強盗・不同意性交等罪、強盗・不同意性交等致死罪(旧 強盗・強制性交等罪,強盗・強制性交等致死罪)
強盗・不同意性交等罪の法定刑は、無期又は7年以上の懲役です(刑法第241条1項)。
強盗・不同意性交等致死罪の法定刑は、死刑又は無期の懲役です(刑法第241条3項)。
【強盗・不同意性交等事件、強盗・不同意性交等致死事件の解説】
1 強盗・不同意性交等罪、強盗・不同意性交等致死罪とは
強盗・不同意性交等罪は、強盗(未遂も含む)犯人が、被害者に対し不同意性交等(未遂も含む)を行うか、不同意性交等(未遂も含む)犯人が被害者に対し強盗(未遂も含む)を行なった場合に成立します。
強盗・不同意性交等致死罪は、上述の結果、被害者を死亡させた場合に成立します。
2 主体について
1つ目のケースは、「強盗の罪若しくはその未遂罪を犯した者」です。「強盗」犯人とは、強盗の実行に着手した者をいい、「強盗」について既遂に達している必要はないことから、財物を奪取する目的の下暴行・脅迫を加えたものの、財物を奪取することができなかった者も含まれることとなります。
2つ目のケースは、「不同意制性交等の罪若しくはその未遂罪を犯した者」です。「不同意性交等」についても、既遂に達している必要はなく、不同意性交等の目的の下暴行・脅迫を加えたものの、不同意性交等に至ることができなかった者も含まれることとなります。
3 傷害を負わせるにとどまった場合
強盗犯人が、強盗・不同意性交等した際に被害者に傷害を負わせた場合は、明文の規定がないものの、強盗・不同意性交等罪が成立し、傷害の点については情状として考慮すれば足りるとされています。
4 裁判員裁判対象事件であること
強盗・不同意性交等事件、強盗・不同意性交等致死事件は、裁判員裁判対象事件であるところ、裁判員裁判では一般の方も裁判に参加することから、強盗・不同意性交等、強盗・不同意性交等致死事件の場合には、裁判員裁判の経験を有する弁護人を付ける必要があるといえます。
【強盗・不同意性交等、強盗・不同意性交等致死事件の対応】
1 無罪を主張する場合
身に覚えがないにも関わらず、強盗・不同意性交等、強盗・不同意性交等致死の容疑を掛けられてしまった場合や相手方の同意があった場合には、弁護士を通じて、警察や検察などの捜査機関及び裁判所に対してその旨主張することで、不起訴又は無罪を獲得する余地があります。
身に覚えのない強盗・不同意性交等、強盗・不同意性交等致死の容疑をかけられた場合には、アリバイや真犯人の存在を示す証拠を提出することで、強盗・不同意性交等、強盗・不同意性交等致死罪を立証する十分な証拠がないことなどを主張していきます。
また、相手方の同意があったことを主張する場合には、相手方の同意を推認することができる客観的な証拠、事情を捜査機関に主張していくこととなります。
もっとも、アリバイの主張や同意があったことの主張・証明にはポイントがあるところ、効果的な主張・証明を行っていくことは、一般の方には困難と思われます。
この点、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、強盗・不同意性交等、強盗・不同意性交等致死事件など刑罰(刑事責任)が問題になる刑事事件・少年事件のみを取り扱っており、強盗・不同意性交等、強盗・不同意性交等致死事件の刑事弁護実績が豊富な弁護士が多数在籍しておりますので、適切なアドバイスをすることにより、不起訴・無罪を獲得するためのサポートをさせていただきます。
2 罪を認める場合
⑴ 謝罪、示談
被害者感情が重要視される昨今、強盗・不同意性交等、強盗・不同意性交等致死事件においても、被害者の方と示談することは、重要な弁護活動です。警察に被害届が提出される前であれば、被害届の提出を阻止し、警察の介入を阻止して事件化を防ぐことができます。
警察に被害届が提出されてしまった後であっても、強盗・不同意性交等事件においては、示談をすることによって、不起訴を獲得する可能性を高めることができます。
強盗・不同意性交等、強盗・不同意性交等致死事件では、被害弁償や示談の有無及び被害者の処罰感情が行為者の処分に大きく影響することになるので、弁護士を介して迅速で納得のいく示談をすることが重要です。
また、示談をすることで行為者が釈放される可能性もありますので、示談によって行為者の早期の学校復帰・社会復帰を目指すことができます。
⑵ カウンセリング等を受ける
強盗・不同意性交等、強盗・不同意性交等致死事件の加害者のなかには、その背景に自己の性的衝動に対するコントロールに関し、何らかの問題を抱えている場合が多く、そのような場合には、専門家による治療が必要となります。
カウンセリングを受けたり、クリニックに通うことによって、問題を根本から改善する必要があります。