【事例解説】痴漢発覚後に逃走も後日逮捕
痴漢が発覚した後に逃走に成功したものの後日逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
大学生のAさんは、大学に通学する際の電車内で前に立っていた女子高校生Vの下半身を執拗に触るなどの痴漢行為をしました。
電車が駅のホームについた際に、女子高校生Vが声を上げましたが、人ごみに紛れてAさんは逃走して、そのまま大学に向かいました。
痴漢に気づかれたことを悟ったAさんは、その日から当該路線は使わないようにして別の方法で通学するなどして、なんとかやり過ごそうとしていました。
しかし、一か月ほど経ってからAさんの自宅に、警察が来て女子高校生Vに対する不動わいせつの疑いでAさんは逮捕されてしまいました。
Aさんが逮捕された旨連絡を受けた、Aさんのご両親は、弁護士に相談して初回接見に行ってもらうことにしました。
(フィクションです。)
痴漢事件における後日逮捕
痴漢事件というと、被害者に声を挙げられて、周りの乗客などから取り押さえられ最終的に逮捕されるなどの場面を想像するかもしれません。
しかし、痴漢事件といえども後日逮捕される可能性は十分にあります。
まず、被害者から被害届が出されれば警察の捜査が開始されることになります。
駅や電車内の防犯カメラの映像から、犯人の容貌や犯行の様子が判明すれば、警察が犯人に行きつくことは可能であるといえます。
そこから、逃亡や罪証隠滅のおそれがあると判断された場合には、後日逮捕されてしまうことになります。
事件発生から逮捕までの期間は、捜査の進展状況によって様々ですので、いつ逮捕されるかはわかりません。
逮捕されてしまうと
痴漢による不同意わいせつ罪(出典/e-GOV法令検索)で逮捕されると、警察官から被疑事実につき取調べを受けることになります。
そして、さらに留置の必要があると判断されると身体を拘束された時から48時間以内に検察官に事件が送致されることになります。
そこで、検察官からも取調べを受けて、そこでもさらに引き続き留置の必要性があると判断されると被疑者を受け取った時から24時間以内に裁判所に勾留請求がされます。
最終的に、裁判官が勾留を認めると10日間の勾留(延長が認められるとさらに10日間)が決定され、留置場での身体拘束が続くことになります。
弁護士に相談を
まず、弁護士に初回接見に来てもらい、今後の流れや処分に対する弁護士の見解を聞くことで事件の見通しを立てることができます。
そして、取調べの対応方法について詳しく聞くことで、落ち着いた状態で取調べに対応することが出来るでしょう。
また、弁護士に被害者との間で示談交渉を行ってもらい、宥恕条項つきの示談締結を目指します。
早期に被害者との示談を成立することができれば、準抗告や勾留取消請求が認められる可能性が高まり、一日でも早い釈放が叶う可能性があります。
検察官による不起訴処分や裁判を経ても執行猶予判決を受ける可能性を高めうるといえます。
また、起訴され正式裁判となった場合であっても、被害者の方との示談が成立した場合はその事実を裁判所に主張し、これに加えて、被害弁償が済んでいること等を主張して、執行猶予判決の獲得を目指します。