【事件解説】女性の胸を触った強制わいせつ罪で逮捕

2023-06-15

 女性の胸を触って逮捕された強制わいせつ事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事件概要

 今年2月、徳島県鳴門市の路上で、帰宅中の会社員女性V(23歳)の肩を掴んだ上、胸を触るなどした疑いで、同市市の会社員男性A(35歳)が強制わいせつ罪の容疑で逮捕されました。
 警察の調べによると、Aは、深夜に帰宅中のVに声をかけ犯行に及び、女性が激しく抵抗したところ逃走しました。
 事件直後にVから届出を受けた警察が周辺の防犯カメラの映像などから、Aを逮捕したということです。VとAに面識はありませんでした。警察は男の認否を明らかにしていません。
(過去に報道された実際の事件に基づき、事実関係を大幅に変更したフィクションです。)

強制わいせつ罪とは

 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する、と定めています(刑法第176条)。

 「暴行」とは、「人の反抗を抑圧したり著しく困難にさせる程度の有形力の行使」とされており、暴行罪における「暴行」(「人の身体に対する有形力の行使」)よりも狭義となっています。

 「わいせつな行為」とは、「相手の意に反して性的羞恥心を害する行為」とされており、無理やりキスしたり、胸や陰部に手を触れたりする行為などが該当します。

 本事件で、AがVの肩を掴んで容易に逃げたり反抗できないようにしたことは、「反抗を抑圧したり著しく困難にさせる程度の有形力」即ち「暴行」を用いたと評価され、胸を触るという「わいせつな行為」を行ったことで、強制わいせつ罪が成立し得ます

強制わいせつ罪の刑事弁護

 強制わいせつ罪は、各都道府県で定める迷惑行為防止条例違反(痴漢)と異なり、法定刑に罰金刑がないため、起訴され有罪になると懲役刑が科されます。

 現在では、被害者の告訴がなくとも検察官の判断で起訴できる罪非親告罪となりましたが、被害者との示談が成立することで検察官が起訴することなく事件が終わる可能性が高まるなど、実務上は未だ、被害者との示談は重要な意味を持っています。

 そのため、被害者との示談を早期に成立させることが重要ですが、性犯罪であることから、被害者は加害者に強い嫌悪感や恐怖感などを抱くことが通常であり、被害者の連絡先を教えてもらい示談交渉を直接行うことは困難です。

 弁護士であれば、被害者も話を聞いてもよいとなることも多く示談交渉の余地が生まれ、刑事事件に強く示談交渉の経験豊富な弁護士であれば、双方納得のいく示談がまとまる可能性が見込まれます。

すぐに弁護士にご相談を

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、性犯罪を含む刑事事件を多数取り扱い、強制わいせつ罪での示談成立による不起訴処分を獲得している実績が多数あります。

 強制わいせつ事件でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。