【事例解説】学園祭開催中の大学の女子トイレに侵入した男を逮捕

2024-06-19

学園祭開催中の大学に一般客を装い忍び込み、女子トイレに侵入した男が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

トイレ

事例

A(50歳、男性)は、学園祭が開催されている福岡県内にある大学に、一般客を装い忍び込み、人気の少ない校舎の1階にある女子トイレに侵入した疑いが持たれている。
Aが女子トイレに入るのを校舎の外から見かけた大学生が警備員に「男性が女子トイレに入って行った」通報したところ、防犯カメラの映像からAが特定され、博多警察署の捜査の結果、Aは逮捕された。
取調べに対し、Aは「純粋に一回女子トイレに入ってみたかった」と容疑を認めている。

(フィクションです。)

女子トイレに侵入すると何罪になる?

本件Aは、男性であるにもかかわらず女子トイレに侵入したとして、逮捕されてしまったようです。
取調べに対し、Aは、「純粋に女子トイレに入ってみたかった」と述べているようですが、この場合Aは建造物侵入罪に問われる可能性があります。

刑法130条(出典/e-GOV法令検索) 建造物侵入罪
正当な理由がないのに、(中略)人の看守する(中略)建造物(中略)に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する

まず、建造物とは、屋根を有し支柱などによって支えられた土地の定着物で、人が出入りすることのできる構造のものであり、住居用以外の建造物一般のことをいいます。
具体的には、体育館や商業施設のほか、本件でAが侵入した学校の校舎も建造物にあたります。
次に、侵入とは、管理権者の意思に反する立ち入りのことを言います。
Aが侵入した大学の校舎の管理権者は、Aのような男性が女子トイレに侵入することを認めていないと考えられます。
以上より、Aは、純粋な興味関心から女子トイレに忍び込んだようですから、正当な理由なく人の看守する建造物に侵入したとして、建造物侵入罪が成立する可能性が高いと言えます。

 

逮捕されたらすぐに弁護士に相談を

本件Aは建造物侵入罪の疑いで逮捕されたようです。
逮捕自体は最大で72時間となっていますが、引き続き身体拘束の必要があると検察官と裁判官から判断された場合には、最長で20日間も身体拘束が追加されます。
Aが会社員だった場合、長期間にわたって出勤することができず、会社に事件が発覚して解雇されてしまう可能性があります。
弁護士は、検察官と裁判官に対し、勾留に対する意見書を提出することができますから、このタイミングで釈放を求めることができます。
したがって、早い段階で弁護士に相談して、意見書を提出する機会を逃さないことが大切です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
建造物侵入の疑いで警察に逮捕されたご家族様をいち早く釈放させてあげたいとお考えになっている方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。