【条文解説】不同意性交等罪の改正について(後編)
不同意性交等罪の改正点について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
今回は、不同意性交等罪における弁護活動について解説していきます。
弁護活動の例
・示談交渉
不同意性交等罪は、示談によって被害者の処罰感情が緩和され、刑事裁判を望まない場合については、不起訴になる可能性が高まります。
また、仮に起訴されてしまっても、示談や被害弁償を行うことで、量刑上は有利に考慮されるでしょう。
さらに、不同意性交等事件では、被疑者(容疑者)とされた人が逮捕・勾留によって身柄を拘束され可能性が高いですが、示談をすることで釈放・保釈の可能性も高まります。
・無罪主張
性行為等をしていない場合や、性行為等について相手方の同意があった場合、犯罪に当たらないにもかかわらず捜査機関から不同意性交等罪の容疑をかけられてしまうこともあります。
そのような場合は、弁護人を通して捜査機関の主張が十分な証拠に裏付けられていないことを指摘し、不起訴処分・無罪判決に持ち込む弁護活動をしていくことになります。
まずは弁護士が取調べ対応について的確なアドバイスをしたうえで、たとえば客観的な証拠に基づいて被害者の供述が信用できないことを主張するなどして、不起訴処分又は無罪判決を訴えていくことになります。
・更生(再犯防止)環境の構築
依頼者の方と相談しつつ、必要であれば矯正プログラムの検討とともに証拠提出の上、再犯防止に向けてサポートします。
繰り返し性犯罪で捕まった場合、反省や更生がされていないとして、重い処分がなされる可能性が高まります。しかし、そのような常習者のなかにも自らをコントロールできずに繰り返してしまう方がいます。このような場合には医療機関などの専門機関への受診と治療などを行い、根本からの改善を試みるように促します。