強制わいせつ罪と暴行罪

2020-08-12

強制わいせつ罪と暴行罪

<刑事事件例1>
会社員のAさんは、東京都東村山市を営業で巡回中、通行人の女性Vさんに抱きついたうえ胸や下腹部を触る等のわいせつ行為を行ったとして、目撃者からの通報を受けた警視庁東村山警察署の警察官によって、強制わいせつ罪の疑いで逮捕されました。

<事例2>
会社員のAさんは、東京都東村山市の飲み屋帰り、酔った勢いで通行人の女性Vさんに抱きついたところ、他の通行人に止められ、駆けつけた警視庁東村山警察署の警察官によって暴行罪の疑いで警察署で取調べを受けました。
(※上記いずれもフィクションです。)

【女性に抱きついて刑事事件化~わいせつな行為とは?~】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、路上や電車内、公共の建物等において、女性に抱きついたり、それ以上のわいせつ行為をしてしまい性犯罪の疑いで悩んでいるとご相談が寄せられます。

例えば、「女性に抱きつく」という犯罪態様についても、その具体的な行為によって、強制わいせつ罪(刑法176条)や暴行罪(刑法208条)それぞれが成立する場合があり、それによって法定刑が異なることは勿論、逮捕勾留の可能性や不起訴処分の可能性も異なり得るため、注意が必要です。

強制わいせつ罪では「暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者」と定めており、暴行罪暴行に加えて「わいせつな行為」が必要であるとしています。

わいせつな行為とは、判例の定義によれば、性欲を刺激、興奮または満足させ、普通人の性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為を言います。

具体的な刑事事件の判例として、陰部に触れること、女性の胸に触れること、キスをすることはわいせつな行為に当たると判断されています。

他方、単なる抱擁(抱きつき)をわいせつ行為と判断した事例は少なく、抱きついた上で胸やお尻を触る等の行為がなければ、人の身体に対する有形力の行使として暴行罪で処罰されるに留まるでしょう。

また、被疑者の意図としては胸や尻に触るわいせつ行為をするつもりであったところ、例えば路上でのすれ違い際に触ろうとしたため、狙いを外したり、相手の身体を押すような形になったため、わいせつな行為の認定が難しい場合には、暴行罪での立件となる例も見受けられます。

ただし、暴行罪強制わいせつ罪に比べれば法定刑は軽いですが、繁華街で酔って抱きついた場合など、人目のある場所での暴行罪現行犯逮捕のリスクが高いですので、十分に気を付けてください。

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