東京都八王子市の刑事事件で逮捕 児童ポルノ所持で違法捜査に弁護士

2017-03-16

東京都八王子市の刑事事件で逮捕 児童ポルノ所持で違法捜査に弁護士

警視庁南大沢警察署の警察官は、道路で職務質問を行っていたところ、挙動不審なAさんを発見しました。
警察官は、Aさんは罪を犯している人間だと刑事のカンで決めつけ、Aさんの許可なくAさんのバッグ奪い取り、中身を捜索し始めました。
Aさんは抵抗しましたが敵わず、警察官はAさんのノートパソコンの中から大量の児童ポルノの画像を発見し、その場でAさんを現行犯逮捕しました。
(この話はフィクションです)

~児童ポルノ所持について~

児童ポルノ画像に関する犯罪については、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」により定められています。

同法によれば、「児童ポルノ」とは、「児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態」や「他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの」などの写った、写真又はパソコン内の画像データ等のことをいいます(同法2条3項)。

そして、「自己の性的好奇心を満たす目的」で、児童ポルノ又はそのデータの入った電子機器等を所持した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処せられます(同法7条1項)。
目的に限定こそかかっていますが、児童ポルノの所持が認められる時点で「自己の性的好奇心を満たす目的」があると判断されてしまう可能性が高いといえます。

~違法収集証拠について~

今回の事案で、警察官がAさんに対して行ったバッグの中の捜索は、裁判所が発付する許可状が無ければすることができない行為です。
しかし、例外的に、逮捕の場面であれば、逮捕に伴う捜索・差押えも可能となります(刑事訴訟法220条1項)。
この時、「逮捕をする場合」に、「逮捕の現場」において捜索をすることが要件となります。
今回、Aさんはバッグの中の捜索に続き、その場で現行犯逮捕されているので、適法な捜索とみなされる可能性もあります。
もっとも、客観的には疑いがあるとは言い難いAさんのバッグを、Aさんの同意を得ようともせず捜索を始めた警察官の行為は、違法にあたる可能性もあります。
仮に、捜索の違法性が認定されるケースだと、違法収集証拠としてその利用が排除されます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件を専門にしております。
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