精神障害者に対し送迎中にわいせつ行為
運転手が、送迎中に精神障害者にわいせつな行為をした場合について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~今回のケース~
大阪府東大阪市に在住のAさん(60歳)は工場で働く作業員を工場まで送迎する運転手として働いています。
Aさんは、助手席に座っていたBさん(25歳)が精神障害者であり、反抗できないことをいいことに、信号待ちなど車が止まるタイミングで、Bさんの服の下に手を入れて下半身や胸を触っていました。
Bさんから相談を受けたBさんの家族が警察に通報したことで事件が発覚し、Aさんは大阪府布施警察署の警察官に準強制わいせつ罪の疑いで逮捕されてしまいました。
(これはフィクションです。)
~問題となる条文~
〇刑法 第178条 準強制わいせつ
1 人の心神喪失もしくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は第176条の例による。
・強制わいせつ罪との違い
準強制わいせつ罪は、強制わいせつ罪(刑法176条)は異なる条文で規定されています。
強制わいせつ罪は「暴行又は脅迫を用いて」わいせつな行為をした場合に適用されます。
一方で、準強制わいせつ罪の場合は、心神喪失や抗拒不能の状態になったわいせつ行為に及んだ場合に適用されます。
わいせつ行為に及ぶ過程によって、強制わいせつ罪と準強制わいせつ罪のどちらに当たるかが区別されます。
・「心神喪失」
「心神喪失」とは「精神又は意識の障害によって正常な判断能力を喪失している状態」のことをいいます。
例えば、飲酒による酩酊状態や、覚せい剤などの薬物を摂取した状態のことをいいます。
今回のケースでは、Aさんは、Bさんが精神障害者であることを利用しているので「心神喪失」に乗じていると言えるでしょう。
・「抗拒不能」
「抗拒不能」とは「心神喪失以外の理由で、物理的・心理的に対抗できないか、又は抵抗するのが著しく困難な状態」にあることをいいます。
例えば、医師が必要な施術のように誤信させてわいせつな行為をした場合が挙げられます。
・罰則
準強制わいせつ罪で起訴されて、有罪判決が確定すると、強制わいせつ罪と同じ、「6月以上10年以下の懲役」が刑罰として科せられることになります。
~準強制わいせつ罪に対する弁護士の対応~
準強制わいせつ罪の法定刑は「6月以上10年以下の懲役」と刑罰の中でも重い方であり、事実を認めていたとしても在宅事件になる可能性は低く、身体拘束を受けるでしょう。
そこで、ご家族の方から、弁護士に依頼して、弁護士に身体拘束されている場所まで接見(面会)に行ってもらうことをおすすめします。
逮捕された後、勾留が決定されることになれば、ご家族の方が面会に行くことも可能ですが、平日の限られた時間のみになりますし、接見禁止がついていると、ご家族の方であっても面会することはかないません。
弁護士は、接見禁止などの制約がなく、自由に身体拘束を受けている方と接見ができます。
また、ご家族の方から身体拘束を受けている方への間の伝言を伝えることが可能ですので、家族間の橋渡しの役割を担うことができます。
また、接見の依頼を急ぐことで、早いうちから、弁護士が身体拘束からの解放や被害者との示談交渉に行うことが可能です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では刑事事件に強い弁護士が無料相談、初回接見をおこなっております。
フリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、準強制わいせつ事件など、刑事事件でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。
特にご家族の方が逮捕されたという場合には、一刻も早く初回接見をご依頼ください。