性犯罪事件とデータ
1 強制性交等罪、強制わいせつ罪(現 不同意性交等罪、不同意わいせつ罪)の検挙件数
引用元:「令和4年版犯罪白書 第6編第1章第3節」より
引用元:「令和4版犯罪白書 第1編第1章第2節」より
「検挙件数」とは、警察で事件を検察官に送致・送付した件数に、微罪処分にした件数を加えたものをいいます。
法務省の作成する犯罪白書によると、「強制性交等罪の検挙件数」は、多少の増減を繰り返しながら、全体的に減少傾向となっています。しかし、平成28年頃から微増傾向に転じ、令和3年の検挙件数は1330件となっています。
検挙率も、平成中期には約60%にとどまっていましたが、その後は上昇を続け、令和3年の検挙率は95.8%と高いものになっています。
引用元:「令和4年版犯罪白書 第1編第1章第2節」より
「強制わいせつ罪の検挙件数」は、3000~4000件程度で、年度別に見ても横ばいに推移しています。
一方で、「強制わいせつ罪の認知件数」については、平成10年までは約4000件であったものが、平成11年以降に急激に増えており、平成15年頃にピークを迎えていました。
その後は減少傾向に転じ、令和3年の認知件数は4283件となっています。
2 強姦罪、強制わいせつ罪の起訴率
引用元:「平成18年版犯罪白書 第6編第4章第3節」より
「起訴率」とは、事件が検察官のもとへ送られて、起訴または不起訴とされたすべての事件のうち、起訴された事件の割合をいいます。
犯罪白書によると、「平成17年度の性犯罪・わいせつ事件の起訴率」は、強盗強姦罪が85.6%、強姦罪が65.8%、強制わいせつ罪が58.2%となっています。
より罪が重い犯罪になればなるほど、不起訴とされる割合は低くなる傾向にあります。
3 強姦罪、強制わいせつ罪における不起訴の理由
引用元:「平成18年版犯罪白書 第6編第4章第3節」より
犯罪白書によると、「平成17年度の強姦罪の不起訴理由」は、告訴取消等が30.8%、嫌疑不十分が48.6%、起訴猶予が14.1%となっています。
嫌疑不十分が不起訴理由中のおよそ半分程度を占めており、すなわち、すべての強姦事件から見ておよそ17%の事件が、嫌疑不十分として処理されていることになります。
一方で、「平成17年度の強制わいせつ罪の不起訴理由」は、告訴取消等が58.4%、嫌疑不十分が23.5%、起訴猶予が9.8%となっています。
告訴取消による不起訴の割合が特に大きく、すべての強制わいせつ事件から見ておよそ24%の事件につき、告訴が取り消されて不起訴となっていることになります。
強姦罪、強制わいせつ罪は「親告罪」とされています。
被害者からこれらの性犯罪・わいせつ事件の刑事告訴がなされなければ、警察は捜査を開始することができず、検察は事件を起訴することができません。
また、たとえ被害者からの刑事告訴がなされた後であっても、弁護士が、当事者の間に入って示談交渉を行った結果、「告訴を取り下げる趣旨の示談」が成立することがあります。
親告罪とされる性犯罪・わいせつ事件につき告訴が取り下げられれば、その事件は不起訴となります。
弁護士法人あいち刑事事件法律事務所の弁護士に、被害者との示談交渉をご依頼いただければ、これまで刑事事件を専門に扱ってきた豊かな経験をもとに、示談交渉を適切な方法で迅速に行い、告訴の取下げ・不起訴処分の獲得に向けた働きかけをいたします。
4 強姦罪の量刑傾向
引用元:「平成18年版犯罪白書 第6編第4章第3節」より
強姦罪の法定刑は、「3年以上の有期懲役」とされています。
犯罪白書によると、「平成17年度の強姦罪の通常第一審における科刑状況」は、懲役5年を超える判決がおよそ2割、懲役3~5年がおよそ4割、懲役3年以下の実刑判決がおよそ2割、懲役3年以下の執行猶予付き判決がおよそ2割となっています。
裁判官は、法定刑の範囲内で、犯行動機、犯行の経緯、実際の被害状況、同種前科の有無など諸般の情状を考慮して、実際に判決で言い渡す量刑を決定します。
強姦罪の弁護依頼を受けた弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は、仮に有罪を免れないとしても、裁判後に被告人の身柄を拘束させないために、執行猶予付きの判決を獲得することを目的として、弁護活動に尽力いたします。