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【報道解説】12歳女児に乱暴して強制性交罪で逮捕

2022-10-28

【報道解説】12歳女児に乱暴して強制性交罪で逮捕

SNSで知り合った12歳の女児にホテルで乱暴したとして強制性交罪の疑いで逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

「12歳の女児にホテルで乱暴したとして、兵庫県警福崎署は19日、強制性交の疑いで、大阪市東淀川区の無職の男(31)を逮捕した。
逮捕容疑は8月19日午後1時~6時半ごろ、女児が13歳未満と知りながら、大阪市内のホテルで乱暴した疑い。
調べに『間違いありません』と容疑を認めている。
同署によると、2人は交流サイト(SNS)で知り合ったという。
後日、女児が被害を訴えたことから、保護者が同署に被害を届け出た。」

(令和4年10月19日に神戸新聞NEXTで配信された報道より引用))

【18歳未満の未成年と性行為をした際に成立する可能性がある犯罪】

18歳未満の未成年と同意の元、性行為をした場合は各都道府県が定める青少年保護育成条例に規定されている淫行条例に違反する可能性があります。
淫行条例に違反した場合にどのような罰が科されるかは、各都道府県によって異なります。
例えば大阪では、大阪府青少年健全育成条例39条が、18歳未満の青少年性行為を禁止する淫行条例となっていますが、これに違反すると、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられる可能性があります(同条例52条)。

また、18歳未満の児童とお金を渡して性行為をした場合には、児童買春行為として、児童買春・児童ポルノ規制法に違反する可能性があります。
児童買春をした場合、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられる可能性があります(児童買春・児童ポルノ規制法4条)。

これとは別に、今回取り上げた報道のように、18歳未満の未成年者の同意なく無理矢理に性行為をした場合には、刑法177条が定める強制性交等罪が成立する可能性があります。
強制性交等罪は被害者の年齢が何歳かということで、犯罪が成立するための条件が異なります。

被害者の方が13歳以上のときは、暴行又は脅迫を用いて性交等(性交、肛門性交、口腔性交のいずれか)をした場合に強制性交等罪が成立します。
これに対して、被害者の方が13歳未満のときは、単に性交等をした場合に強制性交等罪が成立することになります。

取り上げた報道では、逮捕された男性がホテルで12歳の女児に乱暴したとのことですが、被害者の方の年齢が12歳ということであれば、暴行又は脅迫性交のための手段として用いても用いてなくても、性交等をしたという事実があれば強制性交等が成立することになります。
なお、強制性交等の法定刑は、5年以上の有期懲役となっています。

【家族が18歳未満の未成年者と性行為をしたことで逮捕されてしまったら】

家族が未成年者と性行為をしたことで逮捕されてしまった場合、弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
この初回接見によって、事件の見通しや今後の手続きの流れを知ることができますし、また、逮捕された方に今後の取調べについてのアドバイスをすることもできます。

未成年者と性行為をした場合には、性行為時に相手の年齢がいくつであるかを認識していたのかといったことが非常に重要になりますので、逮捕後はこの点の認識について取調べを受けることになるでしょう。
例えば、今回取り上げた報道のように13歳未満の子供に対する強制性交等罪が事件になっている場合、性行為時に被害者の年齢が13歳未満であることの認識がなければ強制性交等罪が成立しないことになりますので、警察は強制性交等罪が成立させるために「相手が13歳未満であることを知っていたんだろう」と供述を誘導してくるおそれがあります。

仮に、13歳未満であることを認識していなかった場合にこのような誘導に乗ってしまうと、本来問われることのない強制性交等罪としての処罰を受けることにもなりかねません。
取調べ室という密室において、取調べのプロである警察の誘導に乗らずに、自身の言い分をしっかりと供述するためには、弁護士によるアドバイスが大事になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
家族が18歳未満の未成年者性行為をしたことで警察に逮捕されてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

【報道解説】車で女子中学生を連れ回してわいせつ行為で逮捕

2022-06-29

【報道解説】車で女子中学生を連れ回してわいせつ行為で逮捕

女子中学生に声をかけ、車で連れ回した上でわいせつ行為をして逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

「女子中学生を車で連れ回しわいせつな行為をしたとして、群馬県の介護福祉士の男が逮捕されました。
警察によりますと、逮捕されたAは今年3月、群馬県内の公立体育館の敷地内で、女子中学生に声をかけて乗用車に乗せて連れ去り、公園の駐車場で抱き締めるなどの暴行を加え、わいせつな行為をした疑いがもたれています。
Aは、夕方ひとりで散歩していた女子中学生にアニメの話などを持ちかけて声をかけ、『寒いから車に乗ろう』などと誘い、犯行に及んだということです。
調べに対し、Aは容疑を一部否認しているということです。」
(令和4年5月25日の日テレNEWSより一部匿名にして引用)

【わいせつ目的誘拐罪とは】

報道では、女子中学生に声を掛けて乗用車に乗せて連れ去り、その後わいせつな行為をしたとありますが、このような行為はどのような罪に問われる可能性があるのでしょうか。
まず考えられるのは、「わいせつ目的」で人を「誘拐」した場合に成立する、わいせつ目的誘拐罪(刑法225条)です。

わいせつ目的誘拐罪が成立するためには、「わいせつ目的」で人を誘拐する必要があります。
わいせつ目的」とは、誘拐した人が誘拐された人に対してわいせつ行為をする目的や、誘拐された人にわいせつ行為をさせる目的を言います。
報道では、Aさんが「わいせつ目的」で女子中学生を誘拐したかについての記載がありませんが、結果としてAさんが実際に女子中学生にわいせつ行為をしたことから、「わいせつ目的」があったと判断されたのだと考えられます。

わいせつ目的誘拐罪の「誘拐」とは、偽計・誘惑といった手段により他人に誤った判断をさせて他人を現在の生活環境から自身又は第三者の支配下に置く行為をいいます。
報道では、女子中学生に対して、アニメの話などで声をかけて「寒いから車に乗ろう」などの誘い文句を用いて自身の支配下である車に乗せた疑いがあるとのことですので、「誘拐」にあたることになるでしょう。

従って、Aさんにはわいせつ目的誘拐罪が成立する可能性があります。
わいせつ目的誘拐罪の法定刑は、1年以上10年以下の懲役刑となっています。

なお、被害者は女子中学生と未成年者ですが、わいせつ目的などがあれば本条で処罰され、別に未成年者略取誘拐罪(刑法224条)では処罰されません。

【強制わいせつ罪とは】

被疑者の方の意思に反してわいせつ行為を行うのに必要な程度の暴行を加えてわいせつ行為をした場合には、強制わいせつ罪(刑法176条)が成立します。

報道では、女子中学生に対して抱き締めるなどの暴行を加え、わいせつな行為をした疑いがあるとの記載があります。
抱きしめるという行為は、被疑者の方の意思に反してわいせつ行為を行うのに必要な、反抗を著しく困難にする程度の暴行に当たると考えられますので、そのような暴行を加えた上でわいせつ行為をしたという事実が認められれば、Aさんには強制わいせつ罪も成立する可能性があります。

強制わいせつ罪の法定刑は、6ヶ月以上10年以下の懲役刑となっています。

【わいせつ目的誘拐罪と強制わいせつ罪の関係】

わいせつ目的誘拐罪強制わいせつ罪が成立した場合、わいせつ目的誘拐罪は、強制わいせつ罪を行うための手段であると考えることができますので、両罪は刑法54条1項後段が定める牽連犯の関係になります。
わいせつ目的誘拐罪強制わいせつ罪が牽連犯の関係になると、両者のうち重い方の刑によって処罰されることになります。

わいせつ目的誘拐罪の法定刑は1年以上10年以下の懲役刑であるのに対して、強制わいせつ罪の法定刑は6ヶ月以上10年以下の懲役刑となっています。
両罪の法定刑を比較すると、刑の上限はいずれも懲役10年と同じですが、刑の下限が懲役1年である点でわいせつ目的誘拐罪の法定刑の方が重いと言えます。
そのため、わいせつ目的誘拐罪強制わいせつ罪の両罪が成立した場合は、わいせつ目的誘拐罪の刑によって処罰されることになるでしょう。

【わいせつ目的誘拐罪・強制わいせつ罪の刑事弁護活動】

わいせつ目的誘拐罪強制わいせつ罪を犯してしまい警察からの捜査を受けてお困りの方は、事件の見通しや今後の事件の流れなどについて弁護士に相談するのが良いでしょう。
本当に罪に問われるのか、罪に問われた場合にどのような刑が科されるのか、今後の対応などについて、弁護士から、専門的な知見に基づいたアドバイスを得ることが期待できます。

また、ご家族の中に、わいせつ目的誘拐罪強制わいせつ罪の疑いで逮捕された方がいて、お困りの方は、弁護士に初回接見を依頼して、弁護士を現在逮捕されているご家族の方の元へと派遣されることをお勧めします。
この初回接見によって、逮捕されたご本人やご依頼頂いたご家族に対しまして、事件の見通しや今後の流れについてアドバイスをさせて頂きます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門に取り扱う事務所です。
わいせつ目的誘拐罪強制わいせつ罪を犯してしまいお困りの方、ご家族の中に逮捕された方がいてお困りの方は、一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで御相談下さい。

【解決事例】強制わいせつ罪の逮捕事案で示談成立、不起訴処分を獲得

2022-05-05

【解決事例】強制わいせつ罪の逮捕事案で示談成立、不起訴処分を獲得

成人男性による強制わいせつ被疑事件に関する刑事弁護活動とその結果について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が紹介します。

【被疑事実】

本件は、男性被疑者Aが、埼玉県内のスーパー駐車場内において、女性買物客Vの自動車に身体を差し入れつつ、Vの下腹部等を撫でたという強制わいせつ罪の事例です。

Aは犯行を行った日に自宅に押し寄せた警察官によって強制わいせつ罪の疑いで逮捕され、裁判所によって10日間の勾留が決定された後、A親族より弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に刑事弁護の依頼が入りました。

【刑事弁護の経緯 身柄解放活動】

本件の弁護士契約を締結した時点で、すでにAは勾留されていたため、刑事訴訟法の規定では、決定された勾留に対して1度だけ不服申立て(準抗告)をすることができます。
しかし、本件の強制わいせつ罪の犯罪態様は悪質で、AとVの生活圏も近く、威迫などによる証拠隠滅(罪証隠滅)が疑われる可能性が非常に高く、弁護人は不服申立て(準抗告)をしたところで、認容される可能性は非常に低いと判断しました。

そこで、弁護人は、Vに対する示談交渉を迅速に進め、示談の成立によって勾留の必要性がなくなったと訴えていく方向を採用することにしました。

Aは強制わいせつ罪の被疑事実は認めていたため、弁護人示談交渉中はAの接見をまめに行い、示談交渉の進捗状況を伝えたり、また取調べにおいて不当に過大な事実を自白させられなかったか等の確認を行い、今後Aが起訴された場合の刑事裁判に備えて布石を打っていきました。

【刑事弁護の経緯 示談交渉】

前述のとおり、本件の強制わいせつ罪は態様が悪質であったこと、勾留に対する不服申立て(準抗告)が認容される可能性が低かったことから、弁護人としては、通常よりも高い水準の示談金を申し出て電撃的に示談交渉をまとめ上げる方向で交渉を進めました。

その結果、示談交渉を始めた翌日にはVにお会いして示談書の締結をしていただくことができ、この示談書において、Aに対する刑事責任を問わない旨の文言(宥恕文言)を入れていただくことにも成功しました。

示談締結後、弁護人はすぐに示談書の写しを検察官に提出し、裁判所に対して、示談の締結をもって勾留の必要性はなくなったとする勾留取消請求書を提出しました。

これにより、検察官は勾留を延長することなく、当初の勾留期間の満期をもってAを釈放し、同日づけで本件強制わいせつ被疑事件不起訴処分としました。

【依頼者からの評価】

強制わいせつ罪のような法定刑の重い犯罪では、被害者との示談が成立しなければ、検察官によって公判提起(起訴)されるのが実務上多数です。

本件では、示談締結に向けて、弁護人が精力的・電撃的に活動を行い、結果として迅速に示談締結に至ったため、A親族からは、迅速に事件が不起訴処分で解決されたことについて感謝の言葉をいただきました。

【刑事事件の解決のために】

前述のとおり、強制わいせつ罪のような法定刑の重い犯罪では、被害者との示談が成立しなければ、検察官によって公判提起(起訴)されるのが実務上多数です。

強制わいせつ罪のような法定刑の重い性犯罪示談交渉では、示談金示談条件について、かなりの幅を以て柔軟に交渉し、被害者の求める落としどころに合致するよう、迅速に交渉をまとめあげる実績と経験を持った、性犯罪刑事事件の経験豊富な弁護士刑事弁護を依頼することが非常に大切です。

強制わいせつ罪などの性犯罪刑事事件化してお悩みの方、またはご家族が逮捕されてお悩みの方は、強制わいせつ罪を含む性犯罪示談交渉に多数の実績を持つ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所への弁護の依頼をご検討ください。