性犯罪と親告罪

1 親告罪とされる性犯罪・わいせつ事件

性犯罪・わいせつ事件のうち、(準)強制わいせつ罪、(準)強姦罪、わいせつ目的略取・誘拐罪、ストーカー規制法違反などの罪については「親告罪」とされており、被害者からの告訴がなければ、検察官は起訴をすることができません。

これらの犯罪が親告罪とされているのは、女性の名誉やプライバシーを守るためです。

被害にあった女性本人が、自己のプライバシーが裁判上で開示されることを拒否したいのであれば、その意思が尊重されて裁判が行われることはありません。

 

2 非親告罪とされる性犯罪・わいせつ事件

一方で、強制わいせつや強姦の際に被害者に怪我を負わせたような場合に成立する強姦致傷罪、強制わいせつ致傷罪については、「非親告罪」とされています。

また、複数人で強姦をした場合に成立する集団強姦罪についても「非親告罪」とされています。

これらの性犯罪・わいせつ事件が非親告罪とされる趣旨は、被害者女性のプライバシーに対する配慮よりも犯罪の重大性や社会的影響を重視しているところにあります。

これらの性犯罪・わいせつ事件については、たとえ被害者からの告訴が無くても、捜査機関は事件を捜査して刑事裁判を提起することができます。

 

3 性犯罪・わいせつ事件の告訴とは

告訴とは、犯罪の被害者が警察等に対し犯罪の事実を申告して、犯人の逮捕を求める意思表示をいいます。

告訴をすることができる者については、刑事訴訟法230条以下に規定があり、被害者、被害者の法定代理人(保護者など)、被害者死亡のときの配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹、加害者が身内のときの被害者の親族、などが告訴権者とされています。

告訴は、告訴状という書面でなされるのが通常です。検察官または司法警察員に対して告訴がなされれば、捜査機関による事件の捜査が開始され、最終的には検察官が当該事件の起訴・不起訴の判断を、告訴をした者に通知することになります。

また、検察官は、告訴のあった事件につき不起訴の判断をした場合には、その告訴をした者に対して、不起訴処分とした理由を通知しなければならないとされています。

親告罪の告訴期間は、原則として、犯人を知った日から6ヵ月以内に限定されています。

ただし、(準)強制わいせつ罪、(準)強姦罪、略取誘拐罪などの一部の罪については、短期間で告訴するかどうかを決定することの難しい被害者の身上に配慮して、告訴期間の制限が撤廃されています。

 

4 親告罪と示談による告訴の取り下げ

性犯罪・わいせつ事件の被害者との間で示談が成立し、その交渉がうまく進めば、被害者による「告訴の取り下げ」の意思が示談書の趣旨中に明示されることがあります。

被害者による「告訴の取り下げ」の意思が示されれば、捜査機関に対して既になされている告訴は取り下げられ、告訴は初めからなされなかった状態に戻ります。

親告罪とされる性犯罪・わいせつ事件につき、告訴の取り下げがなされれば、捜査機関による犯罪捜査や公訴提起はできなくなるため、加害者は罪に問われることも前科が付くこともなくなります。

一方で、非親告罪とされる性犯罪・わいせつ事件については、告訴の取り下げがなされても、捜査機関による性犯罪・わいせつ事件への追及は続くことになります。

しかし、検察官が裁判で求刑する内容を決定する際には、被害者の処罰感情の程度や告訴が取り下げられた事実が考慮されるため、性犯罪・わいせつ事件の刑罰の量刑を軽くする効果が大いに期待できます。

性犯罪・わいせつ事件を起こした本人が、被害者と直接の示談交渉を行うことは、被害者感情を考慮すると難しいケースが多いです。

そこで、弁護士が間に入ることで、刑事事件において非常に効果のある示談成立に向けて、被害者との交渉を円滑に進めることができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件を専門に扱う弁護士が、数々の示談交渉を成功に導いてきた経験をもとに、依頼者様の要望に答えられるよう、性犯罪・わいせつ事件における示談成立に向けた真摯な取り組みを致します。

 

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