から、ストーカー規制法に基づく「警告」を受けました。
(フィクションです)

【ストーカー行為】

ストーカー規制法(出典/e-GOV法令検索)では、ストーカー行為を「つきまとい等」や、承諾なく相手方の位置情報を取得する行為などの「位置情報無承諾取得等」を反復して行う行為として規定しています(2条4項)。

前者の「つきまとい等」については、以下に例示する8つの行為のうち、いずれかの行為を「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的」で、「当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対して行うことをいいます(2条1項柱書)。

1.つきまとい・待ち伏せ・立ちふさがり・見張り・押しかけ・うろつき行為(同項1号)
2.監視していると思わせるような事項を告げ、又は知りうる状態に置く行為(同項2号)
3.面会・交際等義務のないことの要求(同項3号)
4.著しく粗野又は乱暴な言動(同項4号)
5.無言電話・電話拒否後の連続した電話・文書送付・FAX送信・電子メールの送信等の行為(同項5号)
6.汚物などの送付(同項6号)
7.名誉を害する事項を告げ、又はその知りうる状態に置く行為(同項7号)
8.性的羞恥心を侵害する事項を告げる等行為(同項8号)

なお、上記1から4までの行為と、5のうち電子メールの送信等の行為については、「身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に」という限定が付いています(2条4項)。

事例では、Aは、恋愛感情に基づいて被害者のVに対して過去6回つきまとい行為を行い、盗撮等の行動の自由や平穏を害するような方法で2条1項1号の「つきまとい」を行っているので、身体の安全が害されるような方法により行われたとして、「ストーカー行為」に当たる可能性があります。

ストーカー行為を行うと、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられることになります(18条)。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、ストーカー規制法違反の事件の弁護経験が豊富な弁護士が在籍しております。
ご家族の中にストーカー規制法違反の疑いで逮捕された方がいる、あるいは、自身がストーカー規制法違反の疑いで警察から捜査を受けているという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部まで一度御相談ください。(0120-531-881)

【事例解説】わいせつ目的で小学生の女の子をトイレに連れ込み(後編)

2024-12-13

遊園地で家族と一緒に遊びにきていた小学生を、わいせつ目的でトイレに連れ込んだとして、わいせつ誘拐罪等で男が逮捕された事件(事件)について、前編・中編・後編に分けて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

トイレ

・事例

東京都中央警察署は、家族と一緒にショッピングモールに来ていた小学生V(10)の女の子に対してわいせつな行為をしようとしたとして、都内の会社員の男性A(29)をわいせつ誘拐罪の容疑で逮捕した。
Aは、ショッピングモールにて家族とはぐれ一人で歩いていたVに声をかけ、お母さんが待っている場所に連れて行ってあげると嘘をついてVを人気の少ないトイレに連れ込んだとされている。
トイレの中に入ってAが鍵をかけたところ、Vが「お母さんはどこ」と泣き始めたのをみて、Aはかわいそうに思いVをトイレから出してあげることにした。
歩き回って両親のもとに戻ったVが、知らない人(A)にトイレに連れ込まれたことを告げたところ、両親が被害届を出したため、防犯カメラからAが特定され逮捕されるに至った
(フィクションです)

・不同意わいせつ罪における弁護活動

不同意わいせつ罪は被害者のいる犯罪ですから、被害者との間で示談を成立させることができるかどうかが重要になってきます。
示談が成立すれば不起訴処分を得ることができるかもしれませんし、仮に起訴されたとしても刑が減刑されたり執行猶予がついたりする可能性があるからです。

ここで注意したいのは、示談交渉のため加害者自ら被害者(の両親)に直接連絡をとることは得策ではないということです。
本件では、被害者は未成年であるため、示談交渉の相手方は親権者である両親になります。

そして、Vの両親からすれば、Aは大切な子供にわいせつ行為をしようとしてトイレに連れ込んだ張本人なわけです。
当然Aに対して、強い処罰感情を有していると考えられますから、連絡を取ることすら拒絶されかねません。
そこで、示談交渉は法律のプロである弁護士に一任されることをおすすめします。
加害者と連絡をとることを拒絶される被害者であっても、弁護士相手であれば交渉に応じてくれることは少なくありません

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする法律事務所です。
数多くの性犯罪事件で、示談を成立させ不起訴処分や刑の減軽を獲得してきた豊富な弁護経験があります。
性犯罪を起こしてしまった方、逮捕されたご本人のご家族の方は、お早めに一度0120-631-881までお電話ください。

【事例解説】わいせつ目的で小学生の女の子をトイレに連れ込み(中編)

2024-12-06

遊園地で家族と一緒に遊びにきていた小学生を、わいせつ目的でトイレに連れ込んだとして、わいせつ誘拐罪等で男が逮捕された事件(事件)について、前編・中編・後編に分けて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
中編では不同意わいせつ罪について解説します。

トイレ

・事例

東京都中央警察署は、家族と一緒にショッピングモールに来ていた小学生V(10)の女の子に対して、わいせつな行為をしようとしたとして、都内の会社員の男性A(29)をわいせつ誘拐罪の容疑で逮捕した。
Aは、ショッピングモールにて家族とはぐれ一人で歩いていたVに声をかけ、お母さんが待っている場所に連れて行ってあげると嘘をついてVを人気の少ないトイレに連れ込んだとされている。
トイレの中に入ってAが鍵をかけたところ、Vが「お母さんはどこ」と泣き始めたのをみて、Aはかわいそうに思いVをトイレから出してあげることにした。
歩き回って両親のもとに戻ったVが、知らない人(A)にトイレに連れ込まれたことを告げたところ、両親が被害届を出したため、防犯カメラからAが特定され逮捕されるに至った。
(フィクションです)

・不同意わいせつ罪

刑法176条第3項(出典/e-GOV法令検索)は、16歳未満の者に対してわいせつな行為をした者については同意の有無を問わず、6ヶ月以上10年以下の拘禁刑に処すると規定しています。
本件Vは11歳ですから、Aは(仮に同意があったとしても)わいせつな行為をした場合には不同意わいせつの罪に問われることになります。

もっとも、本件では、Aは、トイレにお母さんがいないことに気づいたVが泣き始めたのをみて、かわいそうに思い、トイレからVを解放しています。
このことは、刑法上何か意味を持つのでしょうか?

・中止未遂
刑法43条前段は、「犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる」としています。
仮にAが、「犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者」に当たるとすれば、Aは減軽される可能性があります。

では、「犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった」とはどのような場合を指すのでしょうか?
まず、犯罪の実行に着手した時点とは、犯罪の結果発生の現実的危険性のある行為が開始された時点であるという考え方が有力です。
不同意性交等罪の前身である旧強姦罪事件について、被害者を性交に及ぶ目的でダンプカーに引きずり込もうとした段階をもって、犯罪の実行に着手したと認定して未遂犯を成立させた判例があります

本件の場合、AがVを連れ込んだトイレの中で、Vにわいせつ行為をしようとして近づこうとしていた場合、不同意わいせつ罪の「現実的危険性のある行為が開始された」として、不同意わいせつ罪の実行に着手したと判断される可能性があります。

そして、Aはトイレに母親がいないと気づいたVが泣き始めたのをみて、かわいそうに思いわいせつな行為をすることをやめて、Vを解放したようです。
上記の刑法43条は、前段に引き続き「ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。」と規定しています。
こちらに該当する場合を中止未遂と言い、必ず刑が減免されることになります。
仮に、被害者が大声で泣き始めたため周囲の人に見つかるのは時間の問題であったためわいせつ行為をすることを諦めざるを得ない状況であったなど、犯行の継続を思いとどまらせるような外部的事情により犯行を中止したような場合には、「自己の意思により犯罪を中止した」には該当しないと考えられます。

本件においても、仮にAがVに対して犯行をやめたのが、Vの泣き声などの外部的事情によるものだとすれば、自己の意思により犯罪を中止したとは言えず通常の未遂として刑が任意的に減軽されるにとどまります

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする法律事務所です。
数多くの性犯罪事件で、示談を成立させ不起訴処分や刑の減軽を獲得してきた豊富な弁護経験があります。
性犯罪を起こしてしまった方、逮捕されたご本人のご家族の方は、お早めに一度0120-631-881までお電話ください。

【事例解説】わいせつ目的で小学生の女の子をトイレに連れ込み(前編)

2024-11-29

ショッピングモールに家族と一緒にきていた小学生を、わいせつ目的でトイレに連れ込んだとして、わいせつ目的誘拐罪等で男が逮捕された事件(フィクションです)について、前編・中編・後編に分けて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
前編では、わいせつ誘拐罪と監禁罪について解説します。

トイレ

・事例

東京都中央警察署は、家族と一緒にショッピングモールに来ていた小学生V(10)の女の子に対して、わいせつな行為をしようとしたとして、都内の会社員の男性A(29)をわいせつ誘拐罪の容疑で逮捕した。
Aは、ショッピングモールにて家族とはぐれ一人で歩いていたVに声をかけ、お母さんが待っている場所に連れて行ってあげると嘘をついてVを人気の少ないトイレに連れ込んだとされている。
トイレの中に入ってAが鍵をかけたところ、Vが「お母さんはどこ」と泣き始めたのをみて、Aはかわいそうに思いVをトイレから出してあげることにした。
歩き回って両親のもとに戻ったVが、知らない人(A)にトイレに連れ込まれたことを告げたところ、両親が被害届を出したため、防犯カメラからAが特定され逮捕されるに至った
(フィクションです)

・わいせつ誘拐罪

本件で、Aは、遊園地で家族とはぐれたVを、わいせつ目的でトイレに連れ込んだようです。
この場合、わいせつ目的誘拐罪(刑法225条)が問題となります。
刑法225条(出典/e-GOV法令検索)
営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、一年以上十年以下の懲役に処する

本罪における「誘拐」とは、欺罔または誘惑を手段とし、人を従来の生活環境から離脱させ、自己または第三者の事実的支配下に置くことを言います
本件Aは、Vに対してお母さんのところに連れていくと嘘をついて「欺罔」していると言えます。
そして、「わいせつの目的で」Vの両親の手の届かない遊園地のトイレに連れ込んでいますから、Vを「従来の生活環境から離脱」させて「自己の事実的支配下」に置いたと言えそうです。
したがって、わいせつ目的誘拐罪が成立する可能性があります。

・監禁罪について

加えて、Aには監禁罪(刑法220条)が成立する可能性があります。
刑法220条(出典/e-GOV法令検索)
不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、三月以上七年以下の懲役に処する

監禁罪は、人の身体的自由を侵害する犯罪です。
監禁」とは人が一定の区域内から脱出することが不可能または著しく困難にすることとされています
本件Aは、Vをトイレという区域に連れ込んで、脱出できないよう鍵をかけたようです。
小学生の女の子が成人男性であるAの目を掻い潜ってトイレから自力で脱出することは不可能でしょうから、AはVを監禁したとして監禁罪が成立する可能性があります。

・わいせつ誘拐罪・監禁罪における弁護活動

わいせつ誘拐罪は被害者のいる犯罪ですから、被害者との間で示談を成立させることができるかどうかが重要になってきます。
示談が成立すれば不起訴処分を得ることができるかもしれませんし、仮に起訴されたとしても刑が減刑されたり執行猶予がついたりする可能性があるからです。

ここで注意したいのは、示談交渉のため加害者自ら被害者の両親に直接連絡をとることは得策ではないということです。
本件Vの両親からすれば、Aは大切な子供にわいせつ行為をしようとしてトイレに連れ込んだ張本人なわけですから、当然Aに対して、強い処罰感情を有していると考えられ、連絡をとることすら拒絶されかねません
そこで、示談交渉は法律のプロである弁護士に一任されることをおすすめします。
加害者と連絡をとることを拒絶される被害者であっても、弁護士相手であれば交渉に応じてくれることは少なくありません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする法律事務所です。
数多くの性犯罪事件で、示談を成立させ不起訴処分や刑の減軽を獲得してきた豊富な弁護経験があります。
性犯罪を起こしてしまった方、逮捕されたご本人のご家族の方は、お早めに一度0120-631-881までお電話ください。

« Older Entries Newer Entries »