不起訴にしてほしい
性犯罪・わいせつ事件の不起訴とは
性犯罪・わいせつ事件の「不起訴」とは、今回の性犯罪・わいせつ事件について、検察官が裁判にかけることはしないという処分のことです。
不起訴処分となった場合、その性犯罪・わいせつ事件については何ら刑事処罰が下されることはなく、「前科」も付きません。
刑事手続きも終了し、今回の性犯罪・わいせつ事件については解決ということになります。
性犯罪・わいせつ事件の前科による不利益
性犯罪・わいせつ事件で罰金以上の刑に処せられて前科がついた場合には、検察庁が管理している前科調書に記載されます。
また、本籍地の市区町村で管理される犯罪人名簿に一定期間掲載されるなどの措置がとられます。
前科調書は、警察や検察官が容疑者・被疑者の前科の有無を調べたり、刑事裁判において前科の有無・内容を証明する証拠として用いられたりします。
一旦前科調書に記載された性犯罪・わいせつ事件の前科は、一生消えることがありません。
一方本籍地の市区町村で管理されている犯罪人名簿は、前科が一定の職業につき資格取得の欠格事由になっていないかを確認したり、選挙権・被選挙権の有無を確認したりするのに利用します。
犯罪人名簿に記載された性犯罪・わいせつ事件の前科は一定期間が経過すると消えてなくなります。
前科の有無・内容は、刑事裁判において量刑(刑の重さ)を大きく左右します。
性犯罪・わいせつ事件の刑事裁判では、同種性犯罪・わいせつ事件の前科がある者には重い刑が科される傾向にあります。
また、一定の資格・職業については、性犯罪・わいせつ事件の前科が欠格事由とされており、性犯罪・わいせつ事件の前科がある者は当該資格・職業の取得・就職ができなくなります。
性犯罪・わいせつ事件で不起訴処分になる方法
1 事実関係に争いがある場合
自身に性犯罪・わいせつ事件の嫌疑がかかったが、自分には全く身に覚えがないという場合は、ご自身の主張をしっかりと貫き通す必要があります。
捜査機関の取調べは長時間・多数回にわたることが予想されます。
密室での長時間の取調べは、精神的に大きな負担となり、途中で諦めてしまい、捜査機関や“被害者”の言うままに認めてしまうといったケースが後を絶ちません。
しかし、一度認めるような発言をすると、それは「調書」にまとめられ、重要な証拠になります。
後々の裁判でその内容を覆すことは非常に難しくなります。
捜査段階で徹底してご自身の言い分を貫くことがとても大切です。
とは言っても、一人の力で捜査機関に対峙するのはとても厳しいです。
その場合、弁護士をつけて、日々取調べ対応の助言を仰いだり、捜査機関の不当な対応が見られる場合には、弁護士から捜査機関に抗議をしたりすることが有効になってきます。
捜査機関としても、弁護士が入った場合には、そう手荒なことは出来なくなります。
またその一方で弁護士は、ご自身の無実を証明するための活動も行っていくことになります。
事件現場に臨場したり、“被害者”の話を聞いたりと、ご自身ではできない活動を積極的に行っていくことになります。
そうした活動の結果、ご自身の無実が証明されたり、あるいは、捜査機関が充分な証拠を収集できなかった場合には、不起訴処分という形で早期に事件が終了する可能性が出てくるのです。
2 当事者間で示談をする
性犯罪・わいせつ事件を起こしてしまった事自体に争いがない場合は、加害者と被害者との間で示談を行うことが有効です。
性犯罪・わいせつ事件の「示談」とは、罪を犯してしまった加害者と、その性犯罪・わいせつ事件の被害者との間での、話し合いによる解決のことです。
性犯罪・わいせつ事件の示談の内容について、とくに法律上の定めがあったりはしません。
あくまで当事者間での話し合いによる解決であり、お互いが納得すれば、その内容に制限はないのです。
ただ一般的には、性犯罪・わいせつ事件の加害者が性犯罪・わいせつ事件の被害者に対して一定の「示談金」を支払うとともに、今後の接触禁止等を約した上で、被害者が被害申告などを取り下げるといった内容が多いです。
当事者間で示談が成立した場合は、被害者の被害感情が収まったということで、あえて裁判にかける必要はないとの判断から、不起訴処分となることが多くあります。
示談交渉は、当事者の方が直接行っても構いませんが、多くの場合、被害者の方は加害者との接触を拒否します。
また、加害者が被害者側の連絡先を一切知らないケースがほとんどです。
そこで、弁護士を立てることで、捜査機関から「弁護士限りで」との約束の下、被害者の方の連絡先を入手し、被害者の方への接触を試みることが有効になります。
弁護士が間に入ることで、被害者の方も冷静に話し合いに応じて下さり、示談締結に至る可能性が高くなります。
ただ、弁護士と言っても、その取扱い分野には差があります。
性犯罪・わいせつ事件の示談では、性犯罪・わいせつ事件に対する知見の他、経験に裏打ちされた被害者対応のスキルが大いに求められます。性犯罪・わいせつ事件を多く扱っている弁護士に依頼するのが安心です。
3 加害者側の様々な事情を伝えていく
示談の他にも、
①加害者が事件後カウンセリングに通い始めたこと
②贖罪の意を示すために、犯罪被害者支援団体等に寄付を行ったこと
③加害者に刑事処分が下されると、会社や家族に大きな不利益が発生すること
といった、加害者か抱える様々な事情を捜査機関にしっかりと伝えていくことも重要です。
不起訴処分を下すにあたっては、検察官は様々な事情を総合考慮します。
ただ、加害者本人が取調べの際にそうした事情を話しても、なかなか捜査機関は聞いてくれないといったことが多くあります。
またそもそもご本人からは言い出せないという状況も多いでしょう。
そうした場合、弁護士を付けることで、弁護士がしっかりと書面にまとめるなどして捜査機関に伝えていくことになります。
弁護士が直接警察官や検察官と電話等で協議することも少なくありません。
それにより、確実にこちらに有利な事情、ぜひ斟酌してほしい事情を伝えることができ、不起訴処分の獲得に近づくのです。
性犯罪・わいせつ事件の取扱い実績が多い弁護士に依頼を
弁護士は、人によって取扱い分野がまちまちです。
性犯罪・わいせつ事件はおろか、刑事事件自体ほとんどやったことがない弁護士も多くいます。
性犯罪・わいせつ事件において、どのような証拠収集活動を行えばよいのか、どのように被害者対応を行えばよいのか、どのように捜査機関と交渉していけばよいのか、といったことに精通した弁護士に依頼することが、性犯罪・わいせつ事件をスピーディーかつ穏便に解決するための近道です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、これまで多くの性犯罪・わいせつ事件を取扱い、多くの不起訴処分を獲得してきました。
性犯罪・わいせつ事件のご相談は、ぜひ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご連絡ください。