強制わいせつの疑いで逮捕

2021-04-21

今回は、大学生のAさんがカラオケボックスにおいて強制わいせつ事件を起こしてしまい、逮捕されてしまった場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします

大学4回生のAさんは、同級生であり、友人である女子学生Vとカラオケボックスで遊んでいたところ、酒に酔った勢いでVの襟元から胸に手を入れ、胸部を弄んでしまいました。
Vは怖くなってカラオケボックスを出て行き、Aさんは一人で自宅に帰りました。
翌日、Aさんの自宅に警察官が現れ、逮捕状を見せられた後、強制わいせつの疑いで逮捕されてしまいました。
Aさんは就職先の内定を有しており、事件を起こしたことが内定先に発覚し、内定を取り消されてしまうことを恐れています。
また、事件が大学に発覚すれば、退学させられるかもしれません。
どうすればよいのでしょうか。(フィクションです)

~強制わいせつ罪とは?~

強制わいせつ罪とは、13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をする犯罪です。
不意に股間に手を差し入れる場合のように、暴行自体がわいせつ行為に該当する場合であっても、強制わいせつ罪を構成しえます。
そのため、Aさんのように、被害者の襟元から胸に手を入れ、胸部を弄んだ、という場合であっても、「暴行によるわいせつ行為」と判断される可能性があります。

また、13歳未満の者に対しては、暴行・脅迫を行わなくても、また、同意があったとしても、わいせつな行為を行えば、強制わいせつ罪が成立します。

強制わいせつ罪につき有罪判決が確定すると、「六月以上十年以下の懲役」に処せられます(刑法第176条)。

~身柄解放の早期実現を目指す~

逮捕後、留置の必要が認められると、逮捕時から48時間以内に検察へ身柄が送致されます。
送致後、検察官は、身柄を受け取ったときから24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内に、Aさんの勾留を請求するか、Aさんを釈放するかを決めなければなりません。

勾留請求がなされた場合、裁判官が勾留の可否を審査します。
勾留されてしまうと、10日間、留置場や拘置所に入らなければなりません。
やむを得ない事由が認められ、勾留が延長されると、さらに最長10日間、身体拘束期間が延びることになります。
以上を合計すると、捜査段階において最長23日間の身体拘束を受ける可能性があります。

身体拘束がもたらす心身への悪影響はもちろん、逮捕されたタイミングによっては、大学へ通学できないことによって卒業できなくなる不利益が生じる場合もあります。
したがって、一刻も早く外に出られるよう活動しなければなりません。
そのためには、早期に弁護士を依頼することが重要です。

(身元引受人の用意)
身柄解放活動の一つとして、身元引受人を用意することが考えられます。
ケースの場合、Aさんの両親や親族が想定されるでしょう。
両親や親族に身元引受人となってもらうよう依頼し、責任をもってAさんを監督する旨を誓う上申書を作成して捜査機関に提出することにより、勾留決定や勾留延長の回避、準抗告、勾留取消請求の認容を目指します。

(示談交渉の開始)
Vと示談を成立させれば、早期に釈放される可能性が高まります。
強制わいせつ事件の示談交渉においては、被害者に交渉を拒否されることも予想されます。
また、示談金も比較的高額になることが予想され、引っ越しなど他の条件を要求されることもあるため、示談交渉に熟達した弁護士に依頼する必要があるでしょう。

(秘密保持義務の設定)
もし示談交渉が功を奏した場合には、事件が大学や内定先に発覚することを回避するため、Vに秘密保持義務を負担してもらうことも考えられます。
もしVが秘密保持義務の履行を怠れば、VはAさんに対して損害賠償義務を負わなくてはならなくなります。

~不起訴処分の獲得を目指す~

Aさんが初犯であれば、Vと示談を成立させ、真摯に謝罪、反省することにより、不起訴処分(起訴猶予処分)を獲得できる場合もあります。
この場合は前科を付けずに事件を解決することができます。

ケースの事件において最も有利な事件解決像は、早期に身柄解放を実現し、不起訴処分を獲得することと思われます。
まずは刑事事件に熟練した弁護士に弁護活動を依頼し、最も有利な事件解決を目指していきましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
大学生のご子息が強制わいせつ事件を起こし、逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。