逮捕されないか不安
性犯罪・わいせつ事件での逮捕とは
逮捕とは、捜査機関による比較的短期間の身体拘束のことです。
ただし、比較的短期間と言っても、「勾留」と比べてという話なので、すぐに解放されるものではなく、警察段階では48時間、検察段階ではプラス24時間までの拘束が認められています。
性犯罪・わいせつ事件で逮捕された場合、警察署に1~2日留置され、その後検察庁に送られて、勾留をするかどうかの判断に至る(勾留するとなれば、さらに最大20日の身体拘束が続くことになります。)ことが多いです。
逮捕の種類
①通常逮捕
事前に捜査機関が裁判所に対して逮捕状の発付を請求し、裁判官がそれに応じて逮捕状を発付した場合に、その令状に基づいて行う逮捕のことです。
被疑者に対して逮捕状を示し、どのような疑いで逮捕するのかを告げて執行します。通常最も多いケースと言えます。
②緊急逮捕
一定の重大犯罪(死刑又は無期若しくは長期3年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪)を犯したと疑うに足りる充分な理由があって、急速を要するため逮捕状を得ている時間的余裕がない場合に、逮捕状なくして行う身柄拘束のことを言います。
この場合は、事後的に裁判官への逮捕状請求がなされ、そこで逮捕の適法性が審査されることになります。
③現行犯逮捕
現に犯罪を行っている人や犯罪を行い終わった人、犯罪をし終わってから間もない人を逮捕状なくして身柄拘束することを言います。
これは、捜査機関のみならず、一般市民も行うことができます。
電車内の痴漢事件で、付近に乗り合わせた人が犯人を取り押さえるといった場面がこれに当たり得ます。
性犯罪・わいせつ事件で逮捕を回避するために
①被害者との交渉を進める
被害者がいる性犯罪・わいせつ事件の場合、早期に被害者対応を開始することが、逮捕を回避するために有効です。
被害者対応をしっかりと進めているとなると、今後逃亡したり、むやみに自己の犯罪を否定し始めたりする危険性が低いと判断されます。
ただ、当事者同士が直接連絡を取り合うというのは、とくに性犯罪・わいせつ事件の場合は厳しいです。
被害者の方が接触を拒否したり、そもそも被害者の方の連絡先すら入手できないといったことが多いです。
そうした場合、弁護士を立てることで、捜査機関から被害者情報を入手し、被害者の方と冷静に協議を進めることができるようになります。
②捜査機関の取調べ要請に適切に応じる
捜査機関からの取調べ要請に対しては、きちんとした対応をとりましょう。
もちろん、仕事や学業のため都合が悪い場合は、その旨伝え、予定の調整をしてもらってください。
絶対にやってはいけないのは、一度決めた予定日に無断で出向かない、一向に電話連絡がつかなくなるといったことです。
捜査機関側からすれば、所在不明、逃亡のおそれありということになり、逮捕のリスクが高まってしまいます。
一方で、不必要な取調べがむやみに繰り返されたり、半強制的に指定の日時に呼び出したりといったことが起こった場合は、弁護士に捜査機関との間に入って話をしてもらう方が良いでしょう。
捜査機関が不適切な取調べを行うことを予防するという意味でも、弁護士に依頼しておくメリットはあります。
③逮捕回避の意見書を提出する
事件の内容などからして逮捕の可能性が高いという場合には、予め弁護士を通じて「逮捕回避の意見書」を提出することが有効です。
逮捕されてしまうと家族や会社への影響が甚大であること、健康面の問題から身体拘束には耐えがたいこと、などを伝え、それと同時に、逃亡や証拠隠滅を行わないことの誓約を書面にて行っていきます。
さらに弁護士としては、法的観点からも、今回の事件で逮捕が必要ないことを説得的に記述していきます。
弁護士が入って意見書を提出したことで、結局身体拘束なしで事件解決まで至ったという事件は多数あります。
早期に弁護士に相談を
言うまでもなく、逮捕を回避するためには、逮捕される前に弁護士に相談することが有効です。
一度逮捕されてしまえば、弁護士との相談も、接見室という限られたスペースで、しかもアクリル板越しでのみという形になります。
被疑者の方に何か書面を書いてもらうのにも、警察署内で一つ一つ手続きが必要になります。
そして何より、逮捕期間中(最大3日間)の身体解放は極めて厳しいのが実情です。
3日間の間に、外せない仕事や、学校の試験などがあっても、それを理由に捜査機関が釈放してくれることはまずありません。
未だ身体拘束はされていないけれど、そのうち拘束に至る可能性があるという事件の場合、一刻も早く弁護士に相談しておき、万が一の事態に備えておくべきでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、これまでにも、逮捕の可能性があった事件で多くの逮捕回避を実現してきました。
性犯罪・わいせつ事件で逮捕されないかご不安の方は、ぜひ一度弊所までご相談ください。