【事例解説】公園で露出したとして公然わいせつの容疑で逮捕(前編)
2024-10-29
公園で性器を露出したとして公然わいせつの容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
事例
フリーターのAさんは、職場でのストレスを解消するためにコンビニで大量の日本酒を買って飲みながら帰宅していました。途中、酔いが回り、スマホでアダルトビデオを見ながら、人通りがまばらな地域の公園で全裸になって歩き回りました。
この様子を見ていた近くの住人が警察に通報し、かけつけた警察官にAさんは公然わいせつの容疑で現行犯逮捕されてしまいました。
Aさんを逮捕している旨連絡を受けたAさんの両親は、事件の詳細を知るために弁護士に相談して初回接見に行ってもらうことにしました。
(フィクションです。)
公然わいせつ罪について
公然わいせつ罪は、刑法174条(出典/e-GOV法令検索)に定められています。
「公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の拘禁刑若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」(改正刑法施行までは「拘禁刑」は「懲役」)
公衆の面前でわいせつな行為を行うことを規制する法律です。
公然わいせつの「公然」とは、不特定又は多数人が認識しうる状態をいうとされています(最決昭32年・5・22)。
実際に多数人に認識される必要はなく、不特定又は多数人が認識しうる状態にあったといえれば公然性が認められることになります。
次に、「わいせつ」とは、いたずらに性欲を興奮又は刺激させ、かつ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するものをいうとされています(最判昭26・5・10)。
性器を露出することなどは「わいせつ」性を満たす可能性が高いでしょう。