痴漢事件を起こし、被害者によって逮捕(前編)

2025-03-05

今回は、被害者自身によって痴漢事件の被疑者が逮捕された場合の刑事手続につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事例

Aさんは、名古屋市内を走る電車内において、乗客であるVさんの臀部を着衣越しに触る行為を行いました。
Vさんは、Aさんの犯行に気付き、自らAさんの腕を掴んで「痴漢しましたよね。次の駅で降りましょう。」と告げました。
Aさんは、駅員室や警察で少し怒られるくらいで済むと思い、Vさんのいう通りにしていたところ、駆け付けた警察官に「あなたはVさんによって逮捕されているから、しばらくは帰れないものと思っておいてほしい。」と告げられました。
Aさんは、まさか私人逮捕されているとは思っていませんでしたが、民間人であるVさんが自身を適法に逮捕し得るのかと疑問に感じています。
(事例はフィクションです。)

現行犯逮捕について

現行犯逮捕は、民間人でも行うことができます
現行犯逮捕とは、「現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる」とされています。
現行犯人」とは、「現に罪を行い、又は現に罪を行い終った者」のことをいいます。
刑事訴訟法第212条1項)。

Aさんの行為は、迷惑防止条例違反行為又は不同意わいせつ罪に該当する可能性が高いでしょう。
そして、Vさんの臀部に触れている時、または、触れた直後のAさんは「現に罪を行い、又は現に罪を行い終った者」に該当することになると考えられます。

Vさんは、自身が痴漢被害を受け、現行犯人であるAさんの腕を掴むなどして、これを現行犯逮捕したものということができるでしょう。

愛知県の迷惑防止条例違反の場合、法定刑は「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」、常習のときの法定刑は「2年以下の懲役又は200万円以下の罰金」等と定められています。
一方、不同意わいせつ罪(旧 強制わいせつ罪)の場合、「6月以上10年以下の懲役」と定められ、罰金刑は規定されていません

刑事事件は、スピードが大切です。

事件を否認している場合でも弁護士を介して被疑者に有利な証拠を保全することや、罪を認めている場合には早期に被害者と示談を成立させることで、起訴されることなく事件を解決することができる可能性があります。
そのためには、早期に刑事事件を専門に取り扱う弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所法律事務所では、刑事事件を専門に取り扱う弁護士が、無料相談、初回接見に出向きます。
痴漢事件を早期に解決したい方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所法律事務所(0120-631-881)にお電話ください。