【事例解説】中学生にわいせつな写真を要求したとして呼び出し
SNSで中学生に対し、わいせつな写真を要求した事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
大阪市に住む30代会社員のAさんは、SNSで知り合った中学生に対し、「お金を払うから全身の裸の写真を撮って送ってほしい」というメッセージを送りました。
後日、Aさんに曽根崎警察署から呼び出しの電話があり、取調べのため警察署に行くことになりました。
不安になったAは、取調べの前に弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)
映像送信要求罪について
令和5年7月13日の改正刑法施行により、映像送信要求罪(刑法182条3項)が導入されました。
13歳未満の者、あるいは(行為者が5歳以上年長の場合に)16歳未満の者に対し、
次のような映像を撮らせ、それを送信することを要求した場合に成立する犯罪です。
・性交、肛門性交又は口腔性交をする姿態をとった映像
・膣又は肛門に身体の一部(陰茎を除く。)又は物を挿入し又は挿入される姿態をとった映像
・性的な部位(性器や肛門、もしくはこれらの周辺部、でん部、胸部)を触り又は触られる姿態や、露出した姿態をとった映像
Aは、中学生だという(16歳未満の)Vに対し、全身の裸の写真を撮って送ってほしいというメッセージを送りました。全身の写真ですから、胸部や性器を露出した写真ということになるでしょう。したがって、Aの行為には映像送信要求罪が成立する可能性があります。
映像送信要求罪の罰則は、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金と定められています。
なお、わいせつの目的で、お金を払うからなどといってさらにVに面会を要求した場合などは、面会要求罪(刑法182条1項)が成立する可能性があります。この場合の罰則は、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金です。また、実際に面会に成功した場合には、罪が重くなり、2年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金となります。