強制わいせつで出頭拒否したら?

2021-08-26

強制わいせつで出頭拒否したら?について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します.

会社員のAさんは強制わいせつ罪の疑いを受け、警察から出頭要請を受けたものの、自分には関係ないとなどと勝手にこれを拒否し続けたいたところ逮捕されてしまいました。Aさんの母親は早期釈放のため、弁護士に接見を依頼しました。
(フィクションです。)

~強制わいせつ罪~

強制わいせつ罪は刑法176条に規定されています。

刑法176条
 13歳以上の者に対し,暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は,6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し,わいせつな行為をした者も,同様とする。

「暴行」とは一般に、人の身体に対する不法な有形力の行使をいいますが、強制わいせつ罪の「暴行」の程度は、被害者の犯行を著しく困難ならしめる程度であることが必要とされています。わいせつな行為とは、徒らに性欲を興奮又は刺激させ、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道徳観念に反するような行為をいうとされています。したがって、

・陰部に手を入れる
・乳房を弄ぶ

などの行為はこれに当たるでしょう。また、暴行それ自体がわいせつな行為(暴行=わいせつな行為)であってもよいとされています。

罰則は6月以上10年以下の懲役で、起訴され裁判で有罪認定を受けると必ず懲役刑を科されます。
あとは実刑か執行猶予かですが、そこは、事件の悪質性・計画性、初犯か否か、示談が成立しているかなどによって異なってきます。

~出頭拒否で逮捕~

出頭要請はあくまで捜査機関の任意処分であり、Aさんの意思に基づいて行われることを要しますから、拒否することはできます。
しかし、正当な理由なく任意要請に応じない、不出頭を繰り返す、ということになれば、それが「逃亡又は罪証隠滅のおそれ」の一つの微表として逮捕されることがあることから注意が必要です。

被疑者の方からすれば「出頭すれば逮捕される可能性がある、出頭しなくても逮捕される可能性がある」という板挟み状態だといえます。
しかし、警察から出頭要請を受けたということは、少なくとも被害者が判明しているということが多いですから、たとえば逮捕を回避するために、警察に被害者との示談交渉を申し入れることも方法の一つとして考えられます。
警察に示談の意思があることを申し入れ、それを書面に残すだけでも逮捕の可能性を下げることに繋がりますし、仮に逮捕された場合もその書面は有効な証拠として使うことができます。
また、仮に逮捕された場合にそなえて警察からの出頭要請には誠実に対応する必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、強制わいせつ事件をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。