【事件解説】未成年女児に対する不同意性交等罪で逮捕

2023-08-03

 オンラインゲームで知り合った未成年女児に性交等をしたとして、不同意性交等罪で逮捕された事件とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事件概要

 香川県高松市内の公園の多目的トイレで、未成年女児V(14歳)に性交等をした疑いで、同市在住の大学生の男性A(20歳)が不同意性交等の容疑で逮捕されました。
 香川県高松北警察署の調べによると、2人は7月上旬、インターネットのオンラインゲームを通じて知り合いSNSを交換し、SNS上でAから会うことを持ちかけたとのことです。
 Aは、Vが16歳未満であることを知りながら性交等をした不同意性交等の容疑を認めているとのことです。
(過去に報道された実際の事件に基づき、事実関係を大幅に変更したフィクションです。)

不同意性交等罪とは

 不同意性交等罪(刑法第177条)は、令和5年の性犯罪規定に関する刑法改正によって、従来の強制性交等罪に代わり、新たに創設された犯罪です。令和5年7月13日から施行されました。
 法定刑は、5年以上の有期拘禁刑と規定されています(「拘禁刑」はまだ施行されていないので、それまでは「懲役」になります。)。

 不同意性交等罪という罪名ではありますが、被害者が16歳未満であれば、原則として、被害者の同意があっても同罪が成立するため、本件Aは、Vが16歳未満であることを知りながら性交等をした容疑を認めており、同罪が成立すると考えられます(同条第3項)。
 
 なお、強制性交等罪では、被害者の同意の有無にかかわらず罪が成立する被害者の年齢が「13歳未満」であったところ、不同意性交等罪では「16歳未満」に引き上げられています

 これと併せて、被害者の年齢が13歳・14歳・15歳の場合を13歳未満の場合と区別して取り扱うこととされ、被害者の年齢が13歳・14歳・15歳の場合は、加害者が、被害者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に該当しなければ、被害者の同意の有無にかかわらず同罪が成立するという原則に対する例外が認められます。

 しかしながら、本件では、被害者Vの年齢が14歳、加害者Aの年齢が20歳であるため、この例外が認められる場合に該当しないと考えられ、原則どおり被害者の同意があっても同罪が成立することとなります。

未成年者に対する不同意性交等事件の刑事弁護

 未成年者に対する不同意性交等罪の場合、被害者側との示談が成立したとしても不起訴処分を得られるとは限りませんが、示談の成否は、起訴された場合の量刑や執行猶予の判断にも影響を及ぼし得るため、示談を成立させることはなお重要と言えます。

 被害者が未成年者のため、通常、示談交渉は両親等の保護者と行うこととなりますが、保護者が子の被害に対する怒りや悲しみなどで感情的になり、被害者本人との示談交渉の場合よりも難航するおそれがあるため、刑事事件に強く、示談交渉の経験の豊富な弁護士への相談をお勧めします。

 示談金の支払いと併せて、被害児童と今後一切接触しないことを誓約することにより、示談書に「刑事処罰まで求めない」旨の宥恕条項を入れてもらうことができれば、不起訴処分を得られる可能性を高めることが期待できます。

すぐに弁護士にご相談を

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、性犯罪を含む刑事事件を多数取り扱い、法改正前の強制性交等事件において、示談成立による不起訴処分を獲得している実績が多数あります。

 不同意性交等罪でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。