リベンジポルノで告訴

2019-08-05

リベンジポルノで告訴

兵庫県神戸市垂水区に住むAさんは,Vさんと交際中、Vさんの承諾を得てVさんのバストが殊更強調された写真、Vさんが下着姿一枚となったVさんの股間部分が殊更強調された写真を撮っていました。そうしたところ、AさんはVさんから突然別れ話を切り出されました。Aさんは,Vさんとよりを戻そうとVさんに何度も説得を試みましたが,Vさんの気持ちが変わることはありませんでした。そこで,Aさんは,Vさんへの恨みを晴らそうと、自身のSNSに上記写真画像をアップしました。そうしたところ、Aさんは兵庫県垂水警察署からリベンジポルノ被害防止法違反で事情を聴きたいととの連絡を受けてしまいました。Vさんの写真画像を見たVさんの知人から事実を知らされたVさんが、垂水警察署に告訴状を提出したようです。Aさんとしては、SNSにアップした写真画像はVさんから承諾を得て撮影したものであったことから、リベンジポルノに当たらないのではないかと納得がいっていません。
(フィクションです)

~ リベンジポルノ被害防止法 ~

リベンジポルノ被害防止法は,正式には「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(以下,法律)」といいます。
リベンジポルノ被害防止法は、2013年10月8日に起きた「三鷹ストーカー殺人事件」をきかっけに制定された法律です。
この事件は、被害者が海外に留学することをきっかけに別れ話を切り出された犯人が、殺害前から被害女性の性的な画像や動画を海外に作成したサーバーを通じてインターネット上で公開していたことでも有名となりました。しかし、当時は、リベンジポルノ被害防止法はなく、当然、裁判では適用されませんでした。

もちろん、リベンジポルノ被害防止法が制定される以前も、リベンジポルノに関しては、名誉‭毀損罪(刑法230条)、脅迫罪(刑法222条)、わいせつ物電磁的記録媒体公然陳列罪(刑法175条1項)などで処罰されていました(三鷹ストーカー殺人事件でも、差し戻し審(東京地裁)で、わいせつ物電磁的記録媒体公然陳列罪により追起訴されています)。しかし、リベンジポルノ被害防止法の制定によって、改めて「リベンジポルノ」とは何たるかということを明確に定義し、これを拡散させる行為は違法だ、ということを社会に周知させようとしたのです。

~ リベンジポルノとは ~

リベンジポルノ被害防止法では、リベンジポルノを「私事性的画像記録」又は「私事性的画像記録物」と呼んでいます。
「私事性的画像記録(いわゆる写真画像や動画などの電子データ)」又は「私事性的画像記録物(写真、BD、DVD、USBなど)」は、以下に掲げる人の姿態が記録されたものとされています。

1 性交又は性交類似行為にかかる人の姿態
 →異性間・同性間の性交行為、手淫・口淫行為など
2 他人が人の性器を触る行為又は人が他人の性器等を触る行為に係る人の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
 →性器、肛門又は乳首を触る行為など
3 衣服の全部又は一部を着けない人の姿態であって,殊更に人の性的な部位が強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するもの
 →全裸又は半裸の状態で扇情的なポーズをとらせているものなど

注意が必要なのは、

被害者(撮影対象者)が、第三者(撮影をした者、撮影対象者、撮影対象者から提供を受けた者以外の者)が閲覧することを認識した上で、任意に撮影を承諾し又は撮影したもの

リベンジポルノから除かれる

とされていることです。よって、被害者が撮影した人に承諾したとしても、それだけをもって「第三者に閲覧されることを認識した上で、任意に撮影を承諾した」とはいえませんから、Aさんはやはり処罰の対象となり得るのです。

~ どんな行為が処罰されるの?刑罰は? ~

リベンジポルノ被害防止法では、大きく「公表罪」と「提供罪」を規定しています。

「公表罪」は、不特定又は多数の者に「私事性的画像記録」又は「私事性的画像記録物」を提供する行為(私事性的画像記録物の場合は公然と陳列する行為も)を処罰する罪で、罰則は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。「提供罪」は、他人に公表させる目的で、「私事性的画像記録」又は「私事性的画像記録物」を提供する行為を処罰する罪で、罰則は「1年以下の懲役又は30万円以下の罰金」です。

いずれの罪も、告訴がなければ公訴を提起される(起訴される)ことがない親告罪です。告訴とは,犯人を処罰してほしいという被害者の意思表示のことをいいます。ですので,仮に示談を成立させるなどして被害者のお気持ちが緩和されれば,告訴を取り消していただく可能性も残されています。告訴が取り消されれば,裁判をするための要件に欠けることから,刑事処分は基本的に不起訴処分となります。

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