【事件解説】禁止地域で個室性的サービス 風営法違反で逮捕

2023-09-07

 禁止地域で個室性的サービスを行ったことで、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下、「風営法」)違反で逮捕された事件とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事件概要

 8月20日、福岡県警中央警察署は、風営法違反(禁止地域営業)の容疑で同市中央区の風俗店経営者の男性A(32歳)を逮捕しました。
 警察の調べによると、5月20日午後8時30分~午後9時ごろ、禁止地域であるにもかかわらず、店舗に設けた個室で、男性客に対して女性店員が性的サービスを提供する営業をしたとのことです。Aは風営法違反(禁止地域営業)の容疑を認めています。
(過去に報道された実際の事件に基づき、事実関係を大幅に変更したフィクションです。)

店舗型性風俗特殊営業と禁止区域

 風営法第2条第6項では、店舗型性風俗特殊営業を規定しており、その一つとして、店舗に個室を作り、その個室内で異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業(いわゆる店舗型ファッションヘルス)を定めています(同項2号)。

 本事件では、店舗の個室内で性的サービスを異性に提供していたとされており、それが事実であれば、事件の店舗は風営法上の店舗型性風俗特殊営業にあたると考えられます。

 風営法第28条では、地域の善良な風俗環境や青少年の健全な育成のため、店舗型性風俗特殊営業の禁止区域を定めています。
 具体的には、官公庁施設や学校、図書館や児童福祉施設などの周囲200メートルの区域内、及び各都道府県の条例が定める禁止地域では、店舗型性風俗特殊営業を禁止されており、違反した場合は、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金又はその両方が科されます。

風営法違反(禁止地域営業)の刑事弁護

 風営法違反で逮捕された場合、逃亡や罪証隠滅の恐れがあるとして、勾留が決定・延長され身体拘束が長期化したり、接見等禁止決定が付いたりする可能性も十分に考えられるため、身体拘束からの解放や接見等禁止決定の解除に向けた弁護活動を行うことが必要になります。

 また、取調べにおいては、被疑事実以外の余罪を厳しく追及されることも予想されますが、どのような受け答えをするのが良いか、事案によって様々に異なることが考えられますので、刑事事件に強い弁護士に相談した上で対応することをお勧めします。

 逮捕されていない段階でも、警察の捜査を受けていることを知った場合は、弁護士に相談し、問われる可能性のある罪と事件の見通し、それを踏まえての適切な対応についての助言をもらうことをお勧めします。

 なお、本件においては、そもそも風営法第27条で義務付けられている店舗型性風俗特殊営業の公安委員会への届出を行っていれば、その段階で営業禁止地域内であることが分かったはずであることから、風営法違反(禁止地域営業)のほか、風営法違反(無届営業)(6月以下の懲役若しくは100万円以下の罰金又はこの併科)が成立することも考えられます。

まずは弁護士にご相談を

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に強く、様々な刑事事件において、身体拘束からの解放不起訴処分や刑の減軽を獲得した実績があります。
 風営法違反の容疑でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。