性犯罪と治療
性犯罪・わいせつ事件における治療とは
性犯罪・わいせつ事件は、他の種類の犯罪と比較しても、再犯率が高い事件類型と言われています。
性犯罪・わいせつ事件を起こしてしまった直後は、「もう二度とこんなことはしない」と深く後悔する方がほとんどですが、しばらく時間が経つと、自分の意思だけではどうにもならず、再度同じような事件を起こしてしまうという方のお話をよく聞いています。
もちろん、再犯となれば、その分処分も重くなっていきます。
そして何より、「やめたくてもやめられない…」、そうした状況に置かれたご自身が、一番つらい状況に陥ってしまいます。
性犯罪・わいせつ事件を起こしてしまう要因には様々なものがあります。
一時の興奮状態から引き起こされる事件もある一方、根深い心理的要因を抱えた結果引き起こされる事件も少なくありません。
そして、一件性犯罪・わいせつ事件とは直結しないようなところに問題点が隠れていることも多いのです。
「今回のことでもう懲りたから大丈夫。」「今回はたまたまストレスが溜まっていたから。」で済ませてしまうと、後々ご自身が苦しい思いをしてしまうかもしれません。
今回の性犯罪・わいせつ事件を機に、一度専門家への相談をされると良いかもしれません。
性犯罪・わいせつ事件を起こしてしまう要因
弊所の弁護士は、日々多くの性犯罪・わいせつ事件と向き合っていますが、加害者の方が抱える問題としては、
①性的嗜好に偏りがある(小児性愛・盗撮癖・痴漢癖など)
②性規範に対する意識が低い(社内でのセクハラ行為・飲酒後の悪ふざけの延長でのセクハラ行為など)といったものの他
③対人関係(コミュニケーション力)の問題
④発達障害
⑤種々の精神疾患に端を発するもの
等、その内容は様々です。
性犯罪・わいせつ事件というと、抑えきれない性衝動が直接の原因であると考え、その性衝動を抑えるためにどうすればよいかという点に意識が行きがちですが、一見性欲・性衝動とは関係がなさそうな、円満な対人関係を構築する力といった部分に根本の問題があったりもするのです。
性犯罪・わいせつ事件を起こしてしまった加害者の方と接していても、とくに異性関係に不満はなく、むしろ異性間交流がとても盛んという方も多いです。
その一方で痴漢や盗撮行為を繰り返してしまうのです。
性犯罪・わいせつ事件を起こしてしまい、再発防止を徹底したいという場合、一度専門家の助言を仰ぐというのが有効でしょう。
ご自身も気づいていなかった様々な問題が炙り出されてくるかもしれません。
性犯罪・わいせつ事件の治療については誰に相談すればよいのか
今日では、インターネットで、「性犯罪・わいせつ事件」「治療」「カウンセリング」といったキーワードで検索すれば、様々なクリニック等が挙がってきます。
まずはそのうちのどちらかにかかられて、先生との相性等を踏まえて次のステップを考えられても良いかもしれません。
先生の方から、もっとこうしたところにかかった方が良いといった助言を頂くこともあるでしょう。
最初から1つの治療先で落ち着くとは思わずに、じっくりと時間をかけ、本当にご自身の症状に合った通院先を見つけられてください。
弊所の弁護士が担当する事件の加害者も、
①民間のカウンセラー
②公的なカウンセリング施設
③心療内科
④精神科
などなど、治療先は様々です。
経過を見て複数の通院先を回る方も多いです。
また、弊所では特定のカウンセラー・医療機関と提携をしているわけではないものの、一定のお付き合いがある機関も有しています。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、弊所の弁護士が日々対応している数多くの性犯罪・わいせつ事件からも、様々な治療法・治療先についての幅広い知見を得ています。
事件解決に向けたご相談の際に、今後の治療についても弁護士にご相談いただいて構いません。
性犯罪・わいせつ事件を起こしてしまった場合には、捜査機関対応・被害者対応等とともに、今後の治療についてもぜひ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士までご相談ください。