無実・無罪を証明してほしい
性犯罪・わいせつ事件における冤罪
性犯罪やわいせつ事件での冤罪というのは、無実の人が、性犯罪・わいせつ事件を起こしたと疑いをかけられ、捜査機関からの取調べを受けたり、場合によっては逮捕・勾留され、最終的には裁判にかけられて刑罰を科されてしまうということです。
「性犯罪・わいせつ事件をやっていない人が、性犯罪者として処罰されることなんてある訳がない…」多くの人が頭のどこかではこう思っているかもしれません。
しかし、日本においても、性犯罪やわいせつ事件での冤罪が少なからず発生してきたことは、テレビや新聞などのニュース報道からも明らかです。
また、我々弁護士は、日常的に、無実なのに性犯罪・わいせつ事件の嫌疑をかけられている人々を目の当たりにしています。
特に、捜査段階であらぬ疑いをかけられて逮捕されるケースは非常に多く、冤罪の“芽”は至る所で見られています。
冤罪がとくに多い性犯罪・わいせつ事件
冤罪はいかなる種類の事件・犯罪においても起こり得るものです。
しかし、とくに性犯罪やわいせつ事件において、冤罪発生の危険性が著しく高くなっているといえます。
その理由としては、
①性犯罪やわいせつ事件においては、捜査機関の“見込み捜査”がとくに多いこと
②性犯罪やわいせつ事件においては、多くの場合、事件関係者が加害者と被害者のみであり、そうした状況の中で、被害者供述が基本的に信用されてしまうこと
が挙げられます。
性犯罪やわいせつ事件においては、捜査を担当する警察官・検察官がはなから厳しい姿勢で臨んで来ることが多いです。
一度“容疑者”とされると、性癖等を執拗に聞かれ、少しでも事件と関係ありそうな性癖があれば、“犯人”と決めつけて厳しい取調べを繰り返すことが少なくありません。
性犯罪やわいせつ事件については、法律で定められた刑罰(法定刑)が重いものも多く、捜査自体も厳しいものになりがちなのです。
また、性犯罪やわいせつ事件の多くは、加害者・被害者以外の第三者のいない状況で発生します。
そのため、性犯罪・わいせつ事件の捜査においては、加害者供述と被害者供述の信用性判断が重要なポイントになってきます。
しかし、捜査機関は、多くの場合、被害者供述を信用しやすく、加害者供述にあまり耳を傾けてくれない傾向にあります。
裁判の場でも往々にしてそうしたことが見られます。「被害者が嘘を付くわけがない」という考えが根強くあるのでしょう。
確かに、多くの被害者は、本当に辛い目に会い、やっとの思いで捜査機関や裁判所に対して被害申告・供述をしているのでしょう。
しかし一方で、“加害者”に対し何らかの恨みがあったり、一定の要求を行うために、虚偽の被害申告をする、という事態が少なからず発生していることもまた事実です。
本来であれば、客観的証拠に基づいた冷静な捜査が求められます。
しかし、性犯罪・わいせつ事件の内容・捜査機関の被害者への遠慮・被害者供述の妄信といった種々の要因が重なって、性犯罪・わいせつ事件の捜査においては、他の犯罪以上に冤罪が生まれる危険が高いのです。
性犯罪・わいせつ事件で冤罪を回避するための弁護活動
①取調べ対応について徹底アドバイス
多くの人にとって、性犯罪やわいせつ事件について捜査機関から取調べを受けるということは、緊急事態であり、初めての経験です。
パニックになり、何をどう話して良いか分からないといった事態に陥るのはもっともです。
緊張状態の中で話したことが、ややもすると自身の首を絞めているかもしれません。
捜査機関が作成する調書は、捜査機関の“見込み”に沿って、捜査機関に都合が良いようにまとめられているかもしれません。
性犯罪やわいせつ事件での冤罪を防ぐためには、早い段階で、弁護士から取調べ対応について徹底したアドバイスを受けることが大切です。
②精神面の徹底サポート
性犯罪やわいせつ事件の容疑で留置場等に身柄を拘束され、家族等との面会も制限される中で連日長時間の取り調べを受けるのは、精神的・肉体的にとても辛いことです。
そのような状況では、「罪を認めればすぐに出られるのではないか。」といった根拠もない考えが頭に浮かび、捜査官の誘導に乗って自身に不利な供述をしてしまう危険性はどんどん高くなっていきます。
弁護士以外との面会が極度に制限される中、何ら制限なく接見を行える弁護士が頻繁に会いに行き、精神的サポートを徹底して行うことが、虚偽の自白、ひいては性犯罪・わいせつ事件における冤罪を阻止するためにとても重要になります。
③違法・不当な取調べの防止・排除
捜査機関の行う性犯罪・わいせつ事件の取調べに、暴力・暴言、不当な利益誘導等が見られる場合、その取調べは違法状態になっているといえます。
通常、弁護士が付いていることで、そうした取調べに対する抑止力が働きますが、それでも捜査状況に問題が見られる場合には、弁護士から即座に捜査機関に抗議を行ったり、違法状態であることを記録に残すなどの活動を行います。
さらなる違法捜査を防ぐとともに、後に虚偽自白が問題になるような場合に備えて、予めしっかりと準備をしておくのです。
④虚偽自白への対応
性犯罪・わいせつ事件の捜査段階で虚偽の自白がとられてしまった場合、最終的には、裁判の場でその証拠価値を争っていくことになります。
不当に得られた自白だとして裁判での証拠にさせなかったり、証拠として裁判の場に出された場合でも、その内容の信用性について争ったりする活動が必要になります。
法律の解釈や、種々の法律上の手続きを踏む必要があり、弁護士がそれらを踏まえて活動していくことになります。
⑤無罪を証明する
性犯罪・わいせつ事件の刑事裁判では、検察官に有罪立証の全責任があり、被告人・弁護人に「無罪を立証する」責任はありません。
そこで、弁護士としては、検察側立証の不十分さをついていくことがまずもって重要になります。
しかし場合によっては、それと並行して、アリバイ立証や、被害者供述の信ぴょう性調査等を弁護人側が積極的に行っていくことも必要になって来るでしょう。
弁護士は、性犯罪・わいせつ事件の内容により、必要・適切な調査を速やかに実施していくことになります。
どのような活動が有効なのかの判断には、法的判断が伴います。
また、被疑者が身体拘束をされている場合には、そうした活動を自分で行うことは当然できません。
弁護士に依頼して、弁護士に主体的に活動してもらうことが不可欠です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、日々多くの性犯罪・わいせつ事件について弁護依頼を受けています。
その中には、ご自身が犯人であることを正面から争う事件、一定の行為は認めるものの被害者が申告する被害内容の一部について真っ向から争う事件も多く含まれています。
刑事弁護に特化した事務所だからこそ、迅速・適切な弁護活動、被疑者・被告人に真に寄り添う活動が可能です。
性犯罪・わいせつ事件であらぬ疑いをかけられてしまった場合、まずは早急に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。